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神ノ夢見物語 日木ノ国編  作者: カイトーチ
第9章 ーオクレンボウ編-
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視点R 謝罪

 12月28日の夜。迷いがまだある。倒せば1人の子供の未来が奪われる。かといって放っておけば沢山の園児が被害を受ける。今はまだ軽傷で済んでいるが、いずれ重傷者も出る可能性はなくは無い。

 こういうときに限って裏さんは話しかけてこない。こちらが助けを求めても。


 迷っている中、誰かが助けてを求める声がする。気持ちがうやむやなまま駆けつける。一軒家の庭にたどり着く。目の前にはトナカイのツクモがいる。不思議と攻撃もしないし、逃げもしない。

 僕は迷った挙句、手に持っていた斧を地面に置いた。そして歩み寄る。そっとツクモに触れる。


「ねえ、君は潔君なの?喋れる?・・・お願いだから返事して?」

「・・・」


 返事はない。聞こえるのは少し低い唸り声だけだ。


「僕は君を殺したくない。生きていてほしい。」

「・・・」

「だからお願い、元に戻って・・・」


「お願い、お願い、お願い。」


 必死に訴えかける。どうかこれで誰も傷つけずに、どうか。」


「・・・djxsjndfhjbxdyjbcg!!!!!」


 ツクモは言葉にならない呻き声をあげた。僕は少し吹き飛ばされる。ツクモを見るとなにやら黒いオーラが見える。もしかして暴走するのか?


「潔君!」


 神の悪戯なのか、吹っ飛ばされた先に丁度先程地面に置いた斧がある。かなり躊躇った後、斧を手に取る。


 そこからは何も考えなかった。いや、考えたくなかった。斧を振りかざしてトドメを刺した。ただ1つ。


「ごめん」


 とだけ呟いたのは覚えている。


 トナカイのツクモは消滅していった。消えた後、ツクモからは何も残らなかった。だけど、あのツクモが巻いていたマフラーだけは地面にパタリと落ちた。僕はそれを拾う。


「ごめんね・・・」


涙が止まらなかった。この世界に自分しか存在していないような感じがした。

 パトカーのサイレンが鳴る。その音で僕は現実に返された。

ツクモ情報


トナカイ型のツクモ

詳細不明。

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