監禁
冷たい床が私の身体を冷やす。
布が敷かれてるとはいえ、石の床は冷たい。
殺されなかったシスターに犯人扱いされたため、私は現在チートーズ東側にある罪人の収容所の牢獄の中にいた。
鉄格子越しには殺風景な通路の壁しか見えない。
ここに監禁されてから、もう五日が経過した。
牢獄内に扉付きのトイレはあるし、食事も一日に三回運ばれてくる。
だが、牢獄内は寒いし、扉があるとはいえトイレの匂いが漏れてくるし、風呂も入らせては貰えない。
…えっ?…何これ?
一体、何の冗談?
…私が何をしたって言うのよ!
座りながら冷たい壁にもたれ、心中で嘆いた。
シスターの証言はこうだ。
女勇者ユウ様と勇者レイ様ともう一人のシスターと共に夜の街を巡回していた。
犯人が魔族か人間か分からない以上、怪しい者がいないかを隈なく探していたようだ。
チートーズ中央から南に向かっていた時、人気のない道で前方に人が現れたという。
その人物は修道服姿の金色の髪のシスターで、勇者様たちが「ここで何をしているんだ?」と訊ねた瞬間、辺りが急に暗くなったとシスターは証言している。
そして、気付けば自分以外の三人が血を流して倒れていたので、恐怖のあまりに座り込んで茫然としていたところを道を通りかかった人に発見されたようだ。
シスターの証言を訊いて集まっていた勇者様たちが速やかに私の身柄を確保した。
王国に属さないこのチートーズには治安部隊が存在する。
その治安部隊によって、私はトントン拍子にこの収容所に連れてこられ、取調べのあとで牢獄に監禁されたのだ。
取調べで勇者様が殺されたであろう時間は私は教会の部屋で過ごしていたと主張するも、その時間帯は私は誰にも会っていなかったため、それを立証することが出来ず、誰にも見られずに部屋を抜け出して勇者様を殺しに行ったのだろ?と言われて聞く耳を持って貰えなかった。
それまでの犯行についても、最近チートーズに来た私には無理だと訴えたが、それは別の話であくまでこの事件は私が犯人で間違いないと治安部隊の取調官は私の主張を聞いてはくれなかったのだ。
これは完全なる冤罪である。
…私はこのまま、罪人としてこの収容所で生きるのか?
…もう、タオカモイには戻れないの?
推しにはもう会えないのだろうか…?
そう、考えると目に涙が浮かんできた。
一体、何がどうなっているんだ…?
壁から背を離して、床に寝そべった。
冷たさがより一層、身体を冷やす。
このまま、この冷たさに身を委ねて死んでしまうのだろうか…
ああ、最後にイケメンとまたデートしたかったなぁ…
そう願いながら、私はそっと目を瞑った。
「何やってるの?」
急に声が聞こえて、泣きっ面をその方へと向ける。
すると、格子の向こうに修道服姿のミレイと看守の男が立っていた。
「…ミレイ…あれ?何で…?」
スッと身体を起こして、首を傾げる。
「迎えに来たの。釈放よエメ」
格子越しのミレイがそう言うと、看守の男が牢屋の鍵を開けた。




