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謎の艦隊との闘い2

「宇宙戦艦」という言葉が一般化したのは、言わずと知れた「宇宙戦艦ヤマト」からですが、それ以前にも「電光オズマ」や「新戦艦大和」など宇宙戦艦が登場する作品がありました。


ただ、これだけ長い間「宇宙戦艦ヤマト」が日本人を熱狂させるのは、ただ単なる「戦闘艦」ではなく、道の宇宙を旅する「探検艦」的面があるからかと思います。


フリーダムフィールドも未知の宇宙を旅したいという自分の夢の艦です。

さて、矢上の旅路はどんなものやら。

まもなく敵艦隊が艦砲の射程距離内に入る。

アステロイドに誘導装置をつけ、艦隊の盾にしている。敵が近づいてきたら当然ぶつけてやるつもりだが、どこまでもつやら……。


俺の指揮するMS主体の機動兵器部隊と4姉妹が指揮するドラゴン部隊が先行する。

アステロイドを縫って敵艦に迫る。


ビームを撃ってきた。いや、宙獣艦のブレスを魔法で収束、制御した攻撃だ。

命中精度に差があるのは術者の能力の差か。


ドラゴン姉妹が作ってくれた防御の魔法陣のおかげで敵のブレスはほぼ無効化できる。だが、噛みつきやヒレでの攻撃はカーツの物理無効化魔法でも完全には防ぎきれない。


魚たちはMS部隊とドラゴン部隊が迎撃する。

MS部隊が撹乱し、その隙にドラゴン部隊が魔法防御を展開する。

その間隙を縫って四つ足機動兵器部隊(キョーバという名前になったそうだ)が宙獣艦を襲う。

取りついて0距離射撃攻撃やパイルバンカーで脳髄を破壊、血管をチェンソー型の足で切るという作戦だ。


「しかし、いろんな魔法があるもんだな。」


単なる魔法障壁だけでなく、相手の動きを封じたり遅くしたりするもの、麻痺させるもの、果ては相手を使役するものまで。

一撃で撃破できるような強いものではないが、その分連射がきき、敵の侵攻を抑えてくれる。


主力艦隊はアステロイドベルトを操り、敵艦隊を分断して各個撃破を行う。

ヨーダ中将とダイバ司令の指示は的確で、確実に相手の戦力を削っている。


前衛にそれなりのダメージを与えたが、相手はこちらの七倍。全く怯まず攻撃してくる。

こちらの艦隊も攻撃を続けているが、実体弾では威力が弱く、相手の侵攻を止められない。

盾にしていたアステロイドベルトもかなり数を減らしている。弾き飛ばされたアステロイドベルトは戻らない。

艦体前面はがら空きと言っていい状態となった。


「全艦後退!」


サーカ・トークォ連合艦隊が後退を開始した。戦線崩壊して撤退を始めたと思ったのだろう。敵艦隊が一気に前進を始めた。


その時、アステロイドベルトから眩い光が走った。

破星砲だ!

破星砲の一斉射撃。五百本の光の矢が走る!

敵艦隊が光の中で消滅していく。メインモニターの光量調節機能を最大にしても目を逸らさざるを得ないほどの爆光だ。


「エンジンと破星砲だけ作ってアステロイドベルトに仕込んでおくとは……。」


メーダがため息まじりにつぶやく。決着がついたと勘違いして密集隊形で突っ込んできたので相手の被害は甚大だ。


「一発だけ撃てればいいからね。だからこの短い期間で五百もの破星砲発射装置が作れた。」


新造エンジンだけでなく廃棄寸前だった各種宇宙船のワープエンジンも用いることでこの数を短期間で作れたのだ。


薄くなったアステロイドベルトの防御帯も、実は徐々に敵艦隊の側方に向かわせていたのだ。この迅速さと隠密性が要求される移動はダイバ司令でなければ難しかっただろう。


結果、敵艦隊は破星砲の十字砲火の只中に晒されることになった。


だが、まだ終わっていない。7割近い艦を失ったら普通は撤退するはずだが…


「味方にも呪いをかけているという訳かの。」


カーツが苦々しげに言う。

だが、まだ敵軍の方が多いのは確かだ。


「空母艦隊前へ! 全艦隊、全力で空母艦隊の護衛をせよ!」


空母から発進したのは……艦載機でもモビルスーツでもない。何か弾丸のような形をしたものだ。

それが敵艦に向かっていく。敵艦に命中したが、爆発するでもない。


「こちらVOT部隊。敵艦への侵入成功!」


砲弾型のコンテナをレールガンの要領で敵艦に撃ち込み、VOT(Vertical One-Man Tank=直立歩行のロボット騎兵)を侵入させる。内部から敵艦を破壊するのだ。

一隻に数機VOTを送り込めば十分なので効率的だ。しかも、今回の場合は敵艦の心臓なり脳髄なりを破壊すれば艦は無力化する。

爆発させるとかではないので、敵乗組員の獣人たちの被害も少なくてすむだろう。


今度こそ決着だ…が…。


「敵は降伏勧告に応じません。」


洗脳のためだろう。

結局、敵は最後の一艦まで抵抗を続け、全滅した。多くの獣人たちと共に。

途中からドラゴン娘たちを中心に解呪を始めたが、戦争中で興奮状態だったためか、全くと言っていいほど効果がなかった。


戦後処理はどうにか生き延びた獣人の解呪から始まった。ドラゴン族の努力のおかげで多くの獣人が救われた。

それでも過半の獣人が解呪までに自らの命を絶っていった。


「銀河魔法帝国万歳!我らが創造主エーダ・ジ・ドェアール皇帝陛下万歳!」


それが敵の名か……。


獣人たちは作られた生物だった。兵であり、魔法力を吸い取られる燃料としての……。

だからといって、彼らの命が無碍に扱われていいわけではない。


「胸くそ悪いな、本当に……」


冷静なダイバ司令が吐き捨てるように言う。

ヨーダ中将の目も潤んでいる。

自分も同感だ。このままで済ませる気はない。絶対に。

矢上の奇策で敵艦隊は全滅した。

ほっとしたのもつかの間。

次の困難が矢上を待ち受ける

次回『終戦と戦勝会と…』

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