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What‘sawonderful another world ! ~なんて素敵な異世界なんだ!~  作者: 詩森さよ(さよ吉)
第2章

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第80話 アイネの目的


「なんで俺のことを知っているんだ? 義祖父とのグラビアでも見たのか?」


 俺の義祖父であるクソジジイ、アンドリュー=カーライルはなぜか雑誌のインタビューで俺のことを後継者として教育することを表明していた。冒険者として有名でカーライル社の広告塔になっていたリオおじさんでもなく、カーライル伯爵家の血を引く養子にしたオズおじさんでもなくだ。


 実はかなり反発があったらしい。俺とジジイは血縁上全くの赤の他人だし、欧米人の中には東洋人を下に見るヤツも少なくない。血のつながりがなくてもいいなら人気者のリオネル=ルエーガーの方がいい、いやいや貴族の血筋であるオズワルド=カーライルの方がいい、ってな。


 だけどそこで名前の挙がった2人のおじさんは俺が継ぐことをとても喜んでくれた。


「「ユウは俺たちよりもずっと才能があるからな」」


 こう言われていた意味は年齢が若いからかなと思っていたけど、実際は魔法を受け継ぐ才能の有無だったって訳だ。現に俺はジジイが保有していた大量のスキルを自分のものとして使えるからな。2人がどのくらい受け継いだかは知らないが、ここまで大量ではなかっただろう。


「それでどうなんだ? 雑誌を見たのか?」


「それも見たけど……、あーしの中学ん時のツレがアンタの事狙っててさ」


「はぁ?」


「だからあーしのツレがアンタのクラスメイトで付き合いたいって言ってたの!」


「クラスメイトに? 俺のクラスにお前みたいなギャル、いなかったけど」


 かなりの進学校で、品行方正であることを求むって感じの校風だったからな。ギャルっぽい子は入試で落ちるはずだ


「さやかって覚えてない? 一応陽キャチームにいたはずなんだけど」


 うーん、確か一番目立っていたのはひかるって名前だったような……さやかもいたかなぁ。


「顔見たらわかるかもだけど、下の名前を把握している女子が少ない」


「影山って苗字」


「ああ影山さん。あのおとなし気な黒髪ストレートね」


 いたわ、クラスに。陽キャチームというより、真面目お嬢様系女子のチームにいたな。かなり成績優秀で入試1位は俺だったけど、3か4位くらいだったはず。


「そうそう! でもさぁ実は中学んときはギャルだったんだよ。でもアイツんち親が離婚して片親になったから、奨学金貰える私学に行くって猛勉強して。それで見た目も真面目ちゃんしてた訳」


 へぇそうだったんだ。女は見た目で大分変わるからな。奨学金を貰える枠ギリギリだったんだろう。だから時々俺にムカつくって目をしていたのか。


「それで金目当てに俺と付き合いたかったわけか」


「うっ……ぶっちゃけるとそうなる。ゴメ……傷ついた?」


「いいや全然。そういうのが俺の周りにいっぱいいたから。影山さんが俺と付き合いたいとまで思っていたことは知らなかったけど、好かれてないなって思っていたし」


「あっバレてたんだ。入試4位で学費は全額免除だったけど、支援金がなかったんだよ。だからムカつくから金を貢がせるって」


 俺、半年しか行かないから、奨学金貰わなかったのにな。繰り上げで貰えるんじゃなかったんだ。


 これでもカーライル社の跡継ぎ発表の前から、それなりにモテてたんだよ。だからホントに好かれているか、別の狙いがあるのかぐらいはわかるんだ。それにハニトラ対策は昔からしっかりしてたからさ。



「それでさ、アンタが縦浜にいるから偶然会ったようにしたいって、一緒に行ったんだよね。学校の外で会わないと親しくなれないって」


「もしかして縦浜のコンサートホールにか?」


「うん」


 なるほど、つまりこいつもあの事故で死んで異世界転生したって訳だ。ただおばあ様あるいは伯父様のファンではないし、あの事故は俺のせいではない。



「ねぇ、何でもいいからあーしのこと助けてくれない。なんか空気ヤベーもん。アタシもしかして殺されるの? さっきのアンタの仲間マジで叩いたんだよ」


「そうだな、娼館落ちぐらい覚悟すれば?」


「ウソ……乙女ゲームだと思って一生懸命やってたのに……」


「特に王太子殿下に手を出したのはマズかったな」


「そんな! だって王太子を落とさないと悪魔が侵攻するんだから! だから必死で頑張ったのに……」


 悪魔?


「それってどんな感じだ? 魔族か?」


「わかんないけど、ハーレムルートをある一定以上の好感度で終えて、みんなで封印しないといけないんだよ。でもあーしそこまでプレイしてなくって。さやかはやってたんだけど」


 うーん、どうするか。ムズイな。



「おい、お前ハーレムじゃなかったら、どの男と結ばれたい?」


「えっ、急に何よ」


「いいから! それとも本命はいないのか?」


「そりゃあ、いるけど……」


「じゃあさっさと言え」


「……ドニー」


「ドニー? さっきのロドニーって騎士か?」


「うん! 実はあーし、二股とか苦手なんだよね。ギャルだからって浮気性な訳じゃないし。案外一途なんだぜ」


「そうか。少し光明が見えて来たな」


 第一王子や他の高位貴族だったら、ヤバかった。


「ホント?」


「とにかくお前はフィリシアに誠心誠意謝れ。そして奪ったものを全部返すんだ。

 そのロドニーってヤツ以外から貰ったものも全部だ」


「わ、わかった」


「それからお前の記憶の話をする」


「えっ、ゲームのこと? でも誰も信じなかったけど」


 子どものころ、親やメイドにその話をして気味悪がられたそうで、それからは子どもの空想だったから忘れたことにして言わなかったのだそうだ。


「俺が信じる。だから詳しく話せ」


 その悪魔。俺が討伐してやるよ。

お読みいただきありがとうございます。


明日は所用のため、1日外出しているのでお休みします。9日に再開しますのでどうぞよろしくお願いいたします。


8/8追記

用事が長引く可能性が出てきたので、念のため10日に再開させていただきます。

どうぞよろしくお願いいたします。

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