自己紹介
視界が暗転し気がつくと賢は森の中に転送されていた。
周囲には同じようにプレイヤーが7名転送されており、事前に知らされていたAチームのメンバーの素顔と一致している。
「わぁ!
お兄さん達、おれの味方だよね!
おれは英雄!よろしく!!」
開口一番に発言したのは現在小学生6年生の佐藤英雄である。
容姿は短髪で半袖短パンで運動靴を履いており、活発な子供の印象。
「うぃーす。
俺は倍先勇。
よろ!」
続いて発言したのは茶髪にサングラスをかけている、見るからにチャラい風貌の倍先勇だ。
「待って!
敵が来たわ!」
ピンク色の派手な髪色をした女性が忠告をすると同時に周囲の木々の隙間と上空から魔物が彼女等に対して突っ込んでくる。
「吹き飛べ!!!」
彼女の口から凄まじい音圧が発生すると上空から迫ってきた魔物を一斉に吹き飛ばす。
「ヴァッハッハ!
準備運動にちょうど良いじゃねーか!」
白髪のガタイの良い老人は豪快に笑いながら魔物を次々に殴り飛ばす。
「時間が勿体無い。
自己紹介がてら各々の能力も公開するぞ」
メガネをかけた男が目の前の巨漢の魔物を一瞬でぺちゃんこにさせながら話を続ける。
「僕の名前は国重清矢。
能力は重力操作だ」
乱れた髪を綺麗に七三分けに整えながら清矢は自己紹介を済ませた。
「あっ、俺はね!
ヒーロー!
とにかく強くなるんだ!」
元気よく答えるのは先程最初に自己紹介した英雄である。
英雄はいつのまにか変身しており、赤いマントに青い鎧。そしてヘノヘノモヘジの仮面をつけていた。
向かってくる魔物に対して、金色に輝く剣を振り下ろし一刀両断している。
「佐々木武蔵。
俺の能力はこの左手だ!」
大きな蛇型の魔物が口から酸を吐き出すと、その正面に立っていた白髪の老人は左手をかざす。
酸が左手に触れると酸は周囲に吹き飛ばされる。
「俺の左手は無敵で、どんな攻撃も無力化しちまう」
そしてそのまま駆け出すと大蛇の頭に右手で殴りつけると衝撃波が発生し、頭が砕けながら吹き飛ばされる。
「こっちはDランクスキルの衝撃波だ。
ヴァッハッハ!よろしくな!!」
そんな自己紹介を済ませる武蔵を上空から魔物が襲いかかろうとしていた。
「風見愛。
能力は風を操るわ」
そこへ愛が風に乗りながら現れると、上空に竜巻を放って魔物を蹴散らす。
「green girlsっていうアイドルグループに所属してる児玉花音よ。能力は音の操作」
花音は強く地面に足を踏みおろす。
すると、花音の耳にはあたり500メートルの物体の情報が入ってくる?
「周囲にいる魔物は後50体ほど。
後もうちょっとよ!」
「ちょっと、本当にあの児玉花音かよ!!
俺めっちゃファンでライブも何回も行ってんだよ!」
花音の名を聞いた倍先勇は魔物との戦闘中にもかかわらず魔物に背を向けて花音へと振り返る。
「ちょ、ちょっと後ろ!!」
魔物はこれを好機と見てその鋭い爪を振りかざし勇を背後から襲いかかる。
その光景に花音は慌てたように指を差しながら勇に忠告をする。
「いやー、こんな所で会えるなんて思いもしら」
花音の忠告も虚しく、勇は魔物によって体を三枚におろされてしまう。
「嘘でしょ、、」
花音はその様子を見て悲しみと驚きの混ざった複雑な
表情を浮かべる。
「あれ?」
だが、数秒後に切り裂かれた勇の身体は泥のように解けて消えていた。
「ヒャッフー!」
勇を切り裂いた魔物の首が突如刎ねられると、その背後にはノコギリを手に構えた勇がいた。
「俺の能力は二倍。
どんな物でも二倍に増やす事ができるぜ!」
勇は両手を合わせて手拍子をすると目の前に自分自身のコピーを生み出す。
「「しゃぁ!花音ちゃんに良いとこ見せてやるぜ!!」」
二人の勇は息ぴったりの動きで魔物を次々に倒していく。
「古畑龍弥
体を竜のものにに変化させる事ができる」
続いて話すのは髭面の職人系の見た目の男である。
龍弥は右腕を竜のものに変化させると乱暴に振り回して周囲の魔物を蹴散らしていく。
「最後か。
剛元賢。
能力は融合だ」
賢は両手を地面と融合させ、土で出来た巨大な腕を生み出して二体の魔物を握り潰す。
賢の自己紹介が終わるタイミングで襲いかかってきた魔物を全て倒し終えたのだった。
「これは慎重に相手を選ばないとな」
それと同時に今回改めて強化された'融合'スキルの内容を見た賢は周りをゆっくりと見渡しながら考えを巡らせるのだった。




