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次の戦い

大魔法陣の効果により戦争はどうにか終結した。

だが、思いもよらぬ事態が矢上たちを待っていた。


予想外の攻撃に矢上たちは対抗できるのか?

「全艦武装解除の上、停船せよ。然らずんば攻撃する。」


やはりC国はC国だった。K国とR国も。

俺たちの背後にいつの間にかC国らの艦隊が展開していた。


「地球の民間人も人質に取られているんだろうなぁ。」


「みたいです。あ、C国総書記が演説を始めましたよ。」


メーダが画像を見せてくれたがあほらしくて聞く気がおこらない。

さて、次はどうくるか?


「まず、皇帝の引き渡し要求からかのう。」


カーツが呆れたようにつぶやく。

ドラゴン娘たちはニヤニヤしながら成り行きを見ている…といった感じだ。


「アメリカ艦隊が攻撃を始めました。」


宇宙とはいえ軍の運用の経験はアメリカが上だ。一気に加速し、後方に展開していたC国艦隊を振り切り、アステロイドを盾にしながら反転、攻撃を開始した。


「おいおい……。」


C国艦隊が破星砲発射体勢に入った。当然、俺たちの後ろにいる艦隊も……だが。


「C国艦隊活動停止しました。」


アーザが静かに告げた。


アーザたちドラゴン族が各艦に設置した強化魔法用の魔法陣。あれは単一の魔法のためのものではなく、状況に応じていろいろな魔法を送り込むためのものだった。

強化だけでなく、艦の大破時は治療や生命維持の魔法を送り込むなどいろいろなことができる。

手の内を知らせる必要はないので単なる強化魔法の魔法陣ということにしておいた。

で、反乱を起こした艦隊に眠りと麻痺の魔法を送り込んだという訳だ。


わざとかどうかは分からないが、無防備になったC国艦隊らはアメリカ艦隊らにより半数以上撃沈された。残った艦も大破以上だった。おかげで魔法陣の秘密が他の国に知られることがないだろう。


C国艦隊らの反乱はあっという間に鎮圧された。


地球で民間人に砲を向けていた残りの艦隊も同じ目に遭っていた。

Cタウン、Kタウンなどには民間人がなだれ込み、大暴動となっていた。

C国艦隊らが全艦体を制圧したと早合点して他の国の人らに暴行、略奪を働いた者たちが多くいたため、やり返されたというわけだ。


C国らの上空はあっという間に艦隊で埋め尽くされ、軍や政府の主要な施設はことごとく破壊されていった。


とりあえず、ドラゴン族たちを急遽地球に送った。興奮した民衆を魔法で落ち着かせてもらい、どうにか暴動は収まった。


彼らはみな逮捕、そうでない者は全財産没収の上、祖国に強制送還となった。

賠償金も莫大な額となり、C国、K国、R国は破綻した。


SNSなどで彼らの蛮行は世界中に広まっており、自国以外に彼らの住むところはなくなった。

混血の者さえ白い目で見られる状況だが、それは地球で各国政府が解決すべき問題だ。

C国らの空港や港などは全て国連の管理下に置かれ、外国への出国は一切不可能になった。


戦後処理は国連に丸投げした。


皇帝との面会時にいろいろ聞いた。


皇帝の能力は民衆を統治するカリスマ性。

あのオリハルコンの星は帝国の遺物だった。

新兵器の実験のために作られたものだったが、実験は失敗し、帝国は一度滅んだ。

その反省から機械文明のほとんどを捨て、魔法による文明を創造したそうだ。


まぁホントのことは言ってないというか、ホントのことは言ってるけど、重大なことを言わないでいるのではないか……と何となく思う。

自分も同じようなことをよくするし。


まぁ魔法帝国に変えざるを得なかったということは、何かとんでもないことがあったんだろう。

知らないとこっちが危険な目に遭う可能性はうすうす感じてはいるんだが……追及する材料も手段もない。


その中で機械文明のため衰弱していた生命力を補うため、動物の力を人体に組み込む実験だけは残されていた。

銀河系各地で実験は繰り返され、一番成功したのがクァイドのカーツたちキツネ型獣人種だった。生命力と魔法力の双方が一番向上したのだそうだ。

カーツたちの種族だけ別の町に住まわされていたのはもしもの時のために、血筋を保護しておくためだった。

残された他の星の獣人たちは奴隷として労働と魔法力の供給源とされた、ということらしい。


クァイドのような獣人の星は他にも多数あるそうだ。


皇帝親征などと言う大それたことを何で行ったかと言うと、


「最初の戦いの被害者が多すぎての。それに儂も年でのう。カリスマの能力が落ちて、治政に揺らぎが生じはじめたんじゃ。で、何とか政治的実績がほしかったんだがのう。」


要するに人気取りだ。まぁ、負けるわけないと思っていたんだろうけど、兵隊はいい迷惑である。


「獣人を魔法力源にすることについては、今後彼らの負担にならないよう配慮していくつもりじゃ。」


皇帝自身は獣人が魔法力の吸われ過ぎで死んでいたことは知らなかったそうだ。膨大な魔法力を持つゆえに、魔法力の使い過ぎで死ぬことがあるなど思いもよらなかったのだろう。


皇帝は退位し、民主政体への移行が行われることになった。

和平交渉で強制の魔法が使われたという噂がある。ナーワの首脳がその道の達人だ……とドラゴン姉妹が言っていただけで確証はないのだが。

たぶん、皇帝のカリスマ能力を封じる目的なんだろう。

だが、皇帝のカリスマ性が失われたら、民主化する前に帝国が一気に崩壊し、大混乱が起きないだろうか?


「まぁ、優秀な臣下…いや、これからは部下と呼ぶべきかの。それがたくさんおるので大丈夫じゃよ。おっと、儂は退位するのじゃったな。」


こちらの思いを見透かしたように皇帝は言う。カリスマ性は能力のためだけではないのかもしれない。


獣人たちの負担を減らさすために宙獣艦はじめとする各種生物製品は機械製品に一部置き換えられることになった。

急激な変化は混乱を招くから

という理由だそうだが、何か引っかかる。

何か重要なことを隠しているのは間違いないだろう。


帝国とサーカ、トークォ、ナーワ、クァイド、地球との和平交渉は無事進み、平和な日常が戻った。


戦後処理が終わり、おれは久々に共和国に戻っていた。


で、今はカーツのひざ枕で惰眠を貪っている。

ちなみにこう見えてカーツは80歳。俺より年上だ。決して犯罪ではない!!


連戦連勝で「英雄」とか「軍神」とか「カリスマ」とか称賛され、国民はその「英雄」様のために進んで働く。国も豊かで問題も少ない。

俺のやることはあまりない。というか、できることがない。


皇帝は何か重要なことを隠している。

今回はC国、R国らだけだったが、地球全体が裏切ってくる可能性も無くはない。

実際、戦闘終了後に妙な動きをしていたのはC国艦隊らだけではなかった。

警戒していたからこそ、ドラゴン娘たちに即座に眠りと麻痺の魔法を送信させることができたのだ。


次の戦いも近いかもしれない。


「まぁ、たまにはゆっくりしておれ。主様はいろいろ考えすぎじゃ。」

C国らの反乱はあっというまに鎮圧された。

だが、地球側の思惑、帝国側が隠している秘密

まだまだ油断がならない。

戦争で消耗はしているが、国防、内政は手を抜けない。

次回「内政」

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