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教会のシスターですが何か?  作者: おきゆむ
第四章 勇者殺しの犯人されたシスターですが何か?
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私には無理でーす

「何だ?俺の邪魔をするなと言った筈だ。消えろ」


勇者ロートと再会して、秒で私の堪忍袋の緒が切れる。


ダンサンスホテルで行われた勇者様の交流会に参加した翌日、私は司教様にペアであるロートの住んでいる場所を訊いて、朝早くからチートーズ中央にあるロートの家を訪ねた。


しかし、ロートは不在で仕方なく、周囲の人に尋ねて回ったのだ。


そして、昼過ぎに路上でようやく見つけたロートに話しかけた瞬間、このざまである。


今すぐその頭にロザリオを叩き落としてやろうか…?


ロート様はああ見えて、実は心優しい方なんです。


とダンサンスホテルで働く女性の言葉を思い出して、なんとか堪える。


話し合いだ…話し合い…


「私はあなたのサポートをするのが仕事です。そのためにこの街に来ました。ですから、いくら勇者様が必要ないとおっしゃっても、私は自分の仕事をしなければなりません。だから、消えれません」


私はロートの前に回り込んで、道を塞ぐように立ってロートにやや強い口調で物申した。


すると、ロートが舌打ちをする。


思わず、イラッとした。


「…面倒くさい女だな。まったく、最悪なやつと組まされたものだ…」


ロートが道を塞ぐ私を見て、ため息を漏らす。


お前の方がよっぽど面倒くさいわ…!


と心中で叫ぶ。


「好きにしろ…ただし、俺はお前を認めない。だから、ついてくるだけ無駄だ」


ロートが私を避けて、捨て台詞を吐く。


そのまま、私を置いて歩いていった。


「あー!もうー!」


私は苛立ちながら、ベールの上から力強く頭を掻きむしった。


怒りをグッと抑えて、ロートのあとを追う。


ロートは街を彷徨うように歩いた。


時に誰かと会話して、また歩く。


街のパトロールなのか、勇者を狙う者を誘き寄せるためなのかは分からない。


だが、一人で行動するのは利口ではない。


せっかく昨日、勇者同士で協力をするという話し合いをしたのに関わらず、コイツは単独行動である。


ソフィアとかいう女勇者はどうしたんだよ…?


私は少し離れてロートのあとをついていっていたが、少しだけ勢いよく歩いてロートに並んだ。


「ソフィア様とは一緒に行動しないのですか?」


無愛想な横顔に質問を投げかける。


すると、ロートがこっちを見ずに口を開いた。


「黙れ。お前には関係のないことだ」


はい、無理ー!私には無理でーす!


心の中で完全に諦めた私がいた。


思わず、足を止めて立ち止まる。


構わず、先を歩いていくロートの背中を睨みつけた。


…馬鹿らしい。


一体、アレのどこが心優しいんだよ?


やがて、その背中が見えなくなる頃、辺りは茜色に染まっていた。

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