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50歳の何でも屋、セカンドライフは魔王城~今度の依頼は国再建! 異世界バーガーで追放勇者を弟子にしました~  作者: おっさん5963
第九章 ファンタジー世界に馴染んだおっさん――ドラゴン骨で追放勇者とラーメン作る!弟子を取ったら部屋追い出される

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第百七話 出頭命令?えっ??逮捕???

昼時をまわり、波が引くようにようやくお客の姿も少なくなってきた。

予想を遥かに上回る盛況ぶりのおかげで、一日分と想定していた

仕込みの材料もほとんど売りつくす勢いだ。


「コウタロウ、大丈夫か? 一旦店を締めて休憩しよう」


「大丈夫ですよ、師匠! ノエルのエプロンのおかげで

全然疲れていないんです!」


コウタロウは額に汗こそかいてはいるが、

満面の笑みで実に満足そうにしている。


「すごいなそれ、俺も欲しいな」


「ダメですよ、あげません!」


そんな冗談交じりのやり取りをしながら、夕方の営業に向けて

準備を始めようとした時、警備隊のジランに声をかけられた。


「だいぶ繁盛したようですね、八起殿」


「おかげさまで、半日でほぼ完売ですよ。ジランさんのおかげです」


「夕方も営業されますか?」


「そのつもりですが、何かありましたか?」


「実は、朝の騒動について上からね……。お手数ですが、

一度私と一緒に来ていただきたいのです」


「……」


俺は一瞬だけ眉をひそめ、後ろを振り返った。


「コウタロウ、すまん。ちょっと呼び出しだ。一人で留守番は大丈夫か?」


「任せてください、師匠!」


「頼むわ。もし無理そうならガウラに……いや、余計に無理かもしれんが、

手が足りなそうならガウラに手伝ってもらってくれ」


「あはは、わかりました」


「じゃ、行きましょうかジランさん」


俺はジランの方を向き、おもむろに両手を前に差し出した。

手首を並べて大人しく差し出す俺の姿を見て、

ジランは慌てて両手を大きく横に振った。


「いやいやいや! 連行じゃないですから本当にやめてください!

あなたを縛ったりしたら、それこそ国際問題ですよ!」


地球にいた頃、テレビの刑事ドラマなんかで一度やってみたかった

定番の冗談だったが、真剣な顔で全否定する警備主任の様子を見て、

少しばかり罪悪感と反省の念が湧いてきた。


ジランに先導され、城下町の目抜き通りを進んだ先で辿り着いたのは、

この街でも一際構えの立派な商館だった。

中に入ると、すぐに恰幅の良い男が頭を下げて出迎えてくれた。


「八起殿、お待ちしておりました。さあ、奥の部屋へどうぞ」


そこに待ち受けていたのは、街道で大蛇の肉を買い取ってくれた

ガルードの弟であり、同じく大商人のザワールだった。

案内されたのは、派手な装飾こそないが、一つ一つの調度品が

洗練されつつも控えめな高級感を醸し出している応接室だった。


八起はザワールに促され、上質な革張りのソファーへと腰を下ろす。


「ザワールさんか。わざわざ警備隊を使って呼び出すなんて、一体何の用だい?」


「いえいえ、私ではございません。私はただ、場所をお貸ししただけでして……。

今、お呼び致しますので少々お待ちを」


ザワールのあまりの丁重な態度と腰の低さに、

俺は胸の奥で奇妙な既視感を覚えていた。


ほどなくして、部屋の重厚な扉が静かに開く。

部屋に入ってきたのは、この豪華な商館にはおよそ不釣り合いな、

だが不思議と洗練された農作業着を着こなす、凛とした佇まいの女性だった。

彼女はまっすぐに俺の前まで進み出ると、優雅に一礼して口を開いた。


「魔王様、お初にお目にかかります。キャベッツァ農国女王、

コレット・ヴィクトリア・ブラッシカでございます」


(おいおいおいおいっ、女王様だって!?)


突然の女王様の登場に、俺は脳内で激しくツッコミを入れつつ、

どうにか職人としてのポーカーフェイスを維持して動揺を抑え、

ゆっくりと口を開いた。


「魔王はやめてくれ、俺はただの職人だ。八起でいい。

……それで、このような場所で国で一番偉い女王様が、

俺に一体何の用だい?」


「では、八起殿。私のことも、どうか堅苦しい肩書きではなく

『コレット』とお呼びください」


コレットはソファーの対面に腰掛け、真剣な眼差しをこちらに向けてきた。


「実は、八起殿にどうしてもご相談したいことがありまして、

こうしてお呼び立てした次第なのです」


「俺に出来ることかい? あんまりたいそれた国家間の話なら、

俺は遠慮したいんだがね」


俺は耳の鉛筆を無意識に指先で弄りながら、目の前の女王の言葉を待った。

ラーメンの屋台から始まった内政開拓は、どうやらとんでもない

現場の親方に繋がっちまったらしい。

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