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視点R 本音
「墓参り、させようかなと思って。」
僕は真っ白な世界に取り残された。でも外の世界(現実)はなんとなく見える。もう一人の自分は泣いていた。
『君が本当に破壊したいものは何?』
この前僕が問いかけたものだが、自分なりに推測をしてみた。彼が本当に壊したいものは、自分自身だったんじゃないかと。
「ごめんなさい。ごめんなさい。俺のせいで・・・お母さんは・・・ごめんなさい・・・」
自分の判断のせいで大切な人を失ってしまったこと。最強が口癖の彼だ。プライドは高いはず。なら自身への妥協はできない。
「さようならも言えなくて・・・。気づいたら⑩10年経ってて。この間まで、おかあさんがあの後どうなったかも知らなくて・・・。グスッ」
彼はただただ泣きじゃくっている。そうか。彼の時間は10年前で止まっていて、つい最近再開したばかりなんだ。まだ子供なのだ。泣きじゃくる子供と何も話せない墓。これが10年ぶりの再会、か。
〔線香以外にも、タオルとか水も持ってきてるから、綺麗にしてあげて。〕




