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50歳の何でも屋、セカンドライフは魔王城~今度の依頼は国再建! 異世界バーガーで追放勇者を弟子にしました~  作者: おっさん5963
第五章 おっさん達の小競り合い――最後に勝つのは腹の虫

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第四十一話 ガウラの夢

ドラゴン襲来という、魔王国崩壊の危機から一夜が明けた。


謀反を企てたバジール大臣は、地下の『封印の柩』へ厳重に

閉じ込められ、畑に残されたのは山のように巨大な古代竜の

巨体。事を終えた一同は、再び魔王城の食堂へと集まっていた。


緊迫した空気から解放され、安堵のため息が漏れる中、八起

は首を傾げ、ずっと思っていた疑問を口にする。


「なぁ、みんな。ちょっと聞きたいことがあるんだが……」


白髪交じりの頭を掻きながら、耳の鉛筆の位置を直す八起。


「ドラゴンって、食えるの??」


その素朴な一言に、軍師ゼフェルが即座に美しい顔を輝かせ

て答えた。


「八起殿、ドラゴンは超高級素材でございます! 食べて良し。

爪、牙、鱗、翼皮、捨てるところの無い素材の塊です。特に、その

心臓部にある魔核は国宝にも成りうる超魔術素材です」


「ほう、そんなに凄いもんなのか」


「ええ。そもそも八起殿、ドラゴンの様な巨大な生物が空を

飛んでいる事が不思議ではないですか? 彼らはあの魔核で

増幅された魔力で飛行を可能としているのです」


(なるほど、あの巨体が飛ぶための飛行エネルギーの塊って

わけか……)


現場主義の職人として、八起はその未知の超エネルギー素材

に俄然、興味が湧いてきた。と、その時だった。


ブンブンブンッ!


食堂の中に、何かが猛烈に振り回されるような風切り音が

聞こえてきた。見れば、ガウラの尻尾が千切れんばかりの勢い

で激しく左右に振られている。


「ボスッ! 解体はあたしとオヤジに任せろっ!」


ガウラは犬耳をピンと直立させ、目をキラキラさせてヨダレ

をズズッと啜っている。目が完全に肉食獣のそれだった。


「いままで色々と不手際があったお詫びだ、任せてくれ! なあ、

ガウラよ!」


親バカのガルム将軍もサヤを持ち、愛用の大剣を前に差し出し

てやる気満々だ。侵略戦争の焦燥を忘れ、娘との共同作業に鼻息

を荒くしている。


「よし、それじゃあ解体は二人に任せた。ただし、おあずけ、

だからな。まだ食うなよ」


八起がニヤリと笑って釘を刺すと、ガウラは本能的に姿勢を

正しつつ、真っ赤になって抗議した。


「うぐっ……! ボ、ボス、さすがにアタシだって生じゃ

食わないよ! 火を通してからだよっ!」


(いや、そういう意味じゃねえんだが、まあいいか)


八起は苦笑しながら、秘書官のルナリアを振り返った。


「ルナリア、二人の監督頼めるか? 爪や皮なんかを、ゼフェル

の言った部位ごとに仕分けしておいて欲しい」


「はぁ、分かったわよ。あのバカ親子が作業中に肉をつまみ食い

しないよう、しっかり見張っておくわ」


ルナリアが美容液の効いた肌を引き締め、キリッと腕を

組む。


「よし。その間に、ゼフェル、急ぎで作るぞ」


「はいっ? 何をですか、八起殿」


突然の指名に目を丸くするゼフェルに対し、

八起はキリッとした職人の顔で告げた。


「封印の柩だ。いや、保管庫だな」


「お、おおおっ……! 我が主と共同での魔道具開発! 

畏まりました、どこまでもお供いたしますっ!」


ゼフェルは感動のあまり涙ぐみながら、八起と共に地下の工房

へと向かった。


二人が地下で空間固定の術式を応用した新型コンテナの製作に

励む中、地上での解体作業は思いのほか順調に進んでいた。


ガルム将軍の熟練の手際と、ガウラの驚異的な身体能力、そして

ルナリアの的確な指示により、巨大な古代竜(こだいりゅう)

は実に見事に解体されていく。


やがて夕暮れ時。山のような肉の塊の前には、

「これが全部アタシの胃袋に……」と喜びを全身で表現し、

激しく尻尾を振り回す満面の笑みのガウラがいた。

40話到達記念に21時にもう一話『投稿』します!


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