視点R 謝罪
12月28日の夜。迷いがまだある。倒せば1人の子供の未来が奪われる。かといって放っておけば沢山の園児が被害を受ける。今はまだ軽傷で済んでいるが、いずれ重傷者も出る可能性はなくは無い。
こういうときに限って裏さんは話しかけてこない。こちらが助けを求めても。
迷っている中、誰かが助けてを求める声がする。気持ちがうやむやなまま駆けつける。一軒家の庭にたどり着く。目の前にはトナカイのツクモがいる。不思議と攻撃もしないし、逃げもしない。
僕は迷った挙句、手に持っていた斧を地面に置いた。そして歩み寄る。そっとツクモに触れる。
「ねえ、君は潔君なの?喋れる?・・・お願いだから返事して?」
「・・・」
返事はない。聞こえるのは少し低い唸り声だけだ。
「僕は君を殺したくない。生きていてほしい。」
「・・・」
「だからお願い、元に戻って・・・」
「お願い、お願い、お願い。」
必死に訴えかける。どうかこれで誰も傷つけずに、どうか。」
「・・・djxsjndfhjbxdyjbcg!!!!!」
ツクモは言葉にならない呻き声をあげた。僕は少し吹き飛ばされる。ツクモを見るとなにやら黒いオーラが見える。もしかして暴走するのか?
「潔君!」
神の悪戯なのか、吹っ飛ばされた先に丁度先程地面に置いた斧がある。かなり躊躇った後、斧を手に取る。
そこからは何も考えなかった。いや、考えたくなかった。斧を振りかざしてトドメを刺した。ただ1つ。
「ごめん」
とだけ呟いたのは覚えている。
トナカイのツクモは消滅していった。消えた後、ツクモからは何も残らなかった。だけど、あのツクモが巻いていたマフラーだけは地面にパタリと落ちた。僕はそれを拾う。
「ごめんね・・・」
涙が止まらなかった。この世界に自分しか存在していないような感じがした。
パトカーのサイレンが鳴る。その音で僕は現実に返された。
ツクモ情報
トナカイ型のツクモ
詳細不明。




