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終戦と戦勝会と…

戦争に勝ったとはいえ、まったく被害がないというわけではない。

祝勝会にはそこから目をそらすという意味もあるのだろう。

あと、戦時の英雄にも。


サーカ、トークォ、ナーワ間に国交と軍事同盟も国民を高揚させ、被害を一時は忘れられる。


この戦勝会には戦争被害から目をそらす以外の狙いも実はあるのだが…。

宙獣艦と残存した魚たち(こちらは闘魚という名称になった)の一部は鹵獲され、研究に回された。

それ以外の艦と残骸は宇宙空間で残存した闘魚たちの餌になってきれいに片付いて行った。それもなくなると……。まぁ、飯がマズくなるような光景だった。

まぁそのおかげで掃海作業も短期間で終わった。


その後の戦勝式典はド派手だった。


『黒髪の大提督』から始まって、英雄だの、戦争の天才だの、地球から来た武神だの……。

星系規模の放送で大絶賛。騒ぎ過ぎだろ……。


自分は客員提督として、中将待遇が与えられることになった。

サーカ、トークォ、ナーワ、クァィドへの自由入星権と名誉市民の称号が与えられた。


「つまり、この四星の危機には駆けつけろってことか。」


煽ってるのはヨーダ中将なのは間違いないだろう。彼女も間違いなく大将に昇進する。


メーダたちやドラゴン娘たちもサーカ、トークォ両星首脳から褒章を受け、英雄扱いだ。


これには政治的意味があるんだろう。ナーワとの友好条約締結と魔法文化の各国への提供のためという。


それから、戦勝の報酬として、オリハルコンの星の所有権をもらうことにした。

オリハルコンを加工する方法(魔法)は俺とカーツとドラゴン4姉妹しかできないから、各星の首脳も所有権について文句は言わなかった。


まぁ、オリハルコンのサンプルは渡したので、各国で研究、将来は加工や合成もできるようになるかもしれない。


その後、オリハルコン製の新造艦も4隻造った。

今度はサーカ、トークォ両政府の支援もあり、短期間での建造ができた。


ナーワからドラゴン族も来てくれて、艦には新たな魔法装備が組み込まれた。

まぁ、オリハルコンを切る魔法を盗みたいという考えもあったんだろうけど、残念ながら習得はできなかったようだ。


今度こそ地球へ帰還だ。

新造艦とFF号につけた新機能だが…


カーツが作り出した対物理攻撃防御魔法をワープアウト時に艦体に展開できるように魔法陣を艦体各所に設置した。ラムと一緒に使うことにより少々の障害物ならぶつかっても粉砕できるようになった。


艦内には治癒の魔方陣を各所に配置。医務室に行かなくても魔方陣までたどり着けば、少々のケガなら治癒できるようにした。


また、魔方陣との併用で収納魔法をさらにパワーアップした。それによりエネルギーの備蓄が格段に増え、1年以上は補給をしなくても航行することが可能になった。これで活動範囲が飛躍的に広がった。


新造艦は、戦闘空母1、戦艦2、強襲揚陸艦1だ。補給艦も作ろうかと思ったが、収納魔法があるので没となった。

各艦に収納魔法を使える者が乗艦する必要があるので、


戦闘空母艦長  アーザ  艦名 信濃

戦艦艦長    マミヤ  艦名 大和

戦艦艦長    クージョ 艦名 武蔵

強襲揚陸艦艦長 ノーダ  艦名 紀伊


大和型戦艦の名前を付けているのだが、それに合わせて艦長であるドラゴン娘たちの制服が……


「和風のセーラー服ね。まぁ戦艦なんだからいいけど……」


ドラゴン娘として戦う時、ちょっにセー〇ームー〇風になってしまうんだが……。


で、旗艦のフリーダムフィールドにはカーツが乗り込んで収納魔法を管理している。

さすがに子供(これを言うと本人はマジで怒る)のカーツに艦長をやらせるわけにはいけないのでメーダが艦長である。


収納魔法が使える者は極少数で、今後、育成の必要があるだろう。


自分は艦隊提督と言うことになる。


クルーの募集は…考える必要はなかった。サーカ、トークォ、ナーワ、クァイドから多くの希望者が集まった。しかも千人単位で。

特に魔法帝国の侵略で街がほぼ廃墟となったクァイドからは、多くの獣人たちが星を離れる決意をし、参加してきた。

彼らに言わせると、俺は獣人たちの救世主だそうだ。

いや、彼女たちか。

キラキラした目でもふもふの女の子たちに見つめられたら断るに断れない。

男は全くいない…。いや、志願者には間違いなくいたんだが…これは絶対、メーダの差し金だ。


当然、大部分のクァイド人は星に残るんだが、星の人口はあまり減っていない。

終戦後、救援と復興に赴いた際、クァイドにいたのは今までの住人と違う獣人たちだった。


解呪後に聞いたところによると、クァイドの獣人がヤドカリたちに取り込まれたあと、ヤドカリから別の獣人たちが下ろされたらしい。

呪われてないはずのカーツの住んでいた村の住人もいなくなっていた。世話をしていたお狐様たちもいない。地震や戦闘の際に逃げ出したのだろうか。


「……つまり、新たに魔法力満タンの獣人を乗せたから、魔法力を吸い尽くした獣人を下ろしたということじゃろう。」


で、魔力が満タンになったら、また使うということか……。

この分だと、他にも獣人の星があるのだろう。魔法帝国の魔力源としての獣人たちの星が。


まぁ、あれだけの大敗を喫したわけだから、しばらくはあの謎の艦隊も攻めてこないだろう。


「その代わり、次に来るときは前回以上の規模で、こちらの戦法にも対策を講じてくるだろうな。」


「じゃが、主様はすでに新しい戦法を考えついている…のじゃろ?」


カーツがお茶を出しながら言う。


苦笑いしながら肩をすくめて見せた。それ以上追及してこなかったのは助かった。


とにかく、新造艦と新クルーも揃った。やっと地球に帰れそうだ。

ど派手な戦勝会が銀河規模で行われた。


そんなことに金を使うなら、戦死者遺族に回せ!


というご意見もあるだろうが、ヨーダ大将がそんな甘いわけもなし。

何を企んでいたかはあとのお楽しみ。


矢上たちは地球へ向かう。その艦内では…


次回「いよいよ地球へ~楽しい艦内生活」


お楽しみに。


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