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神ノ夢見物語 日木ノ国編  作者: カイトーチ
第9章 ーオクレンボウ編-
132/179

視点R マフラー

 翌日(といっても徹夜明け)。再び戸中家を訪れるも留守だった。泊りがけの旅行なのか?昨晩被害を受けたのはまたしても小宮保育園に通う男の子だった。

 手がかりが増えないまま昼ご飯の時間になった。切山刑事がコンビニで色々買って来るらしいので「なんでもいいです」といって任せ雑誌コーナーで漫画の立ち読みをしていた。

 すると1つ気になるものを見つけた。雑誌のコーナーからコンビニの向かいにある公園が見渡せるのだが、男の子が独りぼっちでベンチに座っている。


(・・・)


 外は寒いが、一度気になってしまっては仕方がない。切山刑事も何か迷ってるし公園の方に重い足を運ぶ。恐る恐る声をかけてみる。


「僕、こんなところで一体何をしてるの?」

「・・・待ってるの。」

「何を待ってるの?」

「・・・サンタさん。」

「サンタさん?でももう27日だよ。さすがに・・・」


 この子の親は何してんの?こんな寒空にー


「サンタさん、来ないの?僕いいこにしてたのに・・・」


 男の子が今にも泣きそうになる。あ、しまった。


「あーごめんごめん。いい子にしてたならサンタさんが来ない訳ないよねー。えー、えーっと、そうだなー。あ、あれだよ。おくれんぼう なんだよ、きっと。」

「おく、れんぼう?」

「うん、ほら、あわてんぼうの♪サンタクロース♪クリスマス前ーにーやってきた♪。って歌があるでしょ?あわてんぼうのサンタがいるなら怠け者の、おくれんぼうのサンタだっているよ。」

「ほんと?」

「ほんとだよ!僕のところなんかお正月に届いてたからね!イベント1個ずれてるやないかい!なーんてこともあったり?」


 口から出まかせが出てしまった。


「そうなんだ。うん。サンタが来ない訳ないよね。」

「うん、きっとくるよ!」


 そんな会話をしていると男の子の手に目が行った。


「あれ?君その腕どうしたん?ちょっとごめんね・・・。」


 長袖から何やら赤いものが垂れているのが見える。僕は男の子の右袖をまくる。


「わ!怪我してるじゃん!大丈夫?」

「うん。まあ、ちょっと痛いかも。」

「だめでしょー、ここからばい菌入ってくるけん、手当はしとかんとー。」


 僕は迷った挙句首に巻いていたマフラーを取り右腕に縛る。


「おうちに帰ったら、ちゃんと親に手当してもらうんよ?あんまり危険な遊びはやめてね?」

「うん。このマフラー、いいの?」

「あーいいよいいよ、それくらい。」


 100均だし、使い物にならないし。


「これって、お兄さんからのクリスマスプレゼントってことでいいの?」

「え?まー、そういうことにしとこう!ところで君、名前はなんていうの?」

「尾瀬・・・潔」


 イサギ?あの不登校の子と同じ名前だな。顔も先生に見せてもらった写真に似ている気が・・気が


「お兄さんありがとう!メリークリスマス!」

「え、あーメリークリスマス!」


 男の子はやや明るい声で公園を去っていった。


「真白君、なんで公園にいるんだい?はいこれ、牛乳とアンパン。」


 イサギ君と入れ替わるように切山刑事が来た。


「ありがとうございます。」


 あんなに迷ってたのに結局ベタなのチョイスしたのか。


「・・・メロンパンねーのかよ。」

「ん?」

「!いや、なんでもないです。」


 また勝手に口が動いてしまった。そんなに食べたかったら予めリクエストしといてよ・・・。

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