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教会のシスターですが何か?  作者: おきゆむ
第四章 勇者殺しの犯人されたシスターですが何か?
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ミレイ

ウィルさんとの素敵な食事のあと、私はウィルさんと共に馬車に乗ってチートーズの南の停留所へと向かう。


ウィルさんにチートーズの南側を案内してもらったあと、次は再び馬車でチートーズの西側へと移動した。


そして、西側を案内してもらって、馬車で教会の前まで送って貰った頃には、もう夕方になっていた。


楽しい時間はあっという間に過ぎるものだなと、馬車を降りた時にしみじみと感じてしまう。


「今日は本当にありがとうございました。とても楽しかったです」


私は心からウィルさんにお礼を言った。


「それは良かった。また、お誘いしますね。では、明日の夜にチートーズ中央のホテルでお待ちしています」


馬車の客席から私を見下ろして、ウィルさんが言った。


また、お誘いします…


その言葉にすっかり有頂天になる心を必死に制御する。


「…はい。また、明日の夜に」


そう返事をしたあとすぐに馬車が走り出す。


馬車が見えなくなるまで、私に手を振るウィルさんに小さく右手で手を振りながら見送った。


馬車が見えなくなると、私は教会を囲む塀に思わずもたれて右手で顔を覆う。


…おいおい、これかなりいい感じじゃね?


長い長い冬を越えて、ようやく私にも春がやって来たか…


そう考えると、にやけが止まらなくなる。


しかし、流石に疲れた…慣れないことはするもんじゃないな…


というか、ときめき過ぎて心臓がもたないわ。


と、ふと胸を見下ろした。


その瞬間、胸のロザリオが激しく揺れる。


ハッとなって、すぐに周囲を見渡した。


すると、誰かがこっちに向かってゆっくりと歩いて来るのが見えてくる。


その人物は修道服を着ていた。


私と同じシスターだ。


…そして、その人物を私は知っていた。


「ちょっと…わざわざ教会を訪ねたのに留守ってどういうことよ?しかも、男と一緒?思わず、イラッとしちゃった」


よく知っている声が私に語りかける。


「…アンタも呼ばれてたとは知らなかったわ」


私はベールから赤い髪がはみ出しているシスターに向かって、そう言った。


「たまたまよ…たまたま。私も召集されたシスターの中にあなたの名前があったからビックリした。久しぶりねエメ…会いたかったわ」


私の名を読んだシスターが私の目の前で立ち止まる。


西日に染まった彼女を見ながら私はこう呟いた。


「…ええ、久しぶりねミレイ。私は会いたくなかったけどね…」


突然のミレイの出現にせっかくの浮かれムードが台無しだと、私は小さくため息をついた。

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