今のままで…いい…。 vol.042 「忘れもんだぁ~~。」
奈都美、すぐさまバッグを持って、駆け足で…。
伸永、右左見て、
「あっ…。」
その瞬間、内海、
「お~~い。七瀬~~。」
いきなり足を止める奈都美、後ろを振り返って、
「へっ…???」
「忘れもんだぁ~~。」
「はい…???」
伸永の左肩をトン。そして背中を回してドン、
「ほぃ、行ってこ~~い。尾田ちゃ~~ん。」
木綿子、葉月、
「へっ…???」
内海、
「七瀬、おまえがいなくって、ウロウロされても困~~る。まっ、今回、いい勉強にもなるだろ。」
その声に翔、一瞬、
「ぷっ。ナツ~~。」
奈都美、変顔をして、
「はぁ~~~あ…???」
伸永、困ったような顔をして…。
内海、
「ほれ。行ってこ~~い。」
奈都美、翔の顔を見て。翔、こちらも困ったように、両手を開いて…、顔を揺らして。
奈都美、
「もぅ~~。行くよ、尾田君。」
伸永、
「あ…、あ~~。はい。」
靖子、勇喜雄、
「おやおや。」
「かっかかかか。まっ、いい勉強だわな。…けど、参ったな~~。」
ドアを開けて出ていく奈都美と伸永。
「一番やべぇ事、ナッちゃんに言ってねぇし…、課長…。」
木綿子、葉月、
「えっ…???一番ヤバイ事…???」
内海、
「あ~~。これは…七瀬には、ちょっとな…。」
内海、自分のスマホを…。そして木綿子と葉月に…。
木綿子、葉月、
「えっ…???えぇぇぇぇ…うそ…。そんな~~。」
女の子が食べたクッキー&クリームドーナッツ。
その中にホッチキスの針が混入していた。
実はある家庭のご婦人2名。そして中学1年の女の子と小学5年の女の子。
そして5歳の女の子である。
つまりは5歳の女の子の母がスーパーでクッキー&クリームドーナッツを購入。
それを友達の家で一緒に食べ。
その時に、5歳の女の子の食べたドーナッツに混入していたという。
人気商品で、そのスーパーには残り2ケースだけだったという。
けれども、万が一、そのホッチキスの針で怪我でも…、
と言う事で、消費者感覚で、スーパーにクレームを入れたという。
スーパーの店長との電話での会話中に、
どうやら中学1年の女の子が自分のスマホでSNSにその証拠となる画像を撮影して投稿したのだった。
写真を撮影したのはその母親である女性も知っている。
証拠としては当然でもあるのだが…。
まさか、その証拠をSNSに投稿したとまでは、母親も気づかなかった。
万が一にでも、そう言う事になり得る。
なって欲しくないと思いながら探ったのが翔と内海だった。
そして、ヒットして、
「おっし。私の仕事。あと、よろしくね。」
すぐさま部署を出て行ったのが瀧澤であった。
木綿子、
「このままじゃ…、これ…、拡散…。」
内海、
「ん~~。まずい。」
そして、
「上から、叩かれるぞ~~。ふぅ~~。ヤッさ~~ん。」
靖子、
「あ~~い、今、フルレット…電話してる~~。」
「ムラさ~~ん。」
勇喜雄、
「うぉ~~い。全ての店舗、手配中~~っと~~。翔~~。」
翔、
「右に同じ~~。」
木綿子、葉月、
「あっ、あっ。」
内海、
「菱川~~、神田~~、手分けして、購入者、見つけるぞ~~。」
木綿子、葉月、
「あっ。はい。」
「全員で、七瀬とフルレット、守るぞ~~。」
一同、
「はいっ!!!」
タクシーの中で落ち着かない奈都美。
そんな奈都美をチラチラと見ながらの伸永。
「あ…、あの…七瀬…さん…???」
奈都美、
「ん…???」
「その…、クッキー&クリームドーナッツを作ってるお店って…???」
「あ~~。まだ、お店が出来て、半年のとこ。」
「へぇ~~。」
「私の妹が見つけたお店なの。」
「妹さん…???」
「今、大学2年。」
シートに凭れながら、また匂う伸永からの良い匂い。
ふと奈都美、
「くく。」
伸永、
「へっ…???」
奈都美、
「ううん…。おっかし…。」
そして、
「こんな時で、何なんなんだけど…。」
「はっ…???」




