100 歩き続ける!
一歩。
ぐぐっ。
また一歩。
この調子。
このまま、このまま。
慎重に歩みを進め、声のした方に向かっていく。
急いじゃ駄目。
転んだらもう起き上がれない気がする……。
体中のむず痒さのボルテージは一気にマックスを迎えようとしている。
くっ、くっ、苦しい……。
歯を食いしばっても、全身が戦慄いてしまう。
ぐっ!
くそ!
止まるもんか!
歩き続ける!
うわっ、う、うっ、うぐぐぐ!
照明灯を持つ手が震える。
落としそうになるのを必死でこらえて、大きく、意識して力強く息を吐き出した。
負けるもんか!
歯がガチガチ鳴っていた。
指先の感覚はもう全くない。
手の震え、全身の震えはもう抑えようがなく、光が照らす先は一定せず、激しく揺れ動いた。
三十メートルほど進んだ。
つんのめりそうになった。
むず痒さが一瞬のうちに消えた。
全身に込めていた力で、体はガチガチになっていた。
そっと息を吐き出すと、全身の力を少しだけ緩めた。
前へ、前へ。
歩くことはやめない。みんなの元へ。
足の力をもう少し緩めた。
何も起こらない。
さらに緩めた。
大丈夫かも。
完全に緩めてみた。
ふう!
歩みを速め、次に腕の力を緩めてみた。
大丈夫みたい。
体中から力を抜いたが、先ほどまでの感触は嘘のように消えていた。
声のした方に走り出した。
くそ!
なんなんだよ!




