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今のままで…いい…。 vol.038 「10代、20代をターゲットとしたスィーツのキャンペーン。」

芳樹、

「しかも…、今回のキャンペーンは、今までにない、若者向けの…。いわゆる、10代、20代をターゲットとしたスィーツのキャンペーン。ほら、加瀬が新しい食品…。」


奈都美、

「あ~~。」


芳樹、

「今、どんな感じ…???」


「あ…。えぇ…、まぁ…何とか…いい方向に…。」


優里亜、

「……。」


芳樹、

「ただ、今回のキャンペーンは、さっきも言った通りに、今までにない切り口でって…考えてる。」

テーブルの上の様々なデザイン書。それを見せて、

「全~~部、駄目だし食らってる。」


「これに…、2週間…掛かってんの。」

優里亜。


「に…、2週間で、こんなにも…。…けど…。」

奈都美。


「ふん。なんとも、OKが出ない。」


翔、

「う~~っそ。」

テーブルの数枚のデザイン書を見て、

「みんな…凄ぇのばっかり…。」


芳樹も優里亜もそんな翔を見て…。薄く笑った感じで…。


翔、

「あっ。」


「…とは、思うんだけど…。」

優里亜。


「これでも…、駄目なんだ~~。」


伸永、

「この資料、数枚…借りて…良いですか…???」


優里亜、

「えっ…???あぁ…、うん…。好きなの…選んでくれる…???」


奈都美、

「尾田…くん…。」


伸永、

「分かんないけど…、コンセプトがないと、僕もイメージが…。」


芳樹、

「おぅ、頼めるか…???」


「…でも、…やってみないと…。今の…仕事もありますから…。」


「うんうん。分かってる。何とかお願いしたい。」

そして芳樹、両手を両脇に。

「このキャンペーンが、ここでの俺の最後の仕事になるんだ。」


翔、奈都美、

「えっ…???」


優里亜、

「勝巳さん。会社、辞めちゃうんだって。」


翔、

「辞めるって…。」


「まっ。この業界から身を去ることになる。」


奈都美、

「えっ…???」


優里亜、

「鞍替えするんですって…。」

プンとした顔で…。


奈都美、

「鞍替えって…。何か…。別の仕事…。」


優里亜、数枚の資料を見ながら、

「アパレルに転向。」


翔、

「アパレル…。」


「今度立ち上がるアパレル新ブランド、ル・モンドの専務に抜擢~~。」


その名前に伸永、

「えっ…。ル・モンド…。」


奈都美、

「へっ…???尾田君…知ってるの…???」


芳樹、

「ほぅ~~。」


伸永、

「えぇ…。確か、まだ、大々的には、リリースは…してないものの。フランスの著名なデザイナー数名が既に投資しているとか…。代表取締が、確か、並榎志穂梨(なみえしほり)…。」


芳樹、

「おやおや。」


優里亜、

「そう…らしいわね~~。」

と、素っ気ない。


奈都美、

「凄っ。なんで、尾田君、そんな事、知ってんの…???」


翔も、

「凄ぇや…。」


伸永、照れながら、

「実は…、姉ちゃん…、アパレルの…パートと、雑誌記者の…掛け持ちなもんで…。いろいろと…、情報が…。」


芳樹、奈都美、翔、

「へぇ~~~。」


芳樹、

「…まっ、そんな訳で、この仕事、しっかりと…終わらせねぇと…。」


優里亜、

「ねぇ~~。次期、専務殿~~。」

むすっとした顔で…。


翔、奈都美、顔を見合わせて。


芳樹、

「今のところ、他部署からの応援はないんだが…。その辺は…、何とか…。」


翔、

「はぁ…。」

頭を掻きながら…。


目を真ん丸に、そして口を一文字に奈都美。


伸永だけが、

「はい。分かりました。それでは…。」

出口に振り向いて。


翔、

「…って、おぃ。」


奈都美、

「ほんとに…、大丈夫なの~~???」


そんなふたりに伸永、

「はい。やってみます。」


翔、奈都美、お互いに両手を…。

「ふ~~ん。」


優里亜、

「翔~~。ありがとね~~。そして、ナツも~~。」


奈都美、変顔で、

「いえいえ。」

頭の中で、

「…そして、ナツも~~、が…、何とも…素っ気な~~。」


芳樹、

「幸村~~。頼むな~~。」


翔、

「あ。はははは。は~~い。」






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