一週間後、タオカモイに戻る
あれから丁度一週間後の朝、私は再びタオカモイの町に戻ってきた。
同僚のシスターたちへのお詫びはクラリスから貰ったお土産で充分お釣りがくるようだとお土産を受け取ったシスターたちの表情を見てすぐ理解した。
アクセサリーに高価なドレス。
いくらシスターでも、特別な時くらいはお洒落がしたいものだ。
だけど、アンネだけはお土産ではなく、私を迎えてくれた時の方が喜んでいるように見えた。
…ああ、今すぐ抱きしめたくて仕方がないわ。
神父様にも色々とお土産を渡したが、あまり喜んではいなかった。
それよりも私が粗相を起こさなかったかを心配しているようだ。
こりゃ、前の神父様のような扱いを受けるのもどうやら時間の問題みたいだなと、思わずため息が漏れた。
私の帰還のせいで少し遅れた朝食後、私はアンネと共に仕事をしに町へ出掛ける。
町は変わらず平和で、人々が当たり前に日常を過ごしていた。
私とアンネは一人暮らしの老婆の家を訪れたあと、今度は一人暮らしの老爺の家を訪ねる。
アンネの優しさは老婆や老爺を笑顔にさせた。
私の入る隙がない程に彼女の信頼は厚い。
その後、商店街で食べ物を購入して、町の入り口の警備をしている守門に差し入れをしにいく。
「いつもありがとうシスターさんたち。俺たちのやる気も出るってもんだ」
がたいの良い男性が私たちにお礼を言った。
「いえ、いつも町を守って下さっているのだから、これくらい当然の行為です」
私が笑顔でそう答える。
「いや、正直見張っているだけで何も出来ていやしないけどな。この町にはアイリーン様がおられるし、王国の巡回もあったらしいから俺たちの出る幕なんて実際ないに等しいさ」
もう一人の守門がそう言った。
「そんなことはありません。あなた方がいつも見張って下さっていることで、どれだけ私たちが安心して過ごしていられるか…」
アンネが心情的にそう訴えかける。
たちまち守門の二人の表情が変化した。
なんて威力だ。
「…まあ、いざと言う時は頼りにしています」
とさりげなく付け加える。
その時だった…
町の中の方から、何か悲鳴のようなものが聞こえてきたのだ。
しかも、複数…
「何だ!?何かあったのか?」
守門の一人が町の方へと視線を送る。
「俺が見に行く。お前はここを頼む…シスターすまないがどちらかついてきてくれないか?」
もう一人の守門がそう言って、私たちを見た。
「分かりました。私が一緒に行きます。アンネは何か分かるまで、ここにいて」
と真剣な面持ちで指示する。
「…分かりました。くれぐれも気をつけて下さい」
アンネが心配そうに私を見た。
「うん、分かった。じゃあ、行きましょうか?」
私はアンネから守門の男性に視線を移し、町へと急いだ。




