視点Y ステージ裏
冬フェス当日。
ステージ裏からでも会場の熱気が伝わってくる。今日はダイヤモンドダストの臨時メンバーとして1曲披露する。
「はい、これがあなたたちが付ける仮面よ。」
仮面舞踏会のようなマスクだ。ま、これっきりだし見た目はどうでもいい。顔さえ隠せれば。
「今演奏してるバンドの次が私たちの番だから、準備しといて。」
リーダーである伊達はスタッフと最終的な打ち合わせをしている。
「いやーいよいよ当日だね。緊張してる?にしても流瑠ちゃんが反抗せずにレッスン受けたのは意外だったよ。」
「ま、ツクモが彼女を襲ってきたら最速で護衛できるしね。結局この2週間、現れなかったけど。このライブで必ず出てくるわね。あなたも踊るのはいいけど、彼女近辺には十分気を付けなさい。」
「うん。あーにしても緊張してきた。会場はどんな感じかなー。ってあれ?」
ステージの骨組みの隙間から客席を除く恵里菜はなにかに気づいたようだ。
「なんか椅子違くない?あれって確か・・・」
「布椅子ね。小学校の運動会でよく見るやつ。」
「あー。なんか懐かしいね。うわ凄い。客席全部布椅子になってる?どうやって集めたの?」
「1週間であちこち走り回って、残りの1週間で回収と運搬。廃校の布椅子かき集めて、使える状態にしたのよ。ほら、あなたの家清掃業者でしょ?」
「そんなことしてたんだ。全然気づかなかった。」
鈍感すぎやしないか?この女。
「あれ?そうしたら元々あったパイプ椅子は?」
「ああ、それはねー--」
「ダイヤモンドダストの皆さん出番ですー。袖の近くまでお願いしますー。」
スタッフに呼ばれた。
「わかりました。、みんな行くよ!」
「「はい!」」
私はステージに移動する前に辺りを見回す。
(マネージャーの姿は無し、か。)




