恒一の自宅での報告
夕暮れ、家
家に帰り着いた恒一は制服を脱ぎ、少し疲れた顔でリビングに入る。
「ただいま、父さん、母さん」
「おう、恒一。今日はどうだった?」
父はにこやかに声をかける。
「部活?それとも…他のこと?」
母は少し眉を寄せ、恒一をじっと見つめる。
恒一は深呼吸して、文化祭の件を話すことにした。
「前にも言ったけど、俺、陸上部の部長になったんだ。それで文化祭の出し物や展示、模擬店とか、俺がまとめることになった」
父の顔がぱっと明るくなる。
「おお、よくやったな!信頼して任せられるってことだな」
「そうか、頼もしいじゃないか」
母は目を細め、少し心配そうに息をつく。
「…恒一、あなたなら大丈夫でしょうけれど、本当に無理はしていませんか?」
「大丈夫だよ、母さん。ちゃんと準備して、皆と協力するつもりだから」
恒一は少し微笑み、父に向き直る。
「父さん、文化祭、来てくれるかな?」
「もちろんだよ、楽しみにしてる」
父は大げさに胸を張る。
だが母は、微妙に眉を寄せて、恒一をじっと見つめる。
「…本当に、恒一大丈夫かしら」
恒一は少し笑い、心の中でツッコミを入れる。(母さん、僕が心配な人間に見えるのか?いや、心配なのは陸上部での僕の動きだけか…)
心配そうな母の視線を感じつつ、恒一は文化祭の具体的な計画や、部員たちの状況を簡単に説明する。
「展示はこの場所で、模擬店は人数に応じて調整する予定だ」
「みんなとちゃんと相談して進めるんだな」父はうなずく。
「そうだよ、僕が全部決めるんじゃなくて、皆で意見を出し合う予定だから」
母は少しほっとした表情で、恒一の頭を軽くなでる。
「…でも、恒一なので不安だった」
恒一は笑いながら答える。
「母さん、僕は大丈夫。ちゃんと考えて進めるから」
夕暮れの光が部屋に差し込み、少しだけ家族の空気が温かくなる。恒一は心の中で、文化祭の成功だけでなく、両親の反応に少しだけ安心したのだった。




