78 協力姿勢も萎え気味に
「うーむ、言いにくいことなのですが……」
「言ってください」
ボニボニはチラチラとチョットマに目をやっている。
助けを求めても駄目よ、とでもいうように、チョットマは冷たい目。
「実は……」
「じれったいわね!」
チョットマが挑発するように発した言葉に、ボニボニはピクリと体を震わせると、ようやく向き直った。
「昨夜、タァーレルには、話を聞けていないのです」
「ん?」
レイミの死体が発見されて、その直前に会していた分科会のメンバーは、時間差はあれど全員が集められたのではなかったのか。
タァーレルの姿もあったはずだが。
「それが……、行方をくらませたようでして……」
順番待ちの間に、どこかに行ってしまったのだという。
「なるほどね」
「なにが、なるほど、なんです?」
むきになったボニボニが、目を剥いた。
警察の捜査能力にケチをつける気か、とでもいうように肩を怒らせ、生臭さ感をますます強くした。
明らかにボニボニは、協力を求めることを良しとしていなかった。
タァーレルの行方を追っています、という言葉もよそよそしい。
レイチェルがそう言うのだったら、と思うものの、こちらの協力姿勢も萎え気味に。
「で、具体的に、何をすればいいんです?」
と、投げやりな言い方にもなってしまう。
時々、相談に乗ってほしい、ということだった。
手始めに、レイミの死体を検分してもらえないかと。
イコマはそれには断りを入れて、ボニボニが見たところを話して欲しいと促した。
死体を見たところで、自分にひらめきなどあるはずもない。
想像していた通り、科学的捜査は全くできないということだった。
「被害者は仰向けに倒れて、胸には、お見せしたナイフが刺さっていました。それが致命傷だったことは一目瞭然です」
ボニボニが説明するところによると、争った形跡もなく叫び声を聞いた者もいない。
「分科会が終わってから被害者がとった足跡は掴めていません」
閉会後すぐにレイミがそそくさと帰っていく姿を見た者がいるだけだという。
「まあ、会議の席でああいう言動をとったわけですから、彼女も世間話をする気分じゃなかったのだろう、ということです」
「ふうむ」




