第四話 カメラ
ここは、国外の人達にも有名なとある観光地。そこに、銀婚式の記念にと国内旅行に来ていたと、ある壮年夫婦がおりました。その壮年夫婦はとても写真好きで、絵になる風景になると見るや、直ぐシャッターを押してしまいます。
そしてここ、とある観光地でも壮年夫婦は絵になる風景を見つけました。すると、壮年夫婦は今度はふたり仲良く収まった写真を撮りたかったのでしょう、近くにいた白いパンツと黄色いアロハシャツを着用した、アフロの金髪天パーの若年男性にカメラのシャッターを押してもらおうと近寄ります。
「すみません」
壮年夫婦の男性が声をかけると、ゆったりしていた若年男性は気さくな声で「はい、なんでしょう?」と答えます。若年男性の対応に好感を持った壮年夫婦の男性は、そのまま「カメラのシャッターを」と切り出すと、その言葉に続くように壮年夫婦の女性が「押してもらえますか?」と、お願いします。若年男性は、「ええ、良いですよ」と、快く壮年夫婦の申し出に応じると、スマートフォンを受け取ろうとします。壮年夫婦の女性は「ありがとうございます」とお礼を言うと、壮年夫婦の男性は「では、よろしくお願いします」と言い、両手に持っていたカメラを若年男性に手渡します。と、その時でした。カメラを受け取った若年男性が「⋯⋯あれ?」と、声を漏らします。そして、その一眼レフカメラをのぞき込みながらこう声を上げたのです。「これ、もしかして、ピントを合わせる方!?」
その様子を見た壮年夫婦は、若年男性に心配そうに「大丈夫ですか!?」と、声をかけるのでした。




