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5 亡霊に出くわして
そう考えるたびに、頭に血が上る。
網膜が強烈な熱さで焼け焦げるような気持に。
どうせ殺るなら、できるだけ残忍な方法で……。
こいつも狂っているし、私も狂い始めている……。
だから……。
奴らだって、狂っているに違いない……。
男がまた唸り声を上げた。
ん?
女は目を開けた。
男が寝返りを打った。
顔が毛布から覗いた。
あっ。
長い髪が、毛布の中から零れ落ちた。
えっ!
思わず叫び声を上げそうになった。
男は、いや、女!
眠りから覚めようとしている。
真っ直ぐこちらを見ている。
そして焦点が合うや否や、こいつが叫び声を上げた。
まるで亡霊に出くわしたかのように。
ぎゃ、わわわっ!
今度は女が叫び声を上げた。
そこに唇をわななかせている自分の顔を見た。




