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What‘sawonderful another world ! ~なんて素敵な異世界なんだ!~  作者: 詩森さよ(さよ吉)
第一章

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第21話 待ち時間のお喋り2


『ガチャ』、それは夢のスキルだ。


 すごいチート能力でもある反面、出てくるものによってはギャグにもできる。最初は木の棒とか日用品とかパンツとかしか出ないんだよね。それでハズレチートだと思われて追放されるんだ。

 わたしが挿絵を描くラノベではそういう設定なかったなぁ。基本的にギャグ要素が少なめで、美少女と美青年が恋したり、一緒に戦ったりするのが多かった。


「ユーダイ様はそれを貰ったんですか?」


「残念ながら『ガチャ』スキルはもらえなかった。これってチート中のチート、神位にある者しか持てないスキルらしくってさ。ジジイに与えた女神のフリした悪魔はその意味を知らなくて、自分の権能をスキルとして与えてしまったわけだ。だからジジイはその力のすごさに、かなり体に負担があったそうだよ」


「もしかしてエリーゼ様とアル様も魔法を?」


 2人が魔法使いだったら、なんかワクワクする。でもあの素晴らしい音楽が魔法で底上げされていたら、それはちょっと悲しいかな。


「いいや、おばあさまと伯父さまはジジイの魔法を受け継ぐことが出来なかった。ジジイの力は悪魔から与えられたものだったから、神族である2人には合わなかったんだよ」


 しんぞく?


「親しいに家族の族で親族?」


「神さまの種族って意味の方」


「えええええ~~~~~!」


 神族? 元々神だと思っていたけど、マジで神様?


 私が叫び声をあげると、うるさいとフィレスさんに怒られてしまった。見ればユーダイ様は耳に指を突っ込んでいる。


「そ、そんな話こんなところで話していいんですか?」


「もちろん、今の君の叫び声以外は防音魔法を掛けていたけど?」


「なんで叫び声だけ聞こえるようにしたんですか?」


「だって俺一人だけ大声の犠牲になるの嫌じゃん」


 ちょっとムッとしたけど、気持ちはわからなくもない。



「続き話していいですか?」


「まぁいいよ。まだ協議終わってないみたいだし」


「エリーゼ様とアル様はダメなのに、どうしてユーダイ様は大丈夫だったんですか?」


「俺がタダの人間だからに決まってるじゃないか。神族はね、血筋じゃなく魂で決まるんだ。ジジイが魔法を2人に使って移動させたり、守ったりは出来たけどね」


 ああ、それでエリーゼ様は何度も犯罪者から子どもたちを助けても、テロに遭わなかったんだ。

 あれ? でもおかしい。


「ちょっと待ってください。チートを使うと悪魔に食べられるんですよね」


「ああそうだよ」


「ではアンドリューさんはどうして食べられなかったんですか?」


「おばあさまと伯父さまが守っていたからさ。2人は神に近い存在だったから、俺たちに降りかかるはずだった悪魔の呪いを浄化して逃れられたんだ。おばあさまたちが子どもの頃に親類に虐待されていた話知っているだろ。それをジジイが助けたことも」


「はい、有名な話ですから」


「でも本当はジジイが助けてほしくて手助けしたってのが正しい。本当に救われたのはジジイの方だったんだよ」


「で、でもお2人は神族だったわけですよね? そしたら『ガチャ』スキルを使えたんじゃないですか?」


「さっきも言ったけど、その力自体が合わなくて使えなかったんだ。呪いは解けても使えるかは別だろ。何て言えばいいかなぁ。ジジイがもらったスキルはすごくドロドロの汚い帽子で小さいのに無理やり頭を突っ込んでいた感じだ。それをおばあさまはキレイにすることは出来たけど、おばあさまの頭に入るほど大きくすることは出来なかった、と言えばわかるかな」


 うん、わかりやすくはなったけど、エリーゼ様はお顔も小さくて、すごくキレイでかわいかったよ。頭が大きすぎるってのはおかしい。


「いや、ただの比喩だから。頭がダメなら、器ならどうだ? おばあさまの方が格が高くて小さすぎる器ではおさまらなかったんだ」


 それならよし!


「わかりました。とにかくその呪いでドロドロだったのが、キレイになったのでユーダイ様はその『ガチャ』で出たスキルを使っても安全だったってことですね」


「That's right.」



「それじゃあ、どのくらいスキルを貰ったんですか? 細かく内容は言わなくてもいいんですけど」


「わからない」


「もらった時に説明をしてくれなかったんですか?」


「説明も何もこれらのスキルを貰ったのが、異世界転移するときに足元に魔法陣が出て起動する数秒間で送り込んできたから。そのせいで萌を確保できなかったと言っても過言ではない」


 魔法使いだっていうことと、エリーゼ様達を守るためにその力を引き継ぎたいという事はカーライル社の跡継ぎになる話と共に聞いていたそうだ。でもまだ未成年だからしっかり成長してからにするとなって、身体作りから始めていたんだって。そのためスキルの説明は全くなかったそうで、今も試行錯誤しているそうだ。


 アンドリューさんはまだ少年の時にスキルを与えられて、ひどい頭痛と人間不信に陥ってしまったそうなのだ。でも親御さんの献身的な看病のおかげで人間不信が和らぎ、頭痛を治せる人を探してエリーゼ様のピアノが効果があるってわかったんだって。それが彼が2人を助けた理由だそうだ。


 それでも悪魔の危険があるから、ずっと付かず離れずの距離を置いていたそうだ。でもエリーゼ様の最初のご主人がアンドリューさんにとっても唯一無二の親友だったそうで、亡くなった後互いに側に居るようになって再婚したそうだ。



 推しの結婚秘話という素晴らしい話をもっと聞きたかったが、やっと侍従が入ってきて告げた。


「皆さま、大変お待たせいたしました。どうぞ謁見の間にお越しください」


 どうやら話は決まったようだ。


お読みいただきありがとうございます。

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