↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50歳の何でも屋、セカンドライフは魔王城~今度の依頼は国再建! 異世界バーガーで追放勇者を弟子にしました~  作者: おっさん5963
第十二章 世界は因果なものよのぉ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

156/169

第百五十六話 ダンジョン?そういえばそんなのあったな

俺は改めてメルたちの待つ作業場に向かって歩いていた。

すると、廊下の角からシオリが音もなく姿を現した。


「おじさまぁ、お客様ですぅ」


「お客?どこの人だ。

またキャベッツァから追加の職人でも来たのか?」


「商人ギルドの方でしたぁ」


「またか……。

まさか、商人ギルドの『ほう』から来たとか、

怪しいことは言ってなかったか?」


俺は城下町での襲撃事件を思い出し、無意識に身構える。

シオリは人差し指を薄い唇に当て、少し首を傾げて考え込んだ。


「ん〜、ちゃんとぉギルド章を持っていらっしゃいましたぁ」


「あっ!そういえばそんなの発行してたな。

完全に忘れてた……」


(最初にきちんと確認していれば、

あの事件だって起きなかったわけか……。

安全管理としては手落ちだったな)


俺は心の中で深く反省しながら、

シオリを連れて応接室へと向かった。

部屋に入ると、

そこには焦燥感を漂わせている青白い顔をした一人の男がいた。


「お待たせいたしました」


「八起様!一刻を争う事態なのです!

宿場町のダンジョンで、大規模な崩落事故がありました。

奥の階層に閉じ込められた者たちが大勢おります。

どうか、手を貸してください!」


「崩落が起きてから、どのくらい経っているんだ?」


「私が街を出てここまでくるだけで、五日経っています」


「5日か……猶予はねえな。

シオリ、大至急全員を大食堂に集めてくれ。

動ける幹部も職人も全員だ」


俺はひとまず商人の男にソファで休んでいるよう告げると、

大急ぎで食堂へと向かった。

数分もしないうちに緊急招集に応じて、幹部たちを筆頭に、

キャベッツァの鍛冶職人たちまでもが次々と集まってきた。

全員の顔に緊張が走っている。


「急ぎで集まってもらってすまん。

宿場町のダンジョンで崩落事故が起きた。

これより至急、救助に向かう。

セシリア、君はサンに乗って先行し、

現地の状況把握を頼む。

テオは俺と一緒にギガントの飛行封印を解除だ。

他の者は、最速で陸路を向かえるよう手配してくれ。

各自、動ける者から出発だ。解散!」


「ハイッ、直ちに!」


セシリアが鋭い返事をして一番に飛び出していく。


俺とテオは、かつてルナリアに

『危ない事はするな』と猛烈に怒られて

封印していたギガント改の飛行機能を復活させるべく、

格納庫へと走った。


「ギガントの封印はリミッターを付けただけだ。

炉から足回りに向かう魔力経路の途中にあるから、

全部外してくれ」


「分かりました!」


俺はリミッターを外しながら、

同時に魔力経路の点検を行った。


「よし! 大丈夫そうだ。

今回は膨大な魔力が必要だから俺が操作する。

テオは後続の部隊と一緒に陸路で来てくれ」


「僕も一緒に連れて行ってください!

到着しても八起さんが魔力を使い切ってしまったら、

誰がギガントに指示を出すんですか!?」


確かにそうだ。前回飛行させた距離より遥かに遠い。


「わかった。だが、もし墜落したら怪我じゃ済まない。

衝撃に耐えられるスーツを作ろう。

俺のスーツと同じ材料が、メルの部屋にあるはずだ」


俺たちは材料をもらうため、

格納庫をあとにしてメルの部屋に急いだ。

扉の前に着くと、

中から何やら大きな物音が響いている。

扉を開けると、そこではメルがかつて

「失敗した」と言っていたトラックを、

十数人の職人たちが突貫工事で組み立てていた。


「メル!そいつ、走れるのか!?」


「走らせる……大丈夫……

キャリア……トランスポーター……つないで……すぐ行ける……」


メルは作業服の袖で額の汗を拭いながら、力強く頷いた。

このトラックが大量の資材と人員を引いてくれば、

これ以上ないほど心強い戦力になる。


「頼んだぞ!

あと、この前の魔力伸縮布を分けてくれ、

テオのスーツを作る分だけでいい」


俺がそう言うと、メルは言葉を返す代わりに、

部屋の隅にある棚を指さした。

俺はそこから必要な分の布を抱えると、

今度はシオリの姿を探した。


「シオリー!頼みがある。どこにいる?」


「はぁい、おじさまぁ。いつもぉ、お側にぃ、いますよぉ。

どうしたんですかぁ?」


廊下に出ると、シオリがどこからともなく現れた。


「テオに俺と同じスーツを作って欲しいんだ。

すぐに現地に向かうから、大至急で頼めるか?」


「はいですぅ。少しだけぇ、待ってくださいねぇ」


シオリが布を受け取った瞬間、

彼女の複数の細い腕が超光速で動き、

数秒で裁断と縫い付けが完了した。


「テオちゃぁん、試着してみてぇ」


「う、うん……」


テオは少し恥ずかしがりながらも、

その場で出来立ての黒いスーツに袖を通し、

軽く体を動かして確かめる。


「シオリさん、凄いです。身体にピッタリです!」


「ノエルちゃんのぉ、防御付与はぁ何もない状態なのでぇ、

そこだけは本当に気をつけてくださいねぇ」


「テオ、このスーツは魔力を通した分だけ

強化されて衝撃に耐えられる仕組みになっている。

飛ぶ前に少し魔力を流す練習をしておけよ」


「はい!」


俺はゼフェルとルナリアに先行することを伝える。

ギガントに取り付けた搭乗席へと乗り込むと、

未曾有の災害現場へ向け、

ぶっつけ本番の『有人初飛行』が始まるのだった。

気に入って頂けたら、ページ下部にある【ブックマークに追加】と評価で応援お願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。