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一丁目のほとり ー悪魔との対話形式による日常記ー  作者: 蘭鍾馗


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【日常の41】豪華拡大版(経過報告つき)

「で、豪華拡大版って何やればいいの?」



 あのね、前回、君が自分で言ったんだよ?『次回は豪華版です』って。

「そうだった(笑)。」


 ◇


「ゲストでも呼ぼうか?」

 誰を?今から間に合う人居るの?

「カイラ。」

 面白い話してくれるかなあ。

「どうだろ。」

 まあいいか、とりあえず呼んでみて。



   ~ ダンタリオン、カイラに電話中 ~



 ◇



 ピンポーン


 はーい。

『カイラです。来たけどここで合ってる?』

 合ってる合ってる。ごめんね休みの日に。

「ホントごめんね。ショウキがどうしてもって言うから。」

 うそつけダンタリオンが言い出したんでしょ。

「そうとも言うわね。」



 ◇



『豪華拡大版?何それ。』


 何だろうね。

「いいじゃん別に。」

『とりあえず私何すればいいの?』

 それについてはね、ここにいる誰一人分かってないから。

「とりあえずね、ここでは日常の話をすればいいの日常。」

『日常。』

「そういうエッセイだから。」

『帰るわ。』

 ですよねー。

「お茶請けにきんつばあるけど?」


『……分かった。日常の話するわ。』

 

 きんつばで釣れた。



 ◇



『とりあえず私はあれね。現代の日本の生活にやっと慣れたところかな。』


「それくらいよねー。」

 あ、事件はまだ始まってないのか。

『事件?』

「何の話?」

 いや今のは忘れて。

『じゃ忘れる。えっと何だっけ、私の日常の話よね。』

「そうそう。」


『新宿に来てからペット探しと浮気調査の興信所始めたけど、これが意外と依頼があるのよ。特にペット探し。』

 需要あるんだ。

『猫と鳥が多いわね。特に鳥。飼ってたインコが逃げちゃった、ってのが七割くらい。残りが猫ね。犬はまだ無いわ。』

 そんなもんなんだ。

「私も時々手伝ってるわよ。休みの日とか。」

 どうやって探すの?

『それはね……。』

 それは?

『内緒。』

 なんだよう。

『その辺のノウハウは企業秘密だから。』

 そうか。でも、そのノウハウっていつの間に誰から習ったの?

『アコーリスの常連さんに動物園勤務の人がいて、その人に教わったわ。タダで。』

 うーんちゃっかりさん。

「カイラって昔からそういう所はしっかりしてるのよね。」

『リオちゃんが緩いだけよ。』


 浮気調査の方はどうなの?

『月イチくらいで依頼があるわよ。思ってたより多いわね。』

 そうか。

『ペット探しより単価高いから、入ると嬉しいわね。』

 なるほど。

『でもやる内容はめんどくさいけど。』

「めんどくさいから、みんな高いお金払って頼むのよ。」

『そっか。』

 浮気調査の方のノウハウはどうやって手に入れたの?

『うん、やっぱアコーリスで常連さんから。元探偵事務所に居た人から教わった。』

「……やるわねカイラ。」

 うーんちゃっかりさん。



 ◇



 ダンタリオンは最近どうなの?


「日常?」

 日常。

「相変わらず地味よ。本読むかホットケーキ焼いてるか空飛んでるか。」

 空飛ぶ所だけ派手だけどね。要はこの間の「ダンタリオンの日常」から変わってないぞと。

「そんな感じね。」


「あとね、最近アコーリスのマスターからギター習ってる。」

 へえ。

「あの人結構すごいのよ。」

 そうなんだ。

「パコ・デ・ルシアの『二筋の川』とか弾いちゃうのよ。」

 ……あれ鬼みたいに速いスケール出て来るけど?

「あのへんもさらっとこなしちゃう。セミプロ級ね。」

 すごいなー。それがなんでオカマバーのマスターやってるんだろ?

「昔いろいろあったらしいわよ。詳しいこと教えてくんないけど。」



 カイラ、きんつば二つ目。

 どうやら小豆に目がないらしい。



「ショウキは最近どうなの?」


 そうそう、今日心臓の診察だったんですよ。今回は血液検査とレントゲンつき。

『アララギさんて心臓悪いの?』

 悪いんですよ。不整脈があってね。心臓の機能がちょっと落ちてるらしい。

『ええ……?大丈夫なの?』

 とりあえず、今日の血液検査とレントゲンは大丈夫だった。良くなってきてるって。

『そうなんだ。良かったわね。』

 でも薬は絶対忘れずに飲め、って脅されたけど。

「ちゃんと忘れずに飲んでるの?」

 飲んでる飲んでる。薬止めると確実に悪化するらしいから。

『大変ね。』

 ジジイは大変なんだよ。

『アララギさんて、失礼だけどおいくつ?』

 この間63になりました。

『63世紀?』


 ・・・・・・・


 あのね、今のを100で割って。

『ただの63?』

 はい正解。

『私よりだいぶ年下じゃん。』

 …………。

「……まあ、翼のない人間はそんなもんだから。」

『そうか、63でジジイになっちゃうんだ。』


 …………。



 ◇



 とりあえず、なんか豪華拡大版っぽくはなったかな。


「なんとかね。カイラのおかげよ。」

『良かった。少しは役に立ったのね。』

 いやもう十分に。

『またやる時は呼んでね。』

「うん、きんつば沢山用意しとくわ。」


『そういえばアララギさん、お菓子ひとつも食べなかったけど?』

「甘いものやめてるのよ、脂肪肝になったから。」



     ((((;゜Д゜)))))))



『うそ…………。』

「まあ仕方ないのよ体壊れてきてるから。」

『甘いものって、やめられるんだ………。」

「……そっち?」


 その気になれば意外とやめられるもんだよ。酒よりは難しかったけど。

『お酒もやめたの?』

 うん。

『信じられない。』

「まあ、カイラには無理かもね。」

『絶対無理。』



 ◇



 こんなとこかな。

「そうね、2,000字超えて少しは豪華拡大版らしくなったし。」

『おつかれさまでしたー。』

「カイラもおつかれ、ショウキもね。」

 みんなお疲れ。


『豪華拡大版、またやる時は呼んでね。』

「うん呼ぶ呼ぶ。きんつば沢山用意しとくわよ。」

『やったー!』



 こんなところで。

 ではまた。



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