今のままで…いい…。 vol.032 「梶朋代、綺麗な人でしょ。」
「部署は…違うけど…。技術・研究室の人。…名前は…確か…。朋代…???あぁ…、梶朋代さん。トモさんって言ってた。」
伸永。
梨花、
「ふ~~ん。」
そして、
「梶…。梶…。梶。…どっかで…。」
「ふん。ほら、道路挟んで、向かいの家の人。」
その声に梨花、いきなりフィンガースナップ。
「あっ。そうだ、そうだ。うんうんうん。隣町~~。」
伸永、
「うん。確か、スーパーで、姉ちゃんと会ったときも…。…って言ってたけど…。」
「うんうんうん。知ってる知ってる。隣町で、確か、大学行ってたの、あの子しかいなかったから。うんうんうん。梶朋代~~。かかかか。そっか~~。あの子だったんだ~~。」
そして梨花、
「かかかか。梶朋代、綺麗な人でしょ。」
「えっ…???」
梨花、いきなり、
「何よ、えっ…って…???」
伸永、いきなり目をキョトンと。
「あんたねぇ~~。入社して、まだ日が浅いのに、女性社員4人と一緒にお酒飲みに行った~~あ~~。すんごい、恵まれてんじゃん。」
そして、
「…ってか、私の方が羨ましいよ。」
唇をムニュッとさせて、目をキョロキョロと伸永。
「私なんて…、そういうチャンスにさえ…。」
そんな風に言いながら梨花、
「まっ、いっか…。とにかく。梶朋代さんにはしっかりと、お礼言っといて。朋代さんいなかったら、大変だったでしょう~~。あ、それから、その…男性にも。」
伸永、
「う…、うん。分かった。」
「…で~~。今、どんな…。」
そこに梨花のスマホの着メロ。
「おっと。」
ソファーに置いておいたバッグの中から自分のスマホを…。
そして、スワイプさせて、
「はい、私~~。お疲れ様です~~。」
そして、
「うん。うんうんうん。はい。お~~っと。うん。うんうん。分かりました~~。」
そして、
「あっ。パパ。ちょっと待って。」
梨花、すかさずスマホを伸永に、
「はい。傑さん。ちゃんと昨日のお礼して。」
いきなり伸永、
「えっ…!!!」
「早く、早く。これから傑さん、緊急オペ。」
伸永、スマホを耳に、
「あ…、あ~~。伸永ですぅ。」
スマホの向こう、
「おぉ、ノブ君。かかか、昨日は…お疲れさん。楽しんだようだね~~。」
伸永、
「あ。あ~~。はい。あはははは。ありがとう~。ございました。」
「いやいや。」
そして、
「できれば…、もう少し、お酒…、強くなっても…良いかな~~。…とは言え、職業上、これは…強制では…ないが…。まっ、頑張れ。うん。仕事、どうだ、楽しいか???」
「えっ、え~~、まぁ…。はははは。」
「おぅ、その調子じゃ、満更でも、なさそうな…。うん。仕事も頑張れ、期待してるよ。」
「あっ。はい。分かりました。ありがとうございます。」
「うん。じゃ、お姉さんに代わってくれるかな…。」
伸永、
「あっ、はい。」
スマホを姉に。
梨花、
「はい。…うん。はい。OK~~。はい。お疲れ様~~。」
通話を切る。
「患者さん、容態急変しての緊急オペ。一応、もしかしたらの…想定内ではあるんだけど…、難しいオペになるんですって。」
伸永、
「ふ~~ん。」
「…って、タンパクね~~あんた。」
「いや…。だって。心臓外科、緊急オペって言われたって、僕には…全く、途方もない話だから…。」
そんな伸永の声に梨花、腕組みして、
「ふん。まっ、そりゃそうだ~~。」
数秒、間を置いて、
「…で、どんな仕事…してんの…???」
伸永、
「へっ…???」
「ほら~~。今やってる仕事~~。」
「あぁ…。お店でしか食べられないスィーツを、コンビニでも…食べられるスィーツに。」
梨花、
「ふ~~ん。」




