ちょっと残念なNewType
残念なNewType
残念はout と読んでください。
NewType は有名なアニメ誌ですが、OUTはご存知でしょうか?
昔あったアニパロと読者投稿が売りのアニメ誌です。
OUTの読者はアウシタン(女性はアウシターナ)と呼ばれてました。
今回は魔法の影響で特殊な能力を得てしまった少年の話です。
「百合谷凛斗です。」
十七歳の少年。
自衛官だった父親が魔法帝国との戦争で亡くなったあと、施設で生活していた。
破星砲艦戦争で日本が共和国の占領下に入ったあと、施設の予算が減らされ高校を中退せざるを得なくなり、就職し工場で働いていた。
営業不振だったその工場をたまたま我が国が買い取った。
そこで魔法の才能のある者を探していたホークォの目に彼が止まったということだった。
「この子の能力、変わってるんだよね。」
筋力や反応速度が常人の倍以上もある。ちょっとした超人である。
魔法力が身体能力に影響を与えているのは間違いないが、このような例はホークォでさえ見たことがないそうだ。
人間でリザードマンやインセクターのように魔法力が身体能力に強い影響を与えることは初めてと言って良いと。
魔法力が高く身体機能に強い影響を与えているためか、魔法力が外には出ていない。
そのため精霊と契約ができない。というか、精霊が相手にもしないのだ。
だから彼は魔法が使えない。
「彼と契約できるとしたら、かなり高位の精霊でしょうね。」
上位精霊以上か。イフリートとかドライアドとか?
そんなのはいないと一蹴されましたが。
「それだけだったら大した問題はないんですが…。」
うまく力を制御できないのである。突然体が暴走し、物を握りつぶしたり突っ走って壁にぶつかるなんてことも。
だから、頻繁にケガをし、魔法力切れを起こし、ぶっ倒れるというわけだ。
「つまり残念なNewTypeってことかしら。」
アーザが身も蓋もないことを言う。百合谷君が首をすくめる。
魔法力を押さえて、制御できるように訓練するしかないそうだ。まぁ、制御が習熟するまではぶっ倒れるのが続きそうだ。
で、生命の危機があるからと、ドラゴン娘たちに指導ともしもの時のケアをしてもらおうと連れてきたわけだ。
「似たような子が現れる可能性は?」
「ないとは言えませんが、ほとんどの子は普通に魔法が使えますからね…」
早急に対策を練る必要があるだろう。
この力が突然発現したら、事件事故につながりかねないのだから。
さて、この百合谷君、かなりまじめだ。
指導担当となったアーザの言うことをできるまで何度でもやる。指導をメモし、質問し、自分で工夫する。
残念ながら不器用なので、できるまでに時間がかかるが。
アーザは長姉だけあって面倒見がいい。だから頼んだのだが。
普段ふわっとした感じだから優しいかと思いきや、結構厳しい。
細かいところまで指摘してしっかりやらせる。
アフォな部活顧問とかと違って暴言体罰とかはない。口調はむしろ優しく、理路整然とした教え方だ。
できなければできるまで繰り返させる。
優しく、直すべきことを的確に指摘するからこそ逃げ場がない。
だが、いや。だからこそ指導の効果はどんどん上がっていった。
身体能力の高さからMSのパイロットに…という話があるんだが、もともとが不器用なんだろう。脳波誘導による飛行の制御ができないのだ。
陸戦主体のVOTもうまく操縦できないし…。
「完全陸戦での兵器…しかもモーショントレース式のものしか無理そうですね。」
ノージとビースが困ったように言うが…、実際は新しい兵器開発の実験台にしようって喜んでんだろうなぁ。
「複座式にして、飛行は同乗者にやらせて、格闘が百合やんにさせては?」
「それいいけど、やっぱりあれほど強い魔法力を生かせないのってもったいないわ。」
彼の呼び名が百合谷から百合やんになっている。
おれはそのうち暗殺されてしまうんだろうか?
もう一つ問題がある。
大きすぎす魔法力ゆえに、たびたび体調を崩すのだ。
彼自身が魔法力を制御ができるようになってくるにつれてその頻度が増してくる。
その都度アーザが余分な魔法力をエナジードレインの要領で吸い取っているが、いつも彼についているわけにはいかない。
「暴走で魔法力を放出していたんでしょうね。」
何とかする必要があるが、とりあえずはアーザによる魔法制御の指導を続け、体調を崩したときはドラゴン娘たちが魔法力を吸い取るということでこの話は終わらせることにした。
久しぶりにヨーダ大将がやってきたのだ。
人間やめかけてる百合やん。
何となく獣人の高い能力の秘密に迫ってきたような…。
そんな時、ヨーダ大将がやってきた。
彼女が帝国から受け取ったのは謎の生物が封印されたクリスタル。
新たなる獣人なのか?
次回「ドライアド」




