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教会のシスターですが何か?  作者: おきゆむ
第二章 やらかして転勤させられたシスターですが何か?
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黒い霧

捕まってからかなりの時間が経過した。


洞窟の中なので、正確に今がいつなのか分からない。


でも、おそらく感覚で夜だと思う。


洞窟の冷たい地面が身体を冷やす。


すぐに姫様が心配になる。


姫様を見ると、何やら小刻みに震えていた。


そして、脚をモジモジとさせている。


こんな冷たい地面だ…無理もない。


「ちょっと、お願いがあるんだけど」


私は見張り役の盗賊の一人に声を掛けた。


ここに連れて来られてから三度、見張り役が交代している。


「…ん?何だ?」


いぶかしげに私に訊いた。


「トイレに行かせて欲しいんだけど、洞窟内にないのトイレ?」


私の問いに見張り役はなんだそんなことかと呆れた表情を見せた。


「我慢しろ。それかそこでやればいい」


その言葉に苛立ちが募る。


「ふざけないでよ!私は女よ!姫様も!せめてそれくらいはさせてよね!」


と大声で噛み付く。


返答次第では大人しくしているつもりはない。


私はまだ平気だが、姫様は結構限界に見える。


「…分かった分かった。リーダーに確認してくるから少し待っていろ」


見張り役の一人がそう言って、狭い通路の暗闇に消えていった。


「…もしかして、私のために言って下さったのですか?」


姫様が小声で私に確認する。


「いえ、姫様のためだけじゃないですよ。私もさっきからずっと我慢していたので」


姫様にそう答えたあと、すぐにさっきの見張り役が戻ってくる。


「許可が出た。トイレに行きたい者は連れて行ってやる。ただし、縄を解くのは一人ずつだ。いいな?」


その言葉にこくりと頷く。


見張り役に促されて、私と姫様が立ち上がる。


しかし、大臣は座ったまま、立とうとしない。


「私はいい…」


大臣の言葉に分かったと見張り役が私と姫様だけをトイレへと案内する。


姫様から先に一人ずつ縄を解かれ、用を足し終わると再び手首を縄で縛られた。


でも、姫様の少しホッとした表情に安心する。


そして、再び見張り役の案内によって、さっきの場所に戻ってくると、他の見張り役の二人に大臣が暴力を受けていた。


「何をするんですか!?」


姫様がそれを見て、慌てて声を荒げた。


「コイツが怪しい動きをしていたんだ。後ろに縛られた手で何やら魔法のようなものを唱えようとしていたから制裁を加えている」


大臣を蹴りながら、片方の男が説明する。


「…もう充分じゃない?これ以上は…」


と大臣への暴力を止めようとした矢先、何かが周囲を覆っていくのに気づく。


黒い霧…?


灯りに照らされたそれを見て、何だコレはと訝しげに思う。


そして、胸のロザリオが急に激しく揺れ始めた。

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