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教会のシスターですが何か?  作者: おきゆむ
第四章 勇者殺しの犯人されたシスターですが何か?
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勇者様たちを殺した犯人

勇者様との話し合いを早々に諦めた私は、その次の日からお世話になっている教会で過ごすことにした。


司教様に事情を説明して、とりあえずはこの教会のお手伝いをすることになる。


街に仕事をしに行くシスターについて行ったり、教会の掃除を手伝ったりして、数日間を過ごした。


そして、チートーズに来てから一週間が過ぎた日の朝食後、私は他のシスターと共に主聖堂の掃除を行っていた。


「シスターエメ。シスターミレイがあなたを訪ねてこられていますよ」


主聖堂に現れた司教様がチャーチチェアを拭いていた私に声を掛けた。


手を止めて、他のシスターに断りを入れてから、ミレイが待つ入り口のフロアへと向かう。


「…朝っぱらから何の用?」


ミレイの姿を見つけるなり、ダルそうに訊いた。


「今朝、勇者様が殺されたわ…それも二人。この前、ホテルに来ていたユウ様とレイ様よ」


ミレイが深刻な面持ちで私に告げる。


勇者のユウ様とレイ様の顔が浮かんでは来なかったが、勇者様が殺されたという箇所に驚く。


「やっぱり、簡単にはいかないか…まあ、勇者様を殺せるような相手が協会の警告如きでやめたりはしないという訳ね」


そう言って、ミレイが座っている横に腰掛けた。


「サポート役のシスターは?」


「一人は勇者様同様に殺された。もう一人は無事みたい…まあ、私は情報を得ただけで直接現場に行った訳じゃないけどね」


ミレイの言葉に思わず顔を顰めた。


「まあ、論より証拠。見に行った方が早いわよ。流石に遺体はもう運ばれているだろうけど、まだ現場はそのまま維持されている筈だから」


ミレイが椅子から立ち上がって、私に視線を向けてそう言う。


その言葉に訝しげな顔をミレイに向けた。


「…現場ってどこよ?」


「…たしかチートーズ中央と南側の間くらい?」


ミレイが口に人差し指を当てて、上を見ながら首を傾げた。


「それなら、今から行っても間に合わないじゃん…」


ミレイの返答に小さくため息を漏らす。


「魔法を使えば即行けるでしょ?」


さらりとミレイが答える。


…おいおい、私たちはあくまでただのシスターだぞ。


それに移動系魔法は魔法力の消費が激しいから、あまり使いたくない。


あからさまに嫌な顔をミレイに向ける。


「渋っていないでさっさと行くわよ。私たちに関係ない話じゃないんだし」


「まあ、そりゃそうだけどさ…分かったわよ。司教様に事情を伝えてくるから、先に教会を出たとこの狭い路地に行ってて」


仕方なく行くことを了承する。


ミレイが「分かった」と答えて、教会を出て行く。


私はすぐに司教様に事情を説明して、ミレイのあとを追うように教会を出た。


向かうはミレイと再会した時に話をした狭い路地だ。


路地に行くと、壁にもたれていたミレイが私に気づいて壁から背を離して私に歩み寄る。


私は周囲を窺って、誰も見ていないことを確認すると、ミレイに視線を戻す。


それを合図に私とミレイは狭い路地から姿を消した。


私とミレイに詠唱は不要だ。


勇者様たちが殺された現場がはっきりと分からないため、一番近そうな場所まで魔法で移動する。


勿論、これはあらかじめミレイがチートーズのあちこちに移動先を作っていたから出来ることだ。


しかも、ミレイが人目につきにくい場所にその魔法陣を描いていたので、移動した先で誰かに見られる心配はなかった。


すぐに私たちは人に訊ねるなどして、現場を探す。


程なくして、私とミレイは勇者様が殺された現場に到着した。


既に人集りが出来ており、私とミレイはその中を割るように先を進んだ。


すると、地面にいくつもの血が流れた跡が目に飛び込んでくる。


「…こりゃ、酷い」


ミレイが顔顰めて言った。


既に遺体はなくとも、なんとなくその惨劇が想像出来る。


「ミレイ、あれ!」


私は惨劇現場の近くに座り込んでいるシスターを指差して、ミレイに知らせた。


そして、そのシスターに近づいていくと、彼女の周りにいる人物の中に嫌な男の後ろ姿を発見する。


げっ、ロート…


「おい!一体、誰がユウとレイを殺したんだ?」


ロートがシスターの前にかがみ込み、シスターに訊いていた。


だが、シスターは怯えた様子で震えて何も答えられないようだ。


…そりゃ、そうだ。


目の前で三人も殺されたら、そうなるわ…


と心中で感想を抱いてそのシスターを見ていると、ふと彼女と目線が合う。


すると、急に彼女は私を指差して、怯えた表情で口を開いた。


「あ、あの人です…あの人が勇者様たちを殺した犯人です…」


震える声で彼女がそう証言した。


…はぁい?

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