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アクマテキ  作者: なん
四章
19/34

最悪

 各々の目的の為二人は一旦分かれた。

 伊達寺はお偉いさんに呼ばれて意気消沈していたので


「お前なんかしたの?まあいつも出来てない分今回は思い切りペコペコしとけ」


 そういった激励(?)を頂いていた。

 乗らない気を無理矢理乗車させて目的の場所へ身体を発進させる。

 エレベーターに乗り込み上層へ。

 偉いやつって上のほうにいるイメージあるんだよな。

 エレベーターの動きのように思考を流しつつしばらく待つ。

 着いた時の独特の浮遊感を感じた後扉が開く。


 目の前に厳めしい景色が広がっていた。

 景色というか雰囲気だろうか。

 お偉いさんの空間を肌で感じながら呼び出された場所へ向かう。

 重たそーな扉。

 目の前の扉に圧迫感を感じる。

 俺が偉い人に呼ばれるなんて。自分は何かしでかしたのだろうか。全く心当たりがない。

 生体認証をクリアして重苦しい空間へと足を踏み入れた。

 その空間には偉そうな中年の男と引っ付き虫みたいな若い男がいた。

 二人とも眉間に皺を寄せこちらを睨むように見ている。


「急にすまんな」


 高級そうな椅子に座った中年のほうが低く渋い声で世辞を述べる。


「まあ座れ」


 どうして人は偉くなるほど偉そうになるのだろうか。

 返事をせず近くの椅子に座るとに中年の側に立っていたひっつき虫が表情を強めた。


「最近調子が良いみたいだな?放逐数だけで見ればなかなかだ」


「用があったから呼んだんですよね?」


 挨拶を億劫に感じて吐き出すように問い掛ける。

 先輩はペコペコしろっつってたけどペコペコしなくてもデーモン殺せるし。

 そんな伊達寺の意図を汲み取ったのか。


「デーモンを放逐できればどうでも良いか?」


「まあ」


 目を合わせずに答えた。

 そばにいた若い男の額に血管が浮かぶ。


「おい──」


「よせ」


 たった二言で部下を制止する。

 若い男はなにか熱いものを堪えて大人しく引き下がった。


「用件は無いんだ」


 低い声でそんなことを云うのでふざけているのかと思ったがそうは見えない。

 皺の刻まれた顔は真剣そのものである。

 コントであれば渋いおじさんが冗談を言っていたら面白いのかもしれない。

 またここに呼ばれたのが自分でなければ笑い出す奴もいたかもしれない。

 怪訝な顔を浮かべる伊達寺に再び冗談みたいなことを云い放つ。


「君をここに呼ぶこと自体が用件だ」


「は?」


 思わず困惑が漏れる。

 ここに俺を呼ぶこと自体が目的。つまりもう用件は済んでいると。

 ならば用件はもう済んでいるわけだからこれ以上用件は無いのだろう。

 先刻の言葉にも納得がいくが。

 納得できたからといって従う道理はない。


「じゃあもう良いですか」


 返答を聞かずその場から立ち去ろうとする伊達寺を若い男が阻む。

 額に浮かべる血管を増やしつつ唯一言。


「座れ」


 空気が張り詰める。

 ピリピリとした感覚がや部屋に充満する。


「こちらの意図などどうでも良く、とにかく早く出たいのか」


 呆れのような嘲りのような表現を含ませ呟いた。

 傷の入った手を顔の前で組んで最悪の言葉をぶつける。


「君には今日一日ここにいてもらう。魔飼い物を殺す為に」

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