6 あれでまともな結論、出るんかいな
イコマは、ユウと帰り道を辿っていた。
少し先には、ンドペキとスゥ。
連れ立って歩く影が岩壁に伸びている。
エリアREFよりさらに深く、苛烈な太陽フレアの襲撃から逃れるための地下シェルター。
そのさらに下。最深部。
地下二百メートルともなれば、コウモリさえ飛ばない不毛の地。
岩盤の裂け目を縫う水系に絡む天然の洞窟群。
そこにこの世界は広がっている。
意外にも空気は乾燥していて、かすかだが風まで吹く場所もある。どこかに空気の抜けていく道があるのだろう。
幸いに、地上の大気を汚している毒性のある粒子、太陽フレアがもたらす有害なものは、ここではほとんど観測されない。
地上を徘徊する前時代の遺物、殺傷兵器の類もここまで侵入してくることはない。
「さっきの会議、あれでまともな結論、出るんかいな」
陽の射さない道。
岩盤の裂け目をくりぬき、繋ぎ合わせただけの街だが、そこここに街灯の光が白く溜まっている。
先人が遺してくれた発電設備があり、湯水のようにとはいかないまでも、電力はそれなりに供給されている。
そして、地下にしては意外にも温暖で気温の変化もない。
地下水系が運んでくる大量の熱のおかげで、水たまりが凍ることもない。
「そっちもそう? 議論にならないよね」
どことも同じような状況らしい。
パリサイド軍が解体されたことによって、ユウはユーペリオンの厚生局の長を務めることになった。
局長会メンバーだ。
ユウとトゥルワドゥルー、イッジとミタカライネン。
いずれもパリサイドの社会でトップだった者を、レイチェルはこのユーペリオン社会での組織の長にそのまま引き継いでいる。
そこに唯一、東部方面攻撃隊の参謀、コリネルスを加えた六名の局長会。
大きな政府を作るつもりはないと、うら若き長官、レイチェルは常々言っている。




