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迷宮戦闘(ダンジョンバトル)  作者: 轟号剛


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vs魔王

魔王と戦う賢は拳を地面へと融合させる。


「融合:巨岩拳」


地面から大きな岩でできた拳が魔王に向かって伸びてゆくが、魔王は刀を一振りするだけできれいに真っ二つにする。


「隙だらけだぜ!」


だがその間に魔王の背後に勇が回り込んでおりノコギリを振り下ろすが、魔王は勇に振り替えることもなくノールックで刀を後ろに向かって切り上げる。


魔王の一撃は勇のノコギリもろとも勇の体を両断するが、斬られた勇は分身であり本体は賢の背後で魔王の動きを確かめていた。


「生半可な攻撃だと通らなそうだ」


勇は冷や汗をかきながら再び自身の分身を生み出す。


「なら大技で攻めてみるか」


賢は小さく呟くと魔力を大量に消費して自身の体をすべて地面と融合させる。


「巨岩人形(ギガントクレイ)」


次の瞬間、地面から巨大なゴーレムが姿を現す。


「よっしゃ!おまけしてやるよ!」


勇が賢の操るゴーレムに触れるとゴーレムの体は二倍に膨れ上がる。


勇のユニークスキル「二倍」は対象の数を増やすだけではなく、質量も増やすことができるのだ。


「潰れろ!」


賢は巨大化したゴーレムの手を思い切り魔王に振りおろす。


「甘い」


しかし、魔王はいまだにその場から動かずに刀を向かってくるゴーレムの拳に振りおろす。


勇によって強化されたゴーレムの拳であったが、魔王の振りおろす刀は紙を切るように容易く拳を両断し、その威力はゴーレムの右半身を吹き飛ばす勢いであった。


「ぐぅぅ!」


賢はゴーレムとの融合が解除されて数十メートルの高さから落下することになるが、分身の勇がクッションとなり何とか軽傷で済んだ。


「まずい、、俺の最大火力だぞ、、」


賢は自身の必殺技が魔王相手に効かなかった事実と、自身の魔力の大半を失ってしまったことで焦りを感じ始めていた。


「くそ、、どうする、、」


勇も現状魔王相手に勝機を見出すことはできず、ただ分身を魔王に放って時間稼ぎをするしかできずにいた。


「どうした?こんなものか?」


魔王は勇の分身を両断しながらゆっくりと二人の元へ近づいてくる。


「俺に一つ考えがある。最終手段だ」


賢はそう言うとそばに立っていた勇を引き寄せる。


「なんだか分からないが乗ったぜ!」


勇はなされるがまま賢に体を預ける。


「融合」


そして賢は奥の手を発動する。


今回の賢の融合対象は地面といった非生物ではなく今手を握っている勇であった。


二人の体はまぶしい光を放ちながら混ざり合うと一人の男性へと姿を変える。


賢の特徴であった逆立った髪型に細い眉毛と、勇の特徴であった茶色の髪色とサングラスが合わさった容姿となっていた。


「反撃だぜ」


賢勇(融合体の呼び名)は僅かに頬を緩ませながら左手にノコギリを出現させる。


賢がプレイヤーとの融合が可能になったのは4回戦が始まった瞬間からであり、4回戦が始まった瞬間に全プレイヤーのユニークスキルは何かしら強化されていた。


賢の場合は一ゲームに一度だけ他プレイヤーか自身の魔物と融合することができるようになったことであったのだ。


「少しは楽しめそうだな」


魔王は融合した賢勇に対してmだ距離があるにも関わらず刀を振りおろす。


すると刀からは凄まじい威力の斬撃が賢勇へと襲い掛かる。


「二倍で返すぜ」


賢勇は向かってくる斬撃に怯みもせずに右手を突き出すと、斬撃が右手と振れた瞬間に賢勇の右手は斬撃と融合する。


そしてそのまま右手を振りおろすと魔王が放った斬撃の二倍の大きさの斬撃が魔王に放たれる。


「ほぉ」


だが、魔王は刀を横に薙ぎ払うだけで返ってきた斬撃を防ぐ。


「後ろががら空きだぜ」


賢勇はいつの間にか地面と融合して魔王の足元まで移動しており、斬撃が防がれた隙をついて融合を解除して地中から飛び出したのだ。


「俺に死角はない」


魔王は背中に目がついているほどの正確さで回し蹴りを賢勇の胴体に叩き込む。


しかし、蹴られた賢勇は分身であり本体が時間差で地面から飛び出すと左手に持ったノコギリを振り上げる。


「くっ、、」


とっさに避ける魔王であったが、ノコギリは魔王の上半身に浅い切り傷をつける。


すると勇のスキルである三ノコの能力により魔王の魔力が削られる。


さらに勇の二倍のスキルによって削られる魔力量も二倍となる。


「もう一発!」


賢勇は右手にもノコギリを出現させて横に振りぬくが、その一撃は魔王の刀に受け止められてしまう。


「調子に乗るな」


魔王はそのまま力任せに刀を振りぬくと賢勇を吹き飛ばす。


そのあまりの威力に持っていたノコギリは粉々に砕けて賢勇の体には深い裂傷が刻まれる。


「おいおい、こんだけやっても届かねぇのかよ」


賢勇は空中で態勢を整えながら地面に着地をするが 、その身に受けた傷は深く地面に膝をついてしまう。


「諦めろお前たちに勝ち目はない」


魔王は再びゆっくりと賢勇に向かって歩いてくる。


「諦める?そんなこと出来るわけねぇだろ」


魔王の言葉を聞き賢勇は怒りに声を震わせながら立ち上がる。


「俺たちに託された思いはそんな簡単に捨てちゃいけねぇんだ!」


賢勇は自身に二倍のスキルを使用して分身を生み出すと一斉に駆け出した。


その身体能力は融合によって賢と勇の身体能力が掛け合わさっているのに加えて、勇の二倍のスキルにより飛躍的に上昇している。


「終わりだ」


しかし、それでも魔王のほうが身体能力が高く、賢勇の分身と本体を上回るスピードと速さで二人の体を切り裂いた。


大きなダメージを受けた賢勇は意思に関係なく融合が解除されてしまい、賢と勇のそれぞれの体に戻ってしまう。


だが、それでも二人は諦めなかった。


「二倍!」


勇は魔王の刀に触れ、そのスキルで刀を複製すると賢に投げ渡す。


「融合」


賢は刀を掴むと自身の右手と融合させ、魔王に向かってそのまま振りおろす。


「無駄だ」


二人のこの一撃でさえ魔王は軽々と受け止めてしまう。


「くそ、、」


賢は険しい顔を浮かべながら敗北の二文字が頭をよぎったその時。


「英雄(ヒーロー)登場!!」


突如入口の扉が開き、ものすごい速さで英雄が魔王に低空飛行しながら突っ込んでゆく。


「援護してやるぜ!」


勇は飛んでゆく英雄の背中に手を触れるとスキルで英雄の分身を作り出す。


「邪魔だ」


魔王は英雄の存在に気づくと目の前の賢を吹き飛ばし刀を英雄に向ける。


「「はぁぁぁぁ!!」」


英雄は剣をかざしながら正面と、背後から魔王に斬りかかる。


「お前の癖は見抜いているぞ」


魔王は背後の英雄には構わずに正面の英雄を両断する。


英雄はこれまで一貫して分身に魔王の背後に回り込ませて攻撃を仕掛けていた。


魔王はそれに気づいていたのだ。


「へへ、騙されたな?」


しかし、魔王が切り伏せた英雄は分身であった。


「しまった!」


魔王は焦ったように声を漏らしながら、背後の英雄から距離を取ろうとするが足が動かない。


「やれ!英雄!!」


それは地面にうつ伏せになりながら地面と両腕を融合させた賢の手が魔王の両足を掴んでいたからだ。


「くそ!」


魔王が足に力を込めることで一瞬で賢の拘束は壊されてしまう。


だがその一瞬が試合を決めることとなる。


「英雄(ヒーロー)の剣(ソード)!!」


一瞬動きの固まった魔王の体を背後から英雄の金色に輝く剣が両断したのだ。


【WINNER Aチーム】


「よっしゃぁぁ!」


「やったぁぁ!!」


「勝ったのか、、」


三人の頭の中に機械音が勝利を告げると三人は抱き合いながら勝利を分かち合ったのだった。

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