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迷宮戦闘(ダンジョンバトル)  作者: 轟号剛


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模擬太郎

模擬とキメラが前線へやってくると既にヌリカベ達は全滅しておりF型ロボット達が戦っていた。


「ヒッヒッ、蹂躙だ」


模擬は宙を飛ぶキメラの背を蹴って上空へと飛ぶと両手から炎をマシンガンのように乱射してスライムやウォーウルフ、キラーカンガルー達を次々に倒していく。


しかし、そんな弾丸の嵐を掻い潜って一体の魔物が上空の模擬に接近していた。


「お前の相手は俺にゃ」


その正体は猫インプであり、背に生えた翼を駆使して飛んできたのである。


「猫亦(ねこまた)」


猫インプの爪による攻撃は7つの衝撃波となり模擬に襲いかかる。


「滅斬」


模擬はすぐさま鞘に手を当てて抜刀する。


黒い魔力を纏った一撃は迫り来る7つの衝撃波を掻き消す。


「音呼騙(ねこだまし)」


猫インプが模擬の目の前で両の手を思い切り叩くと衝撃音が7回こだましながら模擬の感覚を狂わす。


「猫上突(ネコアッパー)」


その隙に模擬の背後に回り込んだ猫インプが爪を立ててアッパーを繰り出す。


「くっ、、」


模擬はフラつきながらも体を捻って避けようとするが猫インプの爪は脇腹を貫いた。


「黒操」


しかし、いつの間にか模擬の手から離れていた刀が宙を浮かぶと猫インプの背後から心臓を串刺しにする。


「ヒッヒ、じゃぁな」


感覚が正常に戻った模擬は刀を手元に戻すと落下していく猫インプを見下ろして嘲笑う。


だが、突如猫インプの体が白い煙で覆われる。


「復活にゃ」


白い煙が晴れると貫かれていた刀傷は綺麗に消えていた。


これは猫インプのスキル:[7回生きた猫]の力である。


猫インプから放たれる斬撃や衝撃等の事象は全て7回再現され、更には6回まで死んでも蘇る力を持つ。


「ヒッヒ、再生能力か!

ユニークモンスターでもプレイヤーでも無いが、予定変更だ。お前の力を貰う」


模擬は不気味な笑みを浮かべながら向かってくる猫インプを見下ろすのだった。


-


模擬が乗っていたキメラというと地上で前線の魔物を蹴散らしていた。


「これ以上はやらせないにゃ!」


「お前らは別の奴の相手をするにゃ!」


「僕たちも手伝うよ!」


猫男達4体がキメラを囲うように立つと上空からウルフインプを筆頭にインプ達8体が駆けつけて来る。


「ギャルルルル!」


しかし、キメラは怯むこと無く一体の猫男に突進していく。


「「「ファイヤーボール!」」」


上空のインプ達はすかさずキメラに向かって炎の球を放つが、キメラの背は軽く焦げる程度で大したダメージとならない。


「喰らえにゃ!」


対する猫男は身軽な動きで宙を回転しながらジャンプすると爪を立ててキメラの顔面へ突き立てようとする。


「キィャァァァ!!!!」


キメラは口を大きく開けて大声で叫ぶ。


すると猫男は怯んでしまい、一瞬体が硬直してしまうとキメラの前足によって体を切り裂かれて倒れてしまう。


すかさずカメラの左右と背後から猫男達が一気に迫るが、胴体から生えたゴリラの両腕によって左右の猫男は地面に潰され、尻尾の蛇によって背後の猫男は首を絞め殺されてしまった。


「隙ありぃ!」


だが、強化された身体能力を駆使して上空から猛スピードで降りてきたウルフインプがその牙でキメラの尻尾の蛇の根本を噛み切った。


「ギャァァア!」


キメラは悲鳴を上げながら振り返って前足でインプウルフを叩き潰したのだった。


キメラの尻尾が生えていた部分からは青色の血液が流れ出ていたが、直ぐに傷跡は消え去ってしまう。


だが、切り離された尻尾が再生する事はないようだ。


「「「アイスボール」」」


キメラの注意がインプウルフに向いた瞬間に上空のインプ達が氷の球を一斉にキメラの背に放つ。


キメラは寸前に気づき反応するが、氷の球はカメラの左翼に全て当たる。


氷の球を受けたキメラの左翼は完全に氷つく。


「ギャロォ!」


キメラは鋭い目つきを上空を飛ぶインプ達に向けるとその場で高く跳躍する。


翼の機能が失っても素の身体能力で空高くはジャンプする事は出来るのだ。


インプ達は次の魔法を放つ為の魔力を練る時間が無く、キメラの爪に切り裂かれ、手に握り潰されててしまい全てのインプが倒れてしまった。


「鎌鼬」


しかし、キメラがインプを倒し終えたタイミングで風の刃がキメラに飛んでくる。


キメラは空中で体を捻って躱わそうとするが、その巨体故に左の前足に当たり両断されてしまう。


「ユニークモンスターね。

 大分賢の魔物がやられちゃった様だけど、良い仕事はしてくれたわ」


上空からキメラを見下ろすように愛が風に乗ってやって来たのだ。


「ギュルルル」


キメラは再び地面に降り立つと宙へと飛んで愛へと突っ込んでゆく。


「連風脚」


対する愛は蹴り上げと蹴り下ろしを繰り返して多数の鎌鼬をキメラに放つ。


すると、キメラは空中で体を丸める。


鎌鼬はキメラの胴体に当たるが、サイの皮膚を持つキメラの体にはかすり傷しかつかなかった。


「ギャロォォオ!!」


キメラは鎌鼬を受け切ると空中で回転しながら右の前足で愛を切り裂く。


「甘いわよ!!」


愛は自身に対して突風を起こしてキメラの前足を掻い潜るが、続く胴体から生えているゴリラの腕による打撃によって愛は叩き落とされる。


そのままキメラは落下しながら愛を潰そうと右前足を突き出す。


「風噴」


愛は足裏から風をジェット噴射させその場から素早く移動することでキメラの衝突を防いだ。


今、愛とキメラは10m程離れて正面でむかいあっている。


「はぁ、はぁ、、

 終わりにしましょう」


愛は両手に風をどんどん集約させながらつぶやいた。


「ギャァァァ!!!」


キメラも同時にその場を蹴り出して愛に猛スピードで駆け出す。


両者の距離が一瞬にして縮まる。


「ふふふ」


突然、ホワイトマジシャンがキメラの真上に現れると、大鎌を振り下ろしキメラの首を綺麗に刈り取った。


「え?」


一瞬の出来事に愛は呆気に取られてしまう。


「マスターからの指示です。

 敵は持久戦に持ち込もうとしている為、早急にもう一人のプレイヤーの元へ行きますよ」


地面にゆっくりと倒れるキメラの背中の上でいつも通りに笑顔でホワイトマジシャンは話した。


「まったく、、

 わかったわ、先を急ぎましょう」


愛はため息を吐きながら両手に溜め込んだ風を背後に迫って来ていたF型ロボット達へ放つ。


F型ロボット達は吹き飛ばされ、大部屋Bへ続く道に立ち塞がるのはマッドシンガーのみとなった。


「シャドウ!アーマーソルジャー!

 道を作って!」


愛の掛け声で背後から黒い影と鎧の戦士が飛び出すと正面のマッドシンガーと、左右から再び迫ってくるF型ロボットと対峙する。


「行くわよ!」


愛は自身とホワイトマジシャンの体を包む様に風を生み出すと、宙を浮かびながら大部屋Bへと向かってゆく。

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