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迷宮戦闘(ダンジョンバトル)  作者: 轟号剛


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12/32

3回戦

「2回戦が終わり、総勢128名の挑戦者達が32名まで減ったぞ!」


Mr.ミクロは相変わらず大きな声でドーム中へと声を響かせる。


「続く3回戦でもプレイヤーのユニークスキルとユニークモンスターが強化され、DランクモンスターかDランクスキルを取得できるが、今回はそれだけじゃぁない!」


Mr.ミクロは興奮しながら両手をピースして観客席に見せる。


「3回戦目は2対2のツーマンセルだぁ!!」


その言葉にドーム中が大歓声で応える。


「3回戦進出者の中で既にペアは抽選で決められているぞ!

スクリーンにそれぞれのペアの組み合わせが映し出される。


賢とペアになったのは大学生の女性のようだ。


「説明はこれくらいで早速三回戦へ移るぞ!

 みんなヘルメットを着用してくれ!」


Mr.ミクロの合図で観客席と選手達全員がヘルメットを被る。


「それじゃぁ、ダイブスタァァト!!」


Mr.ミクロの合図によって全員の意識はいつも通りゲームの中へと入ったのだった。


-


「浮かない顔ですが、どう致しましたか?」


ゲームの世界に入ると個室で待機していたホワイトマジシャンが賢の顔を覗き込んでくる。


「いや、少し昔を思い出していただけだ。

 そんな事より強化されたスキルを見るぞ」


[ユニークスキル【融合】

味方のH〜Aランクの魔物を融合し新たな魔物を生み出す事が出来る。

自身の体を無機物と融合させ操る事が出来る。

自身の体と融合させた無機物との融合は任意で解除できる。

'new'ユニークモンスターを融合対象とする事が出来る。(試合終了後にユニークモンスターの融合は解除される)

*注意事項1:一度融合して現れた魔物を融合対象にする事は出来ない。

*注意事項2:一度融合した組み合わせを融合対象とする事は出来ない。

*注意事項3:同じ魔物同士を融合対象とする事は出来ない]


[ユニークモンスター【ホワイトマジシャン】

魔法の籠ったカードを巧みに操る。

スキル:13(キングスキップ)、8(ヤギリ)、99(キュウキュウシャ)、5(ゴスキップ)、10(トステ)、66(ロクロクビ)、'new'7(ナナワタシ)、'new'12(ジュウニボンバー)、'new'44(ヨンドメ)」


「お前のスキルは相変わらずだな。

 だが、今回お前も融合の対象にできるようになったようだ」


賢は顎に手を添えながら興味深そうにホワイトマジシャンを眺める。


「ふふふ、下手な魔物と融合してしまっては私の長所が削られてしまうだけだと思いますけどね」


ホワイトマジシャンの言うことも一理ある。


仮にゴーレムと融合した場合に機動力が下がってしまう可能性があったり、インプと融合したら身体能力が下がってしまう場合もある。


融合はデメリットの可能性も含んでいるのだ。


「とりあえずは新モンスターを見てみよう」


光の水晶が目の前に現れ、10の光に分裂する。


光は体長2メートル程の二足歩行の生き物へと変化する。


[Dランク:猫男

二足歩行となった人型サイズの猫。

驚異的な身体能力を持つ。

スキル:アクロバット]


新たな魔物を確認した賢は早速自身のスキルを使用する。


「【融合】対象は猫男と、スライム、ウォーウ「やめてくださいにゃ!」


「犬とだけは融合したく無いにゃ!」


「許してくれにゃ!」


猫男達の凄まじい抗議を受け賢は呆れた顔を浮かべる。


「分かった分かった。

じゃぁウォーウルフ以外の奴らで融合するぞ。

【融合】対象は猫男と、スライム、ゴーレム、インプの三体だ」


三体の猫男と融合対象の魔物達は混ざり合い三つの黒い球から三体の魔物が現れる。


[D+ランク:猫スライム

全身が水で出来た猫男。

スキル:アクロバット、回復]


[D+ランク:猫ゴーレム

全身を硬い岩で覆われた猫男。

スキル:アクロバット、硬化]


[Cランク:猫インプ

身長が1メートル程の子供サイズとなった猫男。

背中にコウモリの羽を生やす。

スキル:アクロバット、7回生きた猫]


一通り魔物のステータスを見た賢は猫インプのスキルを見て口角をあげる。


"時間になりました。

三回戦でのペア相手を転送致します。

大部屋は連結されて転移されます"


ダンジョンの構造はゲートともう一つの大部屋と繋がる大部屋Aと、大部屋Aとプレイヤーの待機部屋である小部屋と繋がる大部屋Bとなる。


電子音が頭の中に響いてくると目の前に一人の女性が転送される。


黒髪のロングヘアで目つきは鋭いものの整った容姿で綺麗系の女性である。


「・・・貴方が今回私とペアになるのね。

風見愛よ、よろしくね」


愛は自己紹介をしながら右手を差し出してくる。


「剛元賢だ。

こちらこそよろしく頼む」


賢が差し出された右手を取ろうと手を伸ばした時、大部屋から一人の男が入ってくると同時に素早く賢と愛の間に入ってくる。


「行きませぬ!行きませぬぞ!

こんなどこの馬の骨かも知らん小僧が愛様を触れるなど許しませぬ!!」


ガタイの良い銀髪の老人が賢に睨みを効かすがその後ろにいた愛は呆れた顔を見せている。


「はいはい、邪魔よ」


愛が手を横に振ると突風が吹き荒れて老人は吹き飛ばされてしまう。


「今のが私の固有スキル。

風を操ることができるの」


改めて愛は差し出されたままの賢の手を握りながら自身のスキルを明かす。


「なぁぁぁぁ!!

その手切り落としてしんぜよう!!」


愛と賢が握手した様子を見た老人が両手を鉄の剣に変化させて賢の腕目掛けて振り下ろす。


「ふふふ、老害ここに極まれりですね」


賢の目の前に瞬間移動したホワイトマジシャンは大鎌を手元に出して老人の攻撃を防ぐ。


「邪魔をするな若造!!」


二人はしばらく斬り合いを続けるが、そんな様子を見た愛はため息をつきながら話を進める。


「はぁ、あの老人はアイアンファイター。

鉄を生み出し変形させるスキルを持つわ」


「愛様!そんな小僧なんかと話すと汚れが移ってしまいます!!早くお離れくだされ!!」


愛が話をする間もアイアンファイターは喚いており、とても集中して話を進められる状況ではなかった。


「ホワイトマジシャン、話を邪魔されないようにその老人と大部屋で遊んでおいてくれ」


「分かりました、マスター」


ホワイトマジシャンは大鎌を宙へと投げる。


アイアンファイターは一瞬目線を上に上げてしまうが、その隙にホワイトマジシャンは手に出した5のカードをアイアンファイターの腹部に押し当てる。


「5(ゴスキップ)」


一瞬でアイアンファイターの体は消え去ると、ホワイトマジシャンは13のカードを出して自身の体も転移させる。


5(ゴスキップ)は味方だけが転移対象であるが、既に愛とその魔物達は味方判定されているようだ。


「さぁ、静かになった所でお互いの戦力を共有し合おう」


賢と愛はそれから時間の限り戦力の共有と作戦の立案を話し合った。

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