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第36章―11

 とはいえ、そんな物思いにのんびりと耽る余裕等が、戦場にある訳が無い。

 日本海兵隊は、ブレーメン市に対する応急措置を済ませ次第、改めて進撃を再開せざるを得なかった。


(尚、全くの余談に近いことながら、ドイツ本土の占領地、後方警備任務を主に担ったのは、英仏の植民地部隊だった。

 勿論、それ以外の部隊が担わなかったことはないが、それこそ最前線任務には、どうしても精鋭を当てざるを得ない以上、結果的に二線級部隊と見られがちだった植民地部隊が当たることが多発したのだ。


 そして、植民地部隊が、結果的にドイツ本土内においてインフラ復旧を担い、建設工兵任務を主に担うことが多発することになり、更には本来の故郷と言える植民地に帰還した後、この経験を活かしてインフラ整備を行なうことが多い事態が引き起こされたのは、何とも言えない事態としか言えないことだった)


 更に日本海兵隊が最前線任務に復帰した結果として、ドイツ軍(及び国民突撃隊)による防衛戦闘は、徐々に押されていくしか無かった。


 その結果として、ハンブルク、リューベック等へと、日本海兵隊とユダヤ人部隊は、じりじりとした戦闘結果ではあったが、進撃を果たしていくことになったのだ。

 そして、その結果だが。


 1942年6月末、リューベック市を巡る攻防戦は、ドイツ軍(及び国民突撃隊)の敗北で終わった。

 それまでの激戦で、日本海兵隊は多大な損害を被ったと言っても過言ではなく、4個師団の戦力は実質的には、3個師団程度にまで下落する有様だった。


 だが、それだけの大損害を被った代償として、ユトランド半島を完全にドイツ本土から遮断することに成功した、といっても過言ではない戦況に、ドイツを追い込むことに成功したのだ。

 更に言えば、この戦果はドイツ海軍の最後の安住の地であったキール軍港を、ドイツ本土から切り離す事態を引き起こすことになったのだ。


(度々述べているが、(この世界で起きた)ノルウェー侵攻作戦の失敗の結果として、ドイツ海軍は事実上は解散に追い込まれる事態が起きていた。

 とはいえ、それまでに建造されていたドイツ海軍の艦艇を、それこそ解体処分する等は思いも寄らないことで、色々と揉めた末にキール軍港にノルウェー侵攻作戦後に生き残っていたドイツ海軍の艦艇の殆どが集まる事態が起きていたのだ。


 そして、ドイツ海軍の艦艇は、ほぼキール軍港に止まる事態が起きた。

 尚、キール軍港に止まっているドイツ海軍の艦艇が全く出撃しなかったことは無く、潜水艦を中心にして出撃を行わなかった訳では無いが。


 そうは言っても、それこそ燃料不足等から十二分な訓練を行った上での出撃は困難で、更には北海の航空優勢は失われていて。

 又、スカゲラク海峡どころか、カテガット海峡にまで、英仏日等の海空軍や航空隊の目が光る戦況において、ドイツ海軍の艦艇が北海にまで赴いて、通商破壊戦等を断行できるのかと言えば。

 それこそ潜水艦でさえ、キール軍港から出撃して、作戦を展開した後で生還できるのは、3割を切るという事態が引き起こされるのは、どうにもならなかったのだ。


 そう言った事態が絡み合った末として。


 1942年7月初め、カルロ・メンデス伍長やその周囲の将兵は、キール軍港が空になっている現状に呆然とするしか無かった。


 この時点で出撃可能な全てのドイツ海軍の艦艇に乗り組んでいた軍人達は、かつてのスカパ・フローで自分達の先達が執ったのと同様の行動を決断し、自分達の最後の誇りを保つ為、ドイツ海軍の艦艇全てを、沖合に赴かせた末に自沈させたのだ。


 この行動は、戦後において様々に論評されたが。

 それを聞いた南雲忠一提督は、無言で落涙したと伝わる。

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ドイツ海軍2度目の自決、南雲さんのも含めてこの光景を見た連合軍の人間もドイツ人も涙が出るか唖然とするかしかないですね。この再建はかなり時間がかかりそうです。以前は人がいましたが、地上戦で亡くなってると…
 2度の大戦で──ほぼ同じ“自死”──で終焉を迎えるドイツ海軍の大艦たち(´・ω・`)ラストの──無言で落涙した──南雲提督の胸の内は、沈みゆく艦船が己の作られた存在意義を否定されたような──戦って死…
一瞬だが、「沈めずに温存すれば、聯合国への賠償の足しになるのに。勿体ない。」と思ってしまったが・・・。これは余りにドイツ海軍軍人には酷な意見なので、自主的に取り消しました。 南雲忠一提督の涙の意味をい…
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