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迷宮戦闘(ダンジョンバトル)  作者: 轟号剛


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10/32

正々堂々

ゲートを潜るといきなり10の炎の球が剛に放たれていた。


「無駄だ」


剛はスキルを使い体を鋼鉄並の強度にすると炎を弾く。


体に衣服に炎が引火するが一瞬で消化される。


これは[Fランクスキル:状態異常耐性]の能力であり、些細な炎は火傷判定として消し去る事ができるのだ。


「馬鹿力(ブースト)」


赤いモヤを出しながら驚異的な跳躍力で宙を浮かぶインプ達へ接近する。


しかし、突如背後に気配を探知すると空中で回転切りを繰り出す。


「瞳を失っているようですが、見えているのですね」


ホワイトマジシャンの振り下ろした大鎌とヴァンパイヤソードが衝突するとお互いが遠くに弾かれる。


吹き飛ばされた先でウルフの集団が剛に飛びかかってくる。


「邪魔だ!」


剛は冷静に剣を振るってウルフを数体倒した後、体を鋼鉄化させて着地し襲って来たウルフ達の爪と牙を弾く。


「はぁぁ!」


怯んだウルフ達を次々に斬り倒すと真っ直ぐ小部屋に繋がる入り口に走り出す。


「馬鹿力(ブースト)」


赤いモヤを纏い爆発的な脚力を持って魔物達の間を縫って進んでいく。


(プレイヤーとの一対一に持ち込めれば俺の勝ちだ)


全てを自身の強化に回して来た剛は一対一の戦いに絶対の自身を持っている。


そのため、小部屋で待機していると思われるプレイヤーと遭遇できれば勝利がほぼ確定するのだ。


「ふふふ、そんな簡単には行かせませんよ」


しかし、一瞬で剛の目の前にやって来たホワイトマジシャンが再び大鎌を振り下ろす。


「代償(サクリファイス)」


剛は目の前のユニークモンスターを倒さなければ先に進む事は出来ないと判断し、自身の血を剣に捧げる。


「血斬(サングスフォルス)」


赤い衝撃波を放つ剛であったが、ホワイトマジシャンはKのカードを出すとその場から消え去り空振りで終わった。


だが、空振りで終わった突如ホワイトマジシャンがいた位置に突然インプゴーレムが現れる。


「全魔拳(フルフィスト)」


インプゴーレムはその拳に膨大な魔力を纏っており、現れると同時に拳を剣を振り抜いて隙だらけの状態である剛に放った。


「鋼鉄の体」


鋼鉄の強度まで強化させた剛の体にインプゴーレムの強力な一撃が叩き込まれる。


甲高い音を立てながら剛は吹き飛ばされると、先程ウルフゴーレムに刺された傷口が開き血液が溢れ出してしまう。


「く、!」


剛は辛そうな表情を浮かべながら空中で態勢を整えようとするが、宙を吹き飛ばされている剛の足を何者かが掴んで勢いよく地面に叩きつけた。


「何!」


その手の正体はホワイトマジシャンであり、彼は遠く離れた位置から剛の足首を掴んだのだ。


それはホワイトマジシャンの66(ろくろっ首)の力であり、これは四肢を自由自在に伸び縮みさせる事ができるようになる能力である。


地面に叩きつけた後、ホワイトマジシャンの腕は勢いよく縮んでいき剛を引き寄せる。


「舐めるな!」


終始冷静であった剛であったが初めて怒りのような感情を出して自身の足を掴んでいる腕を切り落とそうとする。


だが、振りかぶった時には既にホワイトマジシャンは手を離して腕を縮めていた。


「血斬(サングスフォルス)」


ただ、剛はホワイトマジシャンへと向かいながら振りかぶって赤い衝撃波を放とうとする。


対するホワイトマジシャンは再び腕を伸ばすが、剛の方では無く背後にいたゴーレムスライムへと腕を伸ばしていた。


ゴーレムスライムへと触れると手のひらに5のトランプを出現させる。


「5(ゴスキップ)」


現在ホワイトマジシャンの瞬間移動は2種類あり、自身を瞬間移動させる13(キングスキップ)と味方を瞬間移動させる5(ゴスキップ)がある。


先程インプゴーレムを剛の前に転移させたのも5スキップの力である。


今回ホワイトマジシャンはゴーレムスライムを自身の目の前に転移させて壁にしたのだ。


ゴーレムスライムは転移した瞬間に金属化を発動し体を硬化させる。


剛の赤い衝撃波はスライムゴーレムの体に大きなヒビを入れるが倒し切るには至らなかった。


剛は追撃を避けるために後方に下がりながら胴体の開いた傷口をヴァンパイヤソードの力を使って塞ぐ。


「血を消費し過ぎた、これ以上はまずいか」


剛は傷口から流れ出た血液と剣に捧げた血液の影響で既に頭痛を起こしていたのだ。


気配探知のスキルによって周囲を魔物達に囲まれているのが分かる。


「代償(サクリファイス)、左腕」


剛はここで苦渋の決断をする。


ヴァンパイヤソードの管が剛の左腕を呑み込むと、吸収されてしまう。


失った左腕の断面は直ぐに塞がれるが直ぐに激痛が剛の体を駆けめぐる。


「全狂(デモントタル)」


剣から発される赤いオーラは極限まで高まっており、剛はその場で回転をし全方位に衝撃波を放った。


その衝撃波は全てを呑み込み消し去っていく。


「これは不味いですね」


ホワイトマジシャンは咄嗟に4枚の10のトランプを出す。


「6を二枚と4を二枚捨てます」


地面に4枚のトランプが捨てられると手に持っていた4枚の10が13へと変化する。


「13(キングスキップ)」


その内の一枚を使ってホワイトマジシャンは小部屋へと転移するが、大部屋では宙を飛んでいたインプ達以外は全て消え去った。


「瞬間移動は後何枚だ?」


賢は隣に現れたホワイトマジシャンに冷静に問いかける。


「13が3枚と5が2枚ですね」


ホワイトマジシャンは両手にトランプを出現させて賢に見せる。


「充分だ」


賢は神妙な面持ちで椅子から立ち上がった。


-


「馬鹿力(ブースト)」


剛は爆発的な跳躍力を用いて宙を飛ぶインプ達へ迫る。


「「「サンダーボール!!!」」」


10体のインプ達は雷の球を次々に剛に放つが全てヴァンパイヤソードによって切り捨てられる。


微量の電気が剛の体に伝うが状態異常耐性によって一瞬で痺れは無くなる。


剛は右手一本で10体のインプを瞬く間に倒し切った。


しかし、突如地面から伸びてきた大きな手に体を掴まれてしまう。


その攻撃はホワイトマジシャンのスキルによって転移してきた賢が右手を地面と融合させたものだった。


「やっと顔を見せたな」


剛は爆発的な力で土でできた手を壊すとそのまま賢に飛びかかる。


だが、剛は片腕を失ってバランスが崩れており、更にはもうブーストの力消えていた。


そんな剛の攻撃を見切るのは賢にとって余裕であった。


剛の大振りの剣を避けるとカウンターで顔面に拳を叩き込んだ。


派手に飛ばされた剛は口から血を吐きながら地面に背中から落ちる。


しかし、フラフラになりながらも剛は立ち上がる。


「マジかよ、、」


賢が驚愕の表情を見せる中、立ち上がった剛の背後にホワイトマジシャンが転移すると大鎌を振り下ろす。


「見えているぞ」


剛は振り向きざまにヴァンパイヤソードを振り上げ、大鎌を弾き飛ばす。


「代償(サクリファイス)・血斬(サングスフォルス)」


すでに限界の近い剛であるが血を犠牲に赤い衝撃波をホワイトマジシャンにたたき込んだ。


「くっ、、今です、、」


体に大きな斜めの致命傷を受けたホワイトマジシャンであるが痛みに耐えながらその表情は微笑みを浮かべていた。


「しまった!」


剛がその言葉にハッとしてその場から離れようとするがもう遅かった。


「融拳(ゆうけん)」


剛の足下から大きな地面でできた拳が突き上がり剛の体を大きく吹き飛ばした。


賢は追撃を仕掛けようと再び両腕を辞意面と融合させるが、すぐに融合を解除して安堵の表情を浮かべる。


剛の体とヴァンパイヤソードは光の粒子となって消え去ったからだ。


「勝負がついたようですね、、」


隣に傷口に手を当てながらホワイトマジシャンが転移してくる。


「・・・やったな、ホワイトマジシャン」


賢は笑顔で右手を挙げるとホワイトマジシャンは驚いた表情を見せる。


「初めて私の名を呼んでくれましたね、、

 ふふふ、まだまだ楽しくなりそうです」


ホワイトマジシャンは笑顔でハイタッチを交わすのだった。

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