表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50歳の何でも屋、セカンドライフは魔王城~今度の依頼は国再建! 異世界バーガーで追放勇者を弟子にしました~  作者: おっさん5963
第九章 ファンタジー世界に馴染んだおっさん――ドラゴン骨で追放勇者とラーメン作る!弟子を取ったら部屋追い出される

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

113/114

第百十三話 ロマン妄想は止まらない

「ガウラ、すまんがこれから指示書を作る。

明日の朝、魔王城に届けてくれないか?」


「お安い御用だ、ボス! ワンならあたしより速いからな!」


「いやいや、そこまで急ぎじゃなくていい。安全走行で頼むわ。

それでも、俺の軽トラよりは早いからな」


俺は明日の予定を話して宿に戻った。

部屋に戻ると、すぐに机に向かってペンを走らせる。

まずはアル一家に渡すためのレシピだ。


餃子(ギョウザ)の皮生地の作り方から、刻む野菜の大きさに至るまで、

具材の正確な分量を書き出していく。

そして一番重要な、あのパリッとした焼き目を作るための

焼き方の工程までを丁寧に文字に起こした。


もう一枚は、魔王城宛ての指示書だ。

こちらは魔導技術士のメルに向けて、

新たな挑戦となる『ラガービール』醸造に必要な

簡単な工程と設備を説明した。


常温発酵のエールとは違い、低温でじっくり発酵させるラガーには

確実な温度管理が必要になる。

それを元に使えそうな魔道具や冷却用の材料などを

あらかじめ手配してもらうよう、要点を分かりやすくまとめた。


書類を書き終えたところで、

俺はポケットから無線機を取り出した。

事前に全体の段取りを通達しておくためだ。


「こちら八起、ゼフェル聞こえますか」


『ザザザッ……はい、ゼフェルです。

八起殿、今度はどのような案件で……ガッ』


「明日、先行してガウラに指示書を届けさせるから、メルに渡してくれ。

キャベッツァにラーメンの店舗、

ビエールにエールを改良した酒の醸造施設を作ることになった」


『ザッザザッ……お任せあれ、作業員を見繕っておきます……ザガッ……』


「ああ、頼んだ」


『ザッ……ご無事なお戻りを……ガッ』


さすがゼフェルだ、話が早くて助かる。

だが、こういう図面やレシピのやり取りをするなら、

やっぱりFAXが欲しいなぁ。どうにか作れんもんかねぇ。


翌朝、俺はザワールの商館に顔を出し協力を頼むことにした。


「おはようございます、早朝に申し訳ない。ザワール殿はおられますか?」


奥の部屋から現れたザワールは、俺の顔を見るなりニヤリと笑った。


「八起殿、どうされましたか、何か儲け話でも?」


この兄弟そろって恐ろしく勘がいいな。


「そうなんです、協力頂けないかと思いまして」


「そんなに改まらないで下さい。私どもからお願いしたいくらいですので」


俺は昨日、コレットとアンバーに話した内容をざっくりと話した。

ラーメンの店舗化とビール醸造、そして餃子の生産計画の概要だ。


「詳細はまたこちらに戻ってから打ち合わせさせてくれ。

これから魔王城までひとっ走りしてくるんでね」


「おおっ、楽しくなりそうですなぁ。

今度、私めにも『軽トラ』に乗せていただきたいですな」


ガルードとザワール、商売をするために生まれてきたみたいな兄弟だな。

俺は心の中で感心しながら商館を後にした。


「次はアルの家だな」


城壁を抜け、アルフレッドの家に向かった。

この国では、コレットたちの国営農場で

キャベッツァと麦を大規模に栽培している。


一方で、ガリャック(ニンニク)ニイラ(ニラ)チョウネギ(長ネギ)などの野菜関係は、

すべて城壁外の農家たちがそれぞれ作っていた。

アルフレッドの家もその一つで、主にニイラとチョウネギを専門に栽培している。


農家の朝は早い、家の前にはひと仕事終えたアルフレッド一家がいた。


「おはようございます。少し御相談がありまして寄らせてもらいました」


俺は昨日包んだ餃子の味を思い出してもらいながら、

この国での餃子生産をお願いできないか話をする。


「うちのニイラやチョウネギが、あんなに美味いものになるんだ、

喜んで協力させてもらうよ! 近隣の農家仲間からも材料を集めれば、

みんなに安定した収入が生まれるしな」


父親が作業着の袖で額の汗を拭いながら、快く協力を取り付けてくれた。

アルも嬉しそうに頷いている。

俺はまた後日正式に契約を行うと約束をして、魔王城へと出発する。


街道の脇に停めてあった軽トラの運転席に乗り込み、

魔核に魔力を流し込みレバーを引くと、作動音が静かに響き、

車体がわずかに浮き上がった。


「さて、これまた本格的に大仕事になるな。片道3日かぁ、

軽トラのリミッター外すかなぁ、車体を流線型に作りかえてエアロパーツを……」


軽トラの完成後、試運転であまりの速度性能に車体が追いつかず、

魔力リミッターを付けることで走行を安定させていたのだ。

もしあの制限を解除し、完全に最高速仕様へと魔改造を施したら

どれほどの速度が出るのか。


そんな妄想を掻き立てながら、俺はアクセルペダルを踏み込み、

魔王城に向かって街道を駆け抜けるのだった。

気に入って頂けたら、ページ下部にある【ブックマークに追加】と評価で応援お願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ