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アクマテキ  作者: なん
五章
28/34

お前はここで

 思考が停止した。

 喉がきゅっと絞まり息がし辛い。

 鼓動が暴走したように鳴る。

 田擦にある筈の手がそこには無い。嫌に腕が軽い。


「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


 焼けるような激痛が襲い田擦は壊れる程吠えた。

 田擦の絶叫を聞きながら獣辺はへたり込む。

 脚に力が入らず全身が震える。


 ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ。


 音が出るかと思うほど震える。

 止まらない。

 不安が、焦りが、動揺が、戦慄が、哀しみが。


「「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ——」」



 絶叫と慟哭が止まらない。

 デーモンはその様子をじっと見ていた。


「ははははははははははははははははははははははははhhhhhhhhh!!」


 笑いが止まらない。

 初めて心の底から笑う嗤う哂う。なんだこれ⁉勝手に笑いが込み上げて止まらないwこれが面白い感情かあ!


「「「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」」」


 絶叫が混ざり合って木霊した。

 その音の塊は地球を丸ごと包むように響いていた。

 二人の絶叫を覆うようにデーモンは一際叫ぶ。


「あはははハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハhahahahahahahahahah「うるせえ」


 ごん!


 デーモンの頭がガクンと下がる。

 景色が流れ一瞬で地面を映す。

 なんだ?殴られた?自覚する前に声が掛けられた。


「うるせえな。面白デーモン」


 声の方向を睨む。

 全身を血に染めたぼろぼろの男が立っていた。

 ぼさぼさの茶髪から瞳が覗く。


「今のうち笑っとけよ?」


 怒り一色の瞳を煌めかせ男は——伊達寺削鍬は初めて心からの怒りを口にした。


「お前はここで確実に殺すから」

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