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50歳の何でも屋、セカンドライフは魔王城~今度の依頼は国再建! 異世界バーガーで追放勇者を弟子にしました~  作者: おっさん5963
第十二章 世界は因果なものよのぉ

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第百五十七話 うおぉ、マジ飛んでるわ!

「テオ、本当に大丈夫か?

落とす気はないが万が一ってこともある、

固定具を外す気合だけは入れとけよ」


俺とテオは、ギガントの前部に設置された搭乗席に乗り込む。


「ギガント、外に出るぞ」


「ギガッ」


命令に応じて、ギガントがゆっくりと動き出す。

建屋の外に出たところで、俺は機体を立ち上がらせる指示を出した。

ガガギギと金属の擦れあう重厚な音と共に、

俺たちの視線が一気に上がっていく。


俺は魔導炉の様子を慎重に見ながら、

魔力をじわじわと流し込んでいく。

魔力を受け取った魔導炉は、

まるで心臓の鼓動のようにボッボッと脈打ちだした。


出力の臨界点ギリギリまで魔力を一気に流す。

炉の稼動音は次第に脈動から一定の定常音へと変わっていった。


「行くぞテオ、掴まっておけ!ギガント、飛ぶぞ!」


魔導炉から送り出されるエネルギーが、

脚部に配置されたアイアンウッドに浮力を与える。

どんと脚部から突き上げられるような感覚と共に、

巨体がふわりと浮き上がった。

次第に高度が上がり、水平飛行へと移行する。


「そのまま前進だ。飛行は安定している。

ギガント、俺の意識を読み取れるか?

俺がイメージする速度まで出力を上げろ!」


元はゴーレムだ、飛行できる形状とは程遠い、

空力なんてあったもんじゃない。


ゴォォォっと凄まじい風きり音が俺たちの声を完全に殺す。

景色の流れがみるみるうちに早くなっていく。


正確な速度までは分からないが、

正面から叩きつけられる風圧はすごいものがある。


ふと隣のテオに視線を移すと、

顔を伏せたまま必死に手すりへ掴まっていた。


(風圧の対策まで頭が回らなかった、すまん……)


これ以上速度を上げるのは危険だ。

俺は無理なく耐えられる速度まで出力を少し落とし、

飛行を安定させた。


あとは進路をイメージすれば、

ほぼ自動で飛行を維持してくれる。


ふと下を見ると、

夜闇に包まれた街道を高速で移動する小さな明かりが見えた。


俺はテオの肩を叩き、下を見るように合図する。

あれは間違いなく、先行したセシリアたちだろう。


サンも尋常ではない速度で夜道を走っているのが分かるが、

空を行くこちらのほうがさらに早い。

一気にその頭上を追い越し、

彼らの姿は瞬く間に視界の外へと消えていった。


(そういえば、ガウラは一晩でこの距離を往復してたな。

あいつの身体能力、やっぱりおかしいだろ!)


そんなことを考えているうちに、

前方に宿場町の明かりが小さく見えてきた。


ふと考えれば、巨大な鉄の塊のまま空を飛行している

ギガントの方がもっとおかしかった。


俺は声の聞き取れる速度まで徐々に出力を落とす。


「テオ、想定ミスだ。

風圧のこと、辛い思いさせて悪かったな」


声を張り上げて話しかけると、

テオは強張った顔のまま、グッと親指を立てた返事を返してくれた。


「よし、ギガント、着陸だ。慎重に頼むぞ」


俺の心配をよそに、

ギガントは浮力を絶妙にコントロールし、

あっけなく静かに着陸をこなした。

地面に足がついた感覚に、俺はホッと息を吐く。


「大丈夫か?

気分が悪いようなら、一休みしてから現場に向かおう」


「八起さん、大丈夫です!

風はすごかったけど、スーツのおかげで体はどこも平気です」


「よかった。

じゃあ、このまま走行モードに変形して、一気に現場に向かおう」


俺がギガントに指示を出そうとした時、

テオが制するように声を上げた。


「八起さん、落ち着いてください。

この暗闇の中で今から現場に向かっても、

状況が分からなくて何も出来ませんよ」


「……あ」


テオの言うとおりだ。

生存者の猶予を気にするあまり、

俺は完全に冷静さを欠いていた。


夜間の現場で重機を動かせば、二次崩落を招きかねない。

俺たちはひとまず、

生存者の情報収集や救助対策の話し合いが行われているであろう、

街の商人ギルドへと最初に向かうことにしたのだった。

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