どうすんの?
「まったく、ロートさんって人は…」
私の話にウィルさんが呆れたようにため息を漏らした。
「…ソフィアもソフィアだ。この事態を皆で乗り切るために集まったというのに…何を考えているんだろうな」
ウィルの隣に立つレックさんも呆れた様子でウィルさんと同じようにため息をついた。
勇者ロートと女勇者ソフィアにお前はいらないと宣告されたあと、ウィルさんがレックさんと一緒に私たちに声を掛けてくれたのだ。
そこで、アイツらから言われた一部始終をウィルさんに説明したのである。
「…まあ、ペアの勇者様が大人しくしていろとおしゃった以上、逆らう訳にもいかないですし、しばらくは教会でゆっくりしておきます」
しょんぼり感を出して、ウィルさんとレックさんにそう言った。
「私もゆっくりしておきます。ですが、サポートする勇者様が私を要らないと言った以上、私たちは用済みですので、私たちに出来ることがあれば言ってください」
私のあとにミレイがウィルさんとレックさんにそう話した。
それに私もコクコクと頷く。
せっかく、わざわざタオカモイから来たのに、何もしないのはやっぱりおかしい…
「分かりました。何かあれば頼みに行きます。では、僕たちはサポート役をしてくれるシスターを送ってきますので、これで失礼します」
ウィルさんがそう私に告げて、レックさんと共にペアを組むシスターのところへと歩いていく。
私はその後ろ姿を寂しそうに眺めていた。
「…いいな。て顔に書いてるぞ?」
隣でミレイが指摘する。
「書いてないわい…ただ、えらい違いだなと思ってただけ」
小さくため息をつく。
「それな」
ミレイが納得して頷いた。
すると、誰かが私たちに近づいてくるに気付いて、そっちに顔を向ける。
私をこの会場に案内してくれたタキシード姿の女性だ。
「あの…少し宜しいでしょうか?」
タキシード姿の女性にそう言われて「いいですよ」と笑顔で答える。
「…ロート様はああ見えて、実は心優しい方なんです」
…はい?
彼女の唐突な言葉に思わず少し笑顔が崩れる。
「私は幼い頃からチートーズに住んでるのですが、ロート様は勇者になる前からこのチートーズで色々な人たちを助けてきました。私も一度、荒くれ者に絡まれたところを助けられたことがあります。勇者様になられてからは少し態度は変化しましたが、本質的には優しい方だと私は信じています。ですので、どうかロート様を誤解なさらないでください」
タキシード姿の女性がそう言って、私に頭を下げた。
…まったく、こんな子まで頭を下げさせるなんて酷い勇者様だ。
私は優しく彼女の肩に手を置いた。
「顔を上げてください。私はあまり気にしていないので、大丈夫ですよ。あなたがそうまでおっしゃるのだから、きっとロート様は素敵な方なんでしょうね」
私がそう言うと、彼女は顔を上げた。
「ありがとうございます。どうか、ロート様の力になってあげてください」
「はい、任せてください」
彼女の眼差しに仕方なく、そう言った。
私の言葉に彼女は会釈をして、慌てた様子で自分の仕事へと戻っていった。
仕事中に、わざわざ私に言いに来たのか…
彼女のロート様愛は半端ないな。
「…どうすんの?」
彼女との会話を横で聞いていたミレイが私につっこむ。
「…どうしたものかね?参った参った…」
そう答えて、ベール越しに頭をポリポリと掻いた。




