✒ パーティで戦闘
──*──*──*── 翌日
──*──*──*── 平原フィールド
──*──*──*── キャンプ地
ディアスさん,アストンさんが私の為に作ってくれた《 キャンプ地 》は《 平原フィールド 》で唯一の安全地帯──。
この《 キャンプ地 》を拠点にして、《 冒険者ギルド 》で受けた依頼を地道にコツコツと達成していくんだ。
アストン
「 おっ、来たな。
セキチェ! 」
アストンさんが元気に手を振って迎えてくれる。
潟庄智惠
「 ディアスさん,アストン義兄ちゃん、御早う御座います 」
ディアス
「 御早う、セキチェ 」
アストン
「 セキチェ、預かってた武器だ。
前より丈夫にしといたぞ。
ドラゴンが乗っても壊れないように改良したからな 」
潟庄智惠
「 有り難う、アストン義兄ちゃん 」
アストン
「 攻撃が命中したら、100%霜焼けするようにもしといたぞ★ 」
潟庄智惠
「 霜焼け?! 」
アストン
「 魔石を嵌め込んでな、ディアスに魔力を込めさせた。
氷属性だから刺した場所をキンキンに冷やして霜焼けにするんだ。
痛くて痒くて、1分後には凍傷になる。
凍傷になると神経が死んでしまうんだ。
嫌がらせには持って来いだろ 」
潟庄智惠
「 凍傷??
神経が死んじゃうのはおっかないね… 」
キノコン
「 御主人様、今日の素材採取分依頼書ですエリ 」
潟庄智惠
「 有り難う、キノコン 」
キノコンから依頼書の控えを受け取って内容を確認してみる。
依頼内容はツクワヒレグマのヒレを50,毛皮を30,肉を80──って書いてある。
潟庄智惠
「 集める量が多いね 」
キノコン
「 Cランクの依頼では少ない方ですエリ。
ツクワヒレグマは御主人様1人では倒せませんエリ。
ディアス,アストンも戦闘に参加しますエリ 」
潟庄智惠
「 パーティで戦闘するんだね! 」
アストン
「 センターはディアスで良いな。
1番狙われ易いが、1番攻撃し易い位置なんだ。
ディアスの右側にセキチェな。
俺は左側でセキチェのサポートをするからな 」
潟庄智惠
「 お願いします! 」
《 キャンプ地 》を出るとキノコンは細長長いホイッスルを出して吹き始めた。
潟庄智惠
「 キノコン、何のホイッスルなの? 」
キノコン
「 ツクワヒレグマだけを呼ぶホイッスルですエリ。
エンドレスでツクワヒレグマと戦闘が出来ますエリ 」
潟庄智惠
「 そんな便利なホイッスルが有るんだね 」
アストン
「 エンドレス戦闘なんて鬼畜だな~~ 」
キノコン
「 エンテルログドラゴンを倒せるおめぇ等なら楽勝エリ 」
ディアス
「 問題無い。
セキチェは無理せず、疲れたら後方に下がるようにな。
遠慮は無用だ 」
潟庄智惠
「 うん… 」
アストン
「 おぉ~~~~。
ディアスが他人を気遣えるとはねぇ~~。
初めて聞いたな! 」
ディアス
「 妻を気遣うのは同然だろう 」
アストン
「 まぁ…そんなもんかも?
でもさお前、ずっと一匹狼だったろ。
“ 気遣う ” なんて何処で覚えたんだよ 」
ディアス
「 今迄 “ 気遣う ” ような相手が居なかっただけだ 」
アストン
「 そうなのか?
居たと思うけどねぇ…… 」
キノコン
「 お喋りしてねぇで構えるエリ。
ツクワヒレグマが来るエリ! 」
アストン
「 よしよし。
先ずは俺が “ 影縫い ” でツクワヒレグマの動きを止めてやるから、待ってろよ 」
潟庄智惠
「 は…はい! 」
5体のツクワヒレグマが現れた!
アストンさんはツクワヒレグマよりも早く動いて “ 影縫い ” を使ってくれた。
“ 影縫い ” の効果でツクワヒレグマ達は動けないでいる。
ディアスさんは愛剣を軽々と振るって、ツクワヒレグマを真っ二つにして行く。
斬られたツクワヒレグマの体は凍った後、粉々に砕けてしまう。
ディアスさんの使う愛剣には冷気を纏わせているみたい。
斬られたら凍っちゃうなんて、おっかないね!
私も負けてられないから、身動きの取れないツクワヒレグマに目掛けて細長ピックで刺す。
刺せても私の腕力じゃ、あまりダメージを与えられないみたい。
でも霜焼けから凍傷に変わるとツクワヒレグマの様子がおかしくなって来た。
潟庄智惠
「 凍傷になったら動きが止まった!?
これなら私でも倒せるかも! 」
私は何度も凍傷したツクワヒレグマを攻撃する。
ツクワヒレグマを倒す事が出来ると、ドロップアイテムが現れる。
抜群のタイミングで分身体が現れて、ドロップアイテムを回収してくれる。
ツクワヒレグマを攻撃するのは、ディアスさん,アストンさん,私の役目で、キノコンはツクワヒレグマを呼び寄せるホイッスルを吹く役とドロップアイテムの回収役を兼任してくれている。
分身体が速やかにドロップアイテムを回収してくれるから、ツクワヒレグマが次々と現れても何とかなってるんだよね。
ディアスさんは慣れた感じで次々にツクワヒレグマを倒してるし、アストンさんも近距離攻撃の “ バックヒット ” でツクワヒレグマの影に移動して、急所を狙う攻撃を繰り返している。
私がツクワヒレグマにトドメを刺せるようにクリティカルヒットでHPを大幅に減らしたツクワヒレグマを私に倒させてくれる。
最低でも80体のツクワヒレグマを倒さないとヒレを50,毛皮を30も集める事は難しい。
ドロップアイテムは必ず出るけど、目当ての素材をゲット出来るとは限らないから、80集める肉の場合だと100体のツクワヒレグマを倒さないと集まらない可能性も有るんだよね。
骨が折れそう。
確かに私だけの力じゃ集めるの無理そうだよ……。
キノコンがパーティを組む仲間を呼んでくれて良かったと染々思ったり。
大精霊が相手だから、嘘を吐いたり、誤魔化したり、騙したり、隠れて悪さをして迷惑を掛けられたり、裏切ったりする信用の出来ない人間とは違って安心かも知れない。
私はディアスさん,アストンさんから見限られて、愛想を尽かされないように主人として言動には注意しないといけないよね。
キノコン
「 一旦、其処迄にするエリ!
《 キャンプ地 》へ戻って休憩するエリ! 」
アストン
「 了解 」
ディアス
「 セキチェ、疲れてないか? 」
潟庄智惠
「 うん……。
ちゃんと休憩を取りながらしてたから、大丈夫かな? 」
ディアス
「 そうか。
無理だけはしないようにな 」
アストン
「 優しい言葉を掛けるディアスって慣れないよなぁ~~ 」
ディアス
「 陽気なお前も慣れないがな 」
アストン
「 そうかぁ?
お互い、その内に慣れるさ★ 」
《 キャンプ地 》が見えて来たけど──、《 キャンプ地 》の周辺に見慣れない冒険者達が集まってるみたい。
《 キャンプ地 》が珍しい──なんて事はない筈なんだけど……。
冒険者達が《 キャンプ地 》に近付けないのは何でなんだろうね??




