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迷宮戦闘(ダンジョンバトル)  作者: 轟号剛


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4回戦

視界が暗転する。


賢は眩しく光る照明に目をやられないように注意しながらヘルメットを脱ぐ。


「やったわね」


目の前には愛が立っており賢に手を差し伸べていた。


「愛があそこで二人を救ってくれたお陰だ」


賢は愛の手を取り立ち上がると礼を伝える。


「ご、ごめんなさい!

 僕が役立たずだったから、、」


隣では右京が泣きながら崩れ落ちていた。


「ヒッヒ、お前は良くやったよ。

 どっちかって言うと謝るのは俺だ」


模擬は右京の肩を持ち上げて立たせると言葉を続ける。


「俺がユニークもプレイヤーのどっちか一人でも倒せていたら結果は変わってたかもしれねぇ」


模擬は悲しそうな笑みを浮かべながら頭を下げる。


「そ、そんな!

 模擬君は良くやってくれたよ!」


そんな模擬に対して右京は両手をバタバタさせながら慌てた様子を見せる。


「まぁ、今回は相手が上だった。

 それだけだな」


模擬は右京に肩を組むと指を賢達に向ける。


「俺らに勝ったんだ。

 しょうもねぇ負け方するんじゃねぇぞ。

 ヒッヒ!」


模擬は笑みを浮かべながらそう言うと泣き出した右京を連れて案内人の後を着いて行った。


「勝たないとな」


その言葉は隣に立つ愛と自分自身に向けてのものだった。


「えぇ、でも優勝者は一人。

 負けないわよ」


愛は髪をなびかせながら賢に背を向けて控室に向かった。


愛が控室へ帰ってくると黒電話がジリジリと鳴っていた。


「怒られちゃうな、、」


愛の脳裏には両親から毎日のように聞かされ続けた言葉がよぎっていた。


「はい」


愛は怯えながらも電話を取る。


「・・・」


しかし、電話の相手からは一向に言葉は発されない。


「お父様?お母様?」


愛は消えいるような声で電話の相手に問いかける。


呆れられて言葉も出ないのかと冷や汗をかいていると、ようやく言葉が出てきた。


「良くやったな」


それは予想外の父の言葉だった。


「えっ?」


あまりにも虚をつかれた愛は聞き返してしまう。


「全部見ていた。

 お前が傷つきながらも戦い、あの男に後を託した上で勝利した。

 お前の選択は正しかった」


父は淡々と話しているが、その内容は愛を認めるものだった。


「私達は愛に強く言い過ぎてしまったのかもしれないわね。ただ、私からも伝えておくわ。

 よく頑張ったわ、愛」


父と変わってた母からも労いの言葉が出てくると愛の両目から大粒の涙が溢れ出てくる。


「はい、、はい!」


愛は緊張が解けたようにその場で崩れながら噛み締めるように返事をした。


-


「ヘイ!ボーイズエーンガールズ!

 白熱した3回戦も終了し、選手達が休憩しに行ってる間に4回戦のルールを説明するぞ!」


Mr.ミクロの大声がマイクを通して会場中に響き渡る。


「3回戦が終わり、残りの選手は16名となったこの4回戦では8対8のチーム戦となるぞ!」


ミクロが手を挙げると中央のスクリーンに対戦する選手名が映し出される。


Aチーム

剛元賢

風見愛

国重清矢

佐藤英雄

古畑竜

倍先勇

佐々木武蔵

煙橋快斗


Bチーム

金城豊

田中隼人

糸川悟

児玉花音

鈴木大

足立ねね

絵斗学

五色怜


「そしてそれぞれのチームは別々のワールドに転送される。転送先は何と魔王城!」


スクリーンには不気味に佇む漆黒の巨大な城が映される。


「4回戦の勝利条件はどちらのチームが先に魔王を倒すかだ!」


髑髏の仮面を被った白いコートに身を包む人型の魔物。


それが魔王である。


「さらに、魔王城には四体の強力な魔王の手下。

四天王が存在しており、行手をはばむぞ!」


四体の魔物のシルエットだけが映し出される。


「そして選手達が転送後、魔王城への道までにはF級の魔物が100体とG級の魔物300体が邪魔をしてくる!」


魔王城の入り口までのルートは森で入り組んでおり、その道中に大量の魔物が召喚される。


「さぁ、これで4回戦の説明は終わりだ!

 全員準備をしてくれ!!」


ミクロのその合図で観客は慣れた手つきでヘルメットを装着する。


「よし、じゃぁ行くぞ!

 ダイブスタァァト!!」


ミクロの合図によってヘルメットを付けた全員がゲームの世界へ意識を飛ばされるのであった。



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