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お笑いとラブコメは混ざりますか?~ゲラなヒロインとスベる俺が青春を沸かす話~  作者: たーたん
第一章 東高等学校はじまり編

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12話 立ちふさがる最大の敵!

 第一回東高等学校お笑い王座決定戦。

 コンビ、ピン、トリオ等問わず!

 漫才、コント問わず!

 参加資格、東高等学校生徒のみ!

 おもしろければなんでもいい!

 集え、東高等学校に潜むお笑いの申し子たちよ!

 エントリーは11月30日12時まで。


 そうポスターには書かれていた。

 あとは小さい文字でエントリー方法、お問い合わせ先などが書いてある。

 主催はお笑い同好会。協賛、東高等学校生徒会。

 ――生徒会協賛って。

 

「おう、いよいよだな……!」


 腕まくりして感嘆の息を漏らす女子さん。


「梶くん知ってました? 結構前から告知されてたんですよ、これ」

「そういえば清水がイベントあるとか言ってた気がします……」


 記憶を辿ると朧げに思い出す。

 関係ない話だと聞いていたからか、記憶からすっぽりと抜け落ちていた。


「ファナ、もうドキドキしちゃってます……。ゲームの大会もこんなにドキドキするのでしょうか……」


 不安げな面持ちで体を小さく丸めるファナさん。


「おいナイトメア。ファナのドキドキ発言だけで変な気起こしてんじゃねえぞ」

「お、起こしてませんって」


 ナイトメアで返事してしまった。


「さっきもオレの足とか見てただろ。その浮ついた心でオレたちに絡んでると、女子代表として容赦しねぇからな」

「す、すいません」


 そしてちゃんとバレていたし、それを言いたかっただけなのかもしれない。


「はいはい、そこのこんがり女子! うちの梶くんとイチャつかんといて!」

「なんだようちの梶って、ナイトメアはみんなのものだろー?」


 女子さんは白井さんに指を差されるとニヤけ顔を作ったまま、頭の後ろで腕を組んでおどけてみせる。

 怒られたわけじゃなく、ツッコまれたとわかる雰囲気を肌で感じる。チャットの空気そのままでつい顔が緩む。


「先輩、笑ってます……ふふ」

「あ、ははは……つい」


 うちの梶という白井さんの言葉がくすぐったい。


「こっほん! 話進めまーす! うちらはこの初代チャンピオンを目指します! なにせ生徒会がスポンサーになってる。これはもう学校認定のイベント! ここで名を刻めば、東高等学校の偉人として後世にまで語り継がれる!」


 ポスターの周りを黄色のチョークで装飾していく白井さん。


「わあ、公式SNSもあります。もし話題になったら凄いことになりそうです」

「ほんとだ……」


 ポスターについているQRを読み込むと公式SNSに飛ぶ。同じポスターの画像が固定化されていて本格的だった。詳細なルールなども簡単に確認できる。

 今週で11月が終わるからエントリーの期限までもう時間がない。

 受付はDMでも直接同好会に出向いてもいいらしい。参加人数と学年と氏名。あれば芸名やチーム名。

 12月の初旬に生徒会による抽選にてネタ発表順が決定。12月24日の終業式のあと、そのまま体育館を使って開催される。


 なにこれ本気すぎる……。うちの高校ってこんなだったっけ?

 たまたまお笑い好きの生徒会と先生がいたに違いない。


「冬休み中に投票期間があって、上位5組が1月の決勝戦で再度ネタを披露……審査員は、観客からランダムに選ばれた2人と生徒会長、演劇部部長と教頭先生。……って教頭先生!?」

「ビッグイベントなのです……ファナ、ドキドキが止まりません」

「まあ、そこらへんはまた一緒に見直すとして先ずはエントリー! こーちゃんは前にも言ったかもしれんけどピンで、そしてうちは梶くんとコンビで出場する!」


 興奮しているのか、白井さんの口調は砕けている。関西弁の勢いに俺は生唾を飲み込んだ。

 体育館をまるまる使って披露なんて大喜利大会の比じゃない。全校生徒に見られる可能性だってある。


「今日はこーちゃんの芸名、そしてうちと梶くんのコンビ名を決めたいと思います! そんで明日エントリー!」


 大波乱の予感しかしない。

 既に俺の心臓は荒波にもまれてどこにあるのか見失っているほどだ。いきなりの大舞台。俺はとんでもないことに片足を突っ込んでしまったのかもしれない。


「ただ問題が一つだけ……ある。うちらは舞台に立つ前に、大きな壁を乗り越えていかなあかんのです」


 がっくしと肩を下げ、天を仰ぐ白井さん。

 終業式前に待ち受ける壁……。その意味を俺は察してしまった。

 たぶん、白井さんがいう問題はこれだろう。


「……期末、テスト?」

「こくり」


 神妙な面持ちで白井さんが頷くと、わらおー会の空気がずっしりと重くなった。


「エントリー特権で赤点回避とかはないのかよ」


 女子さんは身を乗り出し、ポスターを隅から隅まで睨みつけている。

 そんな特権なんてどこにも書いてはいない。


「生徒会も大した事ねえな!」


 鼻息荒く息巻いていた。

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