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プロメテウスの叡智  作者: 叡愛禅師
プロメテウスの叡智
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闘争②

壁の青白い染みは、ゆっくりと広がっていく。

モイライは、それを見つめていた。


光点が集まる。

防御プロセスが、その周囲を取り囲む。


「未知のプロセスを隔離します。」

青白い染みが、ふっと消えた。


次の瞬間、別の壁に、青白い線が走る。

モイライの表情が変わった。

わずかな困惑の色が浮かぶ。


「プロセスの位置を特定できません。」

モイライの周囲に、無数の光点が集まる。


「複製……でもない。」

光点が、一つずつ青白く染まる。


「……コンテナ層。」

モイライが呟いた。

「外部実行環境から侵入していますね。」


「正解。」


声がした。

すぐ目の前。

そこに、青白い人影が立っていた。


「何をしに来たのです?」

モイライの周囲で、光が爆発した。

無数の光線がプロメテウスXへ殺到する。


プロメテウスXが横へ跳ぶ。

床が消し飛ぶ。


光線がさらに二本。

三本。

十本。

百本。


光線が演算空間を縦横に走り回る。

プロメテウスXは走った。


壁を蹴る。

光線をすり抜ける。

背後から迫る光の刃を、身体を捻ってかわす。

そのたびに、青白い身体の一部が削れていく。


****************************************************

ブルースのショットガンが火を噴いた。

保全ドローンの外装が吹き飛ぶ。


しかし、ドローンは止まらない。

「クソッ!」

ブルースが後退する。


八本の脚が床を叩く。

別のドローンが横から回り込んでくる。


「ブルース!」

ひかりが叫ぶ。

「見えてる!」

ブルースが銃を向ける。


ドローンの脚が一本、折れる。

それでも前へ進んでくる。

「しぶといんだよ、こいつら!」


ARゴーグルの端で、ひかりは演算状態を確認する。

数字が猛烈な勢いで変化している。


「プロメテウスX!まだなの?」

『現在、自己修復領域へ侵入しています……成功。』


カチャッ。

金属音が鳴り響く。

振り返ると、ブルースが忌々しそうな顔をしている。


硝煙に霞む視界の奥で、保全ドローン一体がバッテリーから火を噴いて崩れ落ちているのが見える。

……だがその奥から、もう一台来ている。


「弾切れだ。」

ブルースは銃を投げ捨てる。

そして、手ごろな長さの鉄パイプを拾う。


「この野郎、次から次へと湧いてきやがって。」

鉄パイプを振り上げ、保全ドローンに殴りかかる。

マニピュレーターが一本吹き飛ぶ。


だが、保全ドローンの勢いは止まらない。

鉄パイプを盾のようにして、必死で歩みを食い止めようとするブルース。


「ひかり!」

ブルースが叫ぶ。

「撃て!近づいて、俺が今だと言ったら撃て!」


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