今のままで…いい…。 vol.014 「ほら、伸永、元気に元気、頑張れ、頑張れ。」
ルームウェアに着替えての奈都美、
ベッドサイドに背中を、右脚はまっすぐ、そして左脚は膝を立てて。
スマホで、
「尾田君、両親…いないんだって…。」
文字打ち、翔に、葉月に、木綿子に。
そして数秒後、
「うそ。」
「マジで…???」
「え~~~???」
葉月、翔、木綿子の順。
そしてそれぞれに、今夜耳にした事をラインで…。
そして、さすがに奈都美から得た情報…。
会社内…、翔、葉月、そして木綿子の…、伸永を見る目が…。
休憩ブースで奈都美、3人に、
「もぅ~~。何やってんのよ~~。尾田君、刺激しない~~。仕事、しづらくなる~~。」
そんな奈都美の声に、翔、葉月、そして木綿子。奈都美に謝るように、
「う…、うん…。」
「…って…いうか…。」
「分かってる…ん…だけどね~~。なんとも…。ごめん。」
葉月、翔、木綿子。
「なんかさ…。ん~~。ナツから聞いて…。…で、尾田君見て~~。でも…いつも通りの…、あの…内気な感じ…???見てると…。なんか…、やっぱ…。」
翔、葉月を見ながら…。
葉月、
「ん~~。」
そして、
「ほん~~とに、ごめん。」
そして木綿子、ふたりの声に納得したように、
「…だよね~~。…って言うか、一番は~ナツが…困るんだもんね~~。分かった。謝る。ごめん。」
「両親がいない…。…で…、お姉さんから…育ててもらった…。」
翔。
「…では…あるけど…。頭脳は明晰~~。…って…。」
葉月。
「しっかし…、凄いよね~~。そんな彼が…、なんで…???…あんなに…大人しくって…。…いや…、まっ。だから…目立たないんだ…ろうけど…。」
木綿子。
「でもさ…。大学卒業して、それからは、その…、お父さんの建設会社で働いていたんだろ…???鍛えられると…思うんだけどな~~。建設会社って言ったら…。」
腕組みしながら翔。
「うん。…でも、とにかく…、結局は…、会社のみんなに…溶け込めなくなって…、会社辞めて、ニート。…けど…。なんとか…2年は…仕事…してたんだもん。」
奈都美。
葉月、木綿子、
「うんうんうん。」
「お姉さんが、これじゃ~ダメだって、部長に相談した…と。」
翔。
奈都美、
「うん。」
「もしかして…、男性社員ばっかりで…、仕事…キツかったのかな~~。建設会社だろ…???」
葉月、そんな翔の声に、
「さ~~てね~~。」
パソコンの画面に釘付けになっている伸永に奈都美、
「お~~い、尾田く~~ん、試作…、行くよ~~。」
そんな奈都美に伸永、
「あっ。はい…。」
元気なさそうに…。
その調子にまた面を食らった感じになる奈都美、頭の中で、
「…おぃ~~。」
ドアに向かうふたりを見て内海、康の顔に、
「蔵之介~~。」
そんな内海に康、
「ふん。まっ、なんとか…。」
内海、
「見守るっきゃないか~~。」
内海から蔵之介と呼ばれるこの男、商品企画開発部の主任である、
名前を大石康。
社員からは、「ダイさん」と呼ばれているが、内海や靖子からは、苗字が大石と言う事で、
赤穂浪士の大石から、「蔵之介」と呼ばれている。
他の翔や葉月、そして木綿子ら社員も出ていく奈都美と伸永の後ろ姿を見ながら、
「……。」
そんなふたりと入れ違いに入ってきた未希村靖子、伸永に、
「ほら、伸永、元気に元気、頑張れ、頑張れ。」
その声に内海以下、
「かかかか。」
賑やかに。
内海、
「かかかか、さすが、ヤッさん。」
「当然でしょう~~。蔵之介~~。翔~~。樫村~~。もっと、盛り上げて~~伸永~~。」
翔、靖子に、
「はいはい。」
靖子、
「はいは一回。」
康、
「かかかか。」
「蔵之介~~。笑ってる場合じゃ、な~~い。」




