陸上部会議
九月末
文化祭・体育祭が迫る中、陸上部の全員が放課後、部室に集まった。
普段は代表だけの参加が多いが、今回は恒一の希望で全員出席だ。巴も部室にいて、他の部員と楽しそうに会話しながら文化祭の計画に参加している。佐藤はこれが選ばれた理由だと思った。
恒一は書類を手に、部員たちに向き直る。
「今日は文化祭・体育祭で、陸上部として何をやるか。展示や模擬店、アトラクション、やらない選択も含め、全員の意見を聞きたい」
部員たちは少し驚きつつも次々と意見を出す。
「模擬店やりたいです!」
「展示だけで十分だと思います!」
「アトラクションも面白いと思います!」
恒一は書類をちらっと確認しながら、頭の中で人数や時間、練習との兼ね合いを考える。
(人数は…大丈夫か。展示準備にかかる時間は…アトラクションは…)
佐藤副部長は横で、注意点や補足をメモしながら恒一の進行を支える。
「朝比奈、お前、本当に全部頭に入ってるのか?」
小声でつぶやかれるが、恒一は自分の考えに集中し無視する。
会議は滞りなく進み、部員たちも意見を出し終える。恒一は書類を整理しつつ、部員たちの顔を見渡す。
(……よし、順調だ。文化祭も問題なさそう)
巴は部室の端で、部員たちと談笑しながら意見を出している。恒一とは距離を保ちつつ、計画に楽しそうに参加している様子だ。
(……あの真っすぐさは、やっぱりすごいな)
恒一も笑顔で部員の意見を聞き、計画を整理する。
(皆も協力してくれるし、今はこれで十分だ)
ちょうど、一年生のひよりが隣の部員に話しかける。
「今の部長、やっぱりいいよね」
「そうですね、いろいろ提案も聞いてくれるし」
「うん、展示も模擬店も、ちゃんと意見を取り入れてくれるし」
「アトラクションも楽しそうで」
ひよりは笑顔を見せながら、今年の文化祭に関していくつか新しい案を提案する。
「それに、練習の合間にみんなで準備できるし、楽しめそう」
部員たちはうなずき、和やかに意見交換を続ける。
巴は端でその様子を見守り、楽しそうにうなずくこともあれば、静かに自分の案を考えたりしている。
恒一は書類を片付けながら、部員たちの様子を見て心の中で微笑む。
(巴も楽しそうだし、皆も協力してくれる。順調だ)
巴は恒一とは接近せず、他の部員と話して文化祭計画を楽しむ。恒一は部員全員の意見を聞き、自分の案を整理していた。
窓の外には、夕焼けが広がる。穏やかな風が吹き、部室の中の活気と相まって赤く光っていた。




