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第36章―1 デンマーク等の解放

 新章の始まりになります。


 尚、最初の数話は、1942年5月、ベルリンへの爆撃行が終わった後の話になります。

 1942年5月から6月に掛けて、英仏日等の連合軍は、大雑把に言ってエルベ川以西のドイツ西部方面の制圧を図ることになった。


 そして、英仏はルール地方やバイエルン地方の制圧を図り、日本軍とユダヤ人部隊は北ドイツからデンマークへの進撃を図ることにもなった。


(尚、ノルウェーに関しては、いわゆるノルウェー正統政府軍が主力となって、ドイツ政府及びその傀儡といえるクヴィスリング率いるノルウェー政府からの完全解放を図る事態が、既に起きていた。

 その結果として、1942年5月段階の時点において、オスロ及びその近郊以外については、ノルウェー正統政府が完全に確保している、といっても過言ではない状況にまで、ノルウェー本土の攻防戦の戦況は推移していたのだ)


 この頃の英仏日等の連合軍の進撃予定としては、1942年8月頃までにエルベ川以西のドイツ、更にはノルウェー、デンマークを完全に解放した上で、1942年秋以降に残りのドイツ東部、チェコスロヴァキア、ポーランド西部を解放して、第二次世界大戦を終えるという戦略、作戦を立てていたのだ。


 こうした戦況の悪化に対して、ドイツ政府、軍内部でも、それなり以上の動きがあった。

 特に有力というか、一時は陸軍関係者を中心に多くの賛同者がいたと、後々で歴史家等の間でささやかれていると言っても過言ではない作戦、計画なのが、ドイツ国内予備軍をクーデター部隊として活用した上で計画されていた「ワルキューレ作戦」である。


「ワルキューレ作戦」の詳細については、戦後の関係者の多くが口が重い態度を貫いており、又、ドイツが無条件降伏に至った後、関係書類の多くが焼却処分されたこと等から、不明の点が極めて多い。


 だが、多くの歴史家、研究者が賛同しているのが、まずはヒトラー総統を暗殺して、それによって生じたドイツ政府、軍内部の混乱を活用して、ドイツ国内予備軍を動かして、ドイツ政府、軍の枢要部を制圧して、新政府を樹立する。


 更に、それによって成立した新政府は、ヒトラー総統が率いるナチス党が現在のドイツの混乱をもたらした等の理由を挙げて、ナチス党を非合法化し、ナチス党関係者、それこそSS幹部に至るまで逮捕等して、身柄を確保する。


 そして、これまでにドイツ政府、軍が犯した戦争犯罪については、全てナチス党に因るモノだ、と強弁することで、新たなドイツ政府、軍関係者は全くの無罪、放免ということにして、ドイツ政府、軍関係者の戦争犯罪を軽くしよう、それで、英仏日等の連合国政府との条件付きでの講和を図ろう、としていた、とする説が、(この世界の)21世紀現在においては、ほぼ通説となっている。


 だが、この「ワルキューレ作戦」だが、様々な謎とされていることがあり、真相不明が多い。

 その最大の一つが、ドイツ新政府の首班を誰が務める予定だったのか、という点である。

 

 戦後の証言者の多くが、ライプツィッヒの元市長、カール・ゲルデラーが新政府の首班候補だった、と証言しているのだが。

 カール・ゲルデラーは、何とも皮肉なことに反ナチス主義者ではあったが、同時に反ユダヤ主義者(尚、念のために付言するが、ナチスのホロコーストには反対する人物としても、知られている存在でもあった。この辺りが、カール・ゲルデラーの評価が21世紀になっても定まらない要因の一つである)でもあった。


 そうしたことが、カール・ゲルデラーをドイツ新政府の首班とした場合、英仏日等の連合国政府が、ドイツとの講和交渉に応じるのか否か、関係者の多くの間で懸念が生じる事態を引き起こしたとされる。


 更に言えば、「ワルキューレ作戦」という呼称が、関係者の疑心暗鬼を生じさせた。

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― 新着の感想 ―
反ユダヤ主義者であることとホロコーストを実施してしまう事は、天地の差。とは言っても、聯合国も(内心は兎も角)反ユダヤ主義者を新生ドイツの首相には出来なそうですね。
 僕らの世界と近似した「ナチ党転覆による停戦内閣誕生を企図したクーデター計画:ワルキューレの発覚」(´・ω・`)コチラの世界ではハリウッド映画になるほど掘り下げられ反ナチスを標榜しそれに殉じ倒れた人々…
ワルキューレ作戦はこちらでも計画されたが未遂か失敗に終わったようですね。かなり楽観的でしたしそれに首班を誰が務めるかもあまり決まってない感じなのでゲルデラー氏がそのままスライドする訳でもなさそうですね…
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