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戦闘力レベル99の薬草師〜異世界行っても採集クエストしかやりません〜  作者: 成若小意


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第二十九話 カップル誕生?

 雨も上がり、久しぶりの朝日を無事拝むことができた。思わず窓を開けて深呼吸をする。


 昨日は思わぬ来訪者、レオンと話すことができたので、それも相まって爽やかな朝だ。


「今日こそはギルドに行かないとね」


 なんせ四日も空いてしまっている。あまり間が空くと提携クエストなどのお得な制度が使えなくなってしまう。


 ということで、本日は朝一でギルドへ行くことにした。



「マリア、久しぶり!」


「モニカ〜。会いたかったわ」


 受付嬢のマリアは今日も輝いている。忙しいだろうに、つい近況報告でしばし盛り上がってしまった。


「いろいろあったのね、モニカ。でも元気そうでよかったわ」


「ありがとう、マリアこそ元気そうでよかった」


 おしゃべりだけではなく、ちゃんとクエスト受注の手続きもしたのだが、依頼用ボードに変わった張り紙があったのを思い出す。


「そういえばマリア、『紅のダンデライオン』って、なに?」


 依頼用ボードにはたくさんの依頼用紙が貼ってある。そのほとんどが冒険者ギルドの受付に用意されている専用の用紙。でも、その紙は色も素材もほかのものとは違っていた。少し高級そうに見えて、きになっていたので、聞いてみる。


「ああ、あれね。モニカは気にしなくていいわよ。というより、誰も気にしてないわね」


「え、どう言うこと?」


「あれはね、王家からの依頼なの」


「王家から?」


 それならみんなが受けたがりそうなものなのに、不思議に思う。


「伝説級の花だから、誰も本気にしてないのよ」


 マリアはそう苦笑した。



 受付を終えたあと、もう一度『紅のダンデライオン』の依頼書を見てみた。存在しない花と言う訳ではないようだ。ただ、爆心地と呼ばれるモンスター発生源にあまりにも近いので、事実上入手不可とみなされていた。


 王家も本気で入手できるとは思っていないのだと、マリアは言っていた。


「どんなに権力があっても、難しいことってあるのね」


 その事実に、少し胸が痛んだ。



 ギルドからの帰り道。町中に引っ越してきていた魔女のおばあちゃんに挨拶をして、ついでにリリィにも会いに行く。ちょうど勤務時間が終わったころだったようで、帰り支度をしていた。


「リリィ! 久しぶり〜」


「モニカ! 会いたかったわ〜」


 雨の間はいろいろと思い悩んでしまったが、会って話ができるとやっぱり嬉しい。会わない期間を埋めるように、二人で新作のパフェを食べながら喋り倒す。


「そうだ。リリィにはまだ聞いてなかったわね」


「なによ?」


「私、魔女のおばあちゃんから家をもらった話はしたかな?」


「ええ、聞いたわ。変わったことするわよね」


「そこで、おばあちゃんから依頼を受けたの」


「依頼?」


「そう。軒先に生えているマンドラゴラの花を咲かせてくれって。いろいろな方法を試したり、いろいろな人に聞いてみたけれど、花を咲かせることはできなくって」


 そう話すと、リリィは不思議そうな顔をする。


「ごめんなさい、リリィは専門外だから、こんな事聞かれても困るよね」


「え、そんなことないわよ。むしろ、簡単なことじゃない?」


 リリィは笑って首を振った。


「え、リリィはわかるの?」


「その子、ひとりぼっちなんでしょ? 恋人を作ってあげなきゃ」


 リリィはスプーンでハートを描いて、ニッコリ笑う。


 リリィからの意外なその提案。でもなんだか、しっくりきてしまった。

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