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教会のシスターですが何か?  作者: おきゆむ
第四章 勇者殺しの犯人されたシスターですが何か?
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釈放

「ああ、マジで最悪の五日間だったわ…」


チートーズの教会で私が使わせて貰っている部屋のふかふかのベッドに私はうつ伏せになって倒れ込んだ。


監禁されてから五日後の昼に私はようやく私は釈放された。


そして、ミレイと共に教会へと戻ってきたのだ。


「お疲れ様」


ベッドの隅に腰掛けたミレイが私を労う。


「しかし、エメのあの泣きっ面には驚いた。ほんと酷い顔だったわよ?」


ミレイが私を牢獄に迎えに来た時のことを思い出して笑った。


「…仕方ないでしょ?本当に寒いし、臭いし、環境マジ最悪だったんだからっ!」


ベッドにうつ伏せになったまま、ミレイに文句を垂れる。


「まあ、こうして無事に出られたからいいじゃない?」


ミレイの軽々しい言葉に思わず、ムスッとする。


だけど、私がうつ伏せの状態なので、ミレイからは私の顔は見えない。


「ほんと他人事だと思って…でも、出られたのは嬉しいけど、それが新たに勇者様が殺されたからと聞いた時は素直に喜べなかったわよ…」


…そうだ。


私が監禁されている間、また勇者様が二人殺されたのだ。


殺されたのはイズラー様とモヨモート様である。


勿論、顔は思い出せない。


今回、勇者様は殺されたが、シスターは無事だった。


私が犯人にされた事件の時、シスターが一人殺されたのもあり、危険だということですぐに勇者協会がシスターのサポートを中止したのだ。


まあ、そもそも協会が出したシスターのサポート役の要請は犯人への警告が本当の理由であって、実際はどうでも良かったのだから、もうシスターは必要なかったのだろう。


という訳で、私が監禁されている間に私の役目は終了していたという訳だ。


そして、牢獄に入っている私が一連の事件の犯人の筈がないと、釈放になったのである。


「まあ、上手く利用されたわね。真犯人に…」


ミレイの言葉が足元から聞こえてきた。


「だね。完全に嵌められた…」


私を一時的に犯人に仕立てることで、勇者様たちと勇者協会の警戒心を緩めさせたのだ。


勇者殺しの犯人は監禁されているのだから安全だと思わせるために…


犯人は常に自分が動きやすいように事を進めている。


…そして、おそらく最後の仕上げがもうすぐ行われる筈だ。


「…その様子だと、もう大体は分かっているんでしょ?」


うつ伏せになって思考を巡らせていると、ミレイが私に訊いた。


「まあね…五日間も監禁されていたから考える時間はたっぷりあったからね…」


ベッドの上で仰向けにひっくり返り、天井を見上げて答えた。


「役目も終わったことだし、このままタオカモイに帰りたいところだけど、それじゃあ私の気が収まらない。ミレイも手伝ってくれる?」


上体を起こして、ベッドの隅に座るミレイに頼んだ。


「…仕方ない手伝ってやりますか。まあ、私は殺されたシスターの子と面識合ったから、正直ムカついているのよね」


ミレイがベッドから立ち上がって、怒りに満ちた表情を見せた。


「…久しぶりじゃない私とミレイが組むの?」


思い出したようにミレイに訊ねる。


「そういやそうね…前に一緒に戦ってから、かれこれもう三年は経つんじゃない?たしかベヒーモスの時だったっけ?」


ミレイも思い出すように口に手を当てながら言った。


「…そうあの地獄以来だわ。思い出しただけでも吐きそうになってきた…」


嫌な記憶が私の脳裏に蘇ってきて、頭をぶんぶんと左右に振った。


あれはまさに死闘だった…


私は嫌な記憶を再び封印して、ベッドから降りた。


「さあてと、早速行動するとしますか…私を勇者殺しの犯人にして監禁させた借りはちゃんと犯人た(・)ち(・)に返さなきゃね」


私はそう言って、ミレイと共に部屋をあとにした。

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