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それは多分、そういうことなんだと思う

 放課後の校舎裏、自販機の前。


 カコン、と音がする。

 缶を取り出す。

「……で?」

 前田千夜が、缶を傾ける。


「謝ったんだ」

「……ああ」

 真田巴は、短くうなずく。

「やりすぎたって」

「……」

「ちゃんと謝った」

「……」

「でも」


「距離は、そのまま」

「……」

 千夜は、少しだけ間を置く。

「……どんな感じ」

「……」

 巴は考える。


「……近づかない」

「……」

「必要なことしか言わない」

「……」

「終わったら、すぐ離れる」

「……」

 千夜は、すぐに答えない。

 缶を一口。

「……」


 少しだけ視線を上げる。

「……変わらないんだ」

「……」

 巴は、小さくうなずく。

「……ああ」


「……やっぱり」

「……」

「そうなんだと思う」

「……」

 千夜は、否定しない。

 でも、肯定もしない。

「……そう見えるなら」

 それだけ言う。

 それ以上は言わない。


 風の音。

「……」

 巴は、小さく息を吐く。

「……ありがと」

「別に」

 短い返事。

 それで、会話は終わる。

 巴が去ったあと。


「……」

 千夜は、その場に残る。

 缶を傾ける。

(……)

 さっきの話を思い返す。

 謝って許されて。

 距離を取られる。

(……よくわからないな)


 普通なら、少しは戻る。

 でも戻らない。

「……」

 視線を上げる。

(……あの巴が、気になる相手なら)


(……私も、少し気になる)

 缶を捨てる。

 足を踏み出す。

 廊下の先、2年A組。

(……見た方が早いか)

 そう思って。

 そのまま、歩き出した。


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